研究報告:合成THCによりHIV感染が弱まる

投稿日時 2013-07-04 | カテゴリ: NORML News

2013年5月9日(木)

ペンシルベニア州フィラデルフィア: 白血球生理学ジャーナル(Journal of Leukocyte Biology)で公表された前臨床データによると、合成THCアゴニストを投与すると、マクロファージ(体の免疫反応において補助的役割をする白血球)のHIV感染が限定されるという。マクロファージは、HIVウイルスが体内に入った時に最初に感染する細胞の一種である。


テンプル大学医学部フィラデルフィア校(Temple University School of Medicine in Philadelphia)の研究者らはこのたび、現在流通している3種の合成THC化合物が与える、HIVに感染したマクロファージ細胞における影響について評価した。研究では、投薬の後、感染細胞を定期的にサンプリングし、HIVの複製に不可欠な逆転写酵素(RT)と呼ばれる酵素の活動を測定。7日目までに、3種の各化合物を投与するとHIV複製が大幅に減少することを報告した。

テンプル大学のニュース・リリースでは、「この評価結果から、選択的CB2(カンナビノイド2受容体)アゴニストは、既存の抗レトロウイルス薬とともに使用可能で、HIV/AIDSに対する新世代の薬物療法の門戸を開く可能性があることがわかります。評価データはまた、ヒト免疫システムがHIV感染と戦うために活用され得るという考えを支持するものです」と述べられている。

HIV/AIDS患者らの多くが、不安症や食欲不振、慢性痛、吐き気などの対処に大麻を使用していると報告しており、ある研究者は、大麻を療法的に使用している患者は、非使用者に比べて、 抗レトロウイルス療法に従う傾向が3.3倍強いことを報告している。最近では、前臨床モデルにおいて、長期にわたってサルにΔ(デルタ)-9-THCを投与したところ、死亡率が低下し、疾患の進行が改善している。臨床モデルでは、大麻を吸入することで、神経障害が緩和し、HIVに感染した被験者の血中の食欲ホルモンレベルでが増加することがわかっている。

詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Attenuation of HIV-1 replication in macrophages by cannabinoid receptor 2 agonists" は、Journal of Leukocyte Biologyに掲載されています。

Source: NORML News
Study: Synthetic THC Mitigates HIV Infection
Thursday, 09 May 2013

翻訳:bongyo





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