2013年5月16日(木)
イスラエル テル・アヴィヴ:臨床消化器病学(Clinical Gastroenterology and Hepatology)誌のオンライン版で公表された臨床試験データによると、従来の治療法に反応がなかった患者が大麻を吸引すると、大麻のプラセボを使用する場合に比べて、クローン病の症状が緩和するという。
イスラエルにあるメイア・メディカル・センター胃腸病学科(Meir Medical Center, Department of Gastroenterology and Hepatology)の研究者らはこのたび、従来の治療法には反応しなかった、クローン病を罹患した被験者21名おける、大麻の吸引の安全性と効果について評価した。
11名の被験者は、8週間に渡って、THC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)を23%、CBD(カンナビジオール)0.5%含有する大麻タバコを1日2回喫煙した。また、他の10名は、活性カンナビノイドを含まない大麻タバコのプラセボを喫煙した。
報告によると、「今回のデータでは、プラセボでなく、THCを豊富に含んだ大麻を使った8週間の治療により、クローン病活性係数(CDAI)のスコアで100ポイントという著しい減少が見られる」とのこと。前述研究群における11名の患者のうち5名も、クローン病の寛解(CDAI スコアで150ポイント以上の減少によって定義される)が得られたことを報告した。
また、研究者らは、大麻の吸引による「重大な副作用は全くなかった」と報告した。
この研究は、クローン病治療用の大麻の使用を評価するための、初めてのプラセボ比較臨床試験である。イスラエルの研究者らは以前にも、クローン病の患者らは、大麻の使用した後、同病関連の外科手術を受ける必要性が比較的少ないという、観察に基づいた試験データを公表している。
2011年に欧州胃腸病学会誌(European Journal of Gastroenterology and Hepatology)で公表された調査データによると、クローン病患者の半数もの人々が、症状を緩和させるために大麻を使用したことがあることを認めている。
詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Cannabis Induces a Clinical Response in Patients with Crohn's Disease: a Prospective Placebo-Controlled Study" は、Clinical Gastroenterology and Hepatologyのオンライン版に掲載されています。
Source: NORML News
Study: Inhaled Cannabis Reduces Crohn's Symptoms
Thursday, 16 May 2013
翻訳:bongyo
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