2013年5月23日(木)
マサチューセッツ州ボストン発: 米国医学会会報(The American Journal of Medicine)で公表された試験データによると、大麻を日常的に使用する被験者は、時折使用する人々や使用しない人々と比べると、糖尿病コントロールの指標に好ましい値を示すという。
ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)とベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(Beth Israel Deaconess Medical Center)の研究者らはこのたび、4,657名の男性被験者サンプルにおける、大麻の使用と、空腹時インスリン、空腹時グルコースおよびインスリン抵抗性との関係を評価。
「過去1ヶ月間大麻を使用していると報告した被験者は、胴囲が減少し、高比重リポタンパク(HDL-C:いわゆる善玉コレステロール)の値が高くなったうえ、空腹時インスリン濃度およびインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)が低くなった。一方、大麻を使用したことはあるが、過去1ヶ月間は使用していないという被験者の間では、この関係性は薄かった。このことから、大麻の使用は、近い過去であれば、インスリン濃度やインスリン抵抗性に影響を与えることが考えられる」と報告した。
同会報編集長ジョセフ・アルパートは、付随論評の中で、次のようにコメントした。「この所見は、研究者らが言及しているとおり、類似した結論に至った基礎科学の実験が裏付けとなる、実に優れたものです。(中略)国立衛生研究所や麻薬取締局には、政策立案で共働し、確かな科学的調査をおこなって、合成や天然に関わらず、医師がTHCを処方し、適切に使用する際の助けになる情報をもたらしていただきたいものです」
英国医学会会報(British Medical Journal)で2012年に公表された観察試験のデータでは、大麻を使用したことがある成人は、使用したことがない成人に比べて、2型糖尿病の有病率や、同病を罹患するリスクが低いことが報告された。なお、この試験では、研究者らが被験者の民族性や運動量などの社会的変数を調節している。
詳しい情報は、NORML副理事長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "The impact of marijuana use on glucose, insulin, and insulin resistance among US adults" は、The American Journal of Medicineに掲載されています。
Source: NORML News
Study: Regular Cannabis Use Associated With Reduced Risk Factors For Type 2 Diabetes
Thursday, 23 May 2013
翻訳:bongyo
|