アメリカ最高裁 令状なしの麻薬探知犬使用を制限

投稿日時 2013-06-23 | カテゴリ: NORML News

2013年4月4日木曜日

ワシントン・コロンビア特別区: アメリカ合衆国の最高裁判所は先週、5対4で、法執行機関による捜索において、令状も相当な理由もないケースでは麻薬探知犬の使用を制限するという裁定を下した。この裁定は、以前警察が捜索令状なしで麻薬探知犬を使用して個人宅の玄関付近を捜索したことが、米国憲法修正第4条に違反するとしたフロリダ州最高裁の判決を支持したかたちだ。


アントニン・スカリア判事は多数派の意見として、「相当な理由に基づいた令状がなければ、警察は家の芝生や庭に入って、証拠を集めたり、家の窓を覗き込んだりすることはできません。本件では、警察官2名と警察犬1匹がその宅地に足を踏み入れたのは事実です。玄関先は、その家庭の生活に密接した領域の典型的な例(訳注:『宅地』の要件をみたすもの)です」との見解を述べた。

クラレンス・トーマス判事、ルース・ベーダー・ギンズバーグ判事、ソニア・ソトメイヤー判事とエレーナ・カガン判事はこの見解に賛成した。

サミュエル・アリト判事は、少数派の意見として、法執行機関による麻薬探知犬の使用は、「不法侵入にはならず、被告が期待する妥当なプライバシーの侵害にもならなかった」という見解を表明している。

この判例は、フロリダ州対ジャーディンズ(Florida v. Jardines)である。

なお、アメリカ最高裁が2005年に出した判決(イリノイ州対キャバレス(Illinois v. Caballes))では、交通取締りで止めた乗用車に警察犬が何かを探知したような警告を出した場合、それは、車内の捜索を行うための憲法上の根拠になるとした。

科学誌「動物認知学(Animal Recognition)」で公表された2011年の研究によると、麻薬探知犬の仕事ぶりは、その犬を扱う警官が相手に対して違法薬物の疑いを持っているかどうかに影響されやすいという。国際的な統計では、麻薬探知犬には誤った警告を出す傾向があり、場合によっては誤探知が80%に達することを示すデータもある。

より詳しい情報は、NORML理事長アレン・セント・ピエール(電話 (202)483-5500)またはNORML副理事長ポール・アーメンタノ(メール paul@norml.org)まで。

Source: NORML News
Rhode Island: Marijuana Decriminalization Law Takes Effect
Thursday, 04 April 2013

翻訳とコメント: Torpedo
合衆国憲法修正4条は、国民が捜索令状なしで法執行機関から捜索を受けることから保護するものです。今回は個人住宅というプライバシーの固まりに対し、令状なく麻薬探知犬に嗅ぎ回らせることを憲法違反と断じました。





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