研究報告:カンナビノイドに心的外傷後ストレスの治療選択肢になる可能性

投稿日時 2013-08-23 | カテゴリ: NORML News

2013年5月30日(木)

ニューヨーク州ニューヨーク: 今年5月分子精神医学(Molecular Psychiatry)ジャーナルで公表された臨床試験データによると、カンナビノイドとそのレセプターを対象にした研究は、将来的に、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された患者向けのエビデンス・ベースの治療法に繋がる可能性があるという。


ニューヨーク大学医学部の研究者らはこのたび、PTSDと診断された被験者には一般的に、不安や恐怖に関わる脳の領域に内因性カンナビノイド・レセプターが多く存在すると報告。また、多くの被験者において、内因性カンナビノイド神経伝達物質、アナンドアミドの自然産生が減少し、結果的に内因性カンナビノイド調整系が不安定になることを確認した。

そこで、カンナビノイドの体内産生が増加すると、脳内化学物質や心理面のバランスが回復するであろうと推測。「[この]研究により、大麻という天然植物由来のカンナビノイド各種は、始終付きまとう悪夢やその他PTSDの諸症状の緩和を助けることで、PTSDを罹患した個々に有効に働く可能性がある、という新しい証明が少なくとも部分的に実証された」ことを確認した。

そして、次のように結論した。「ここで報告されたデータは、ヒトが罹患するPTSDの病因論において、CB1(カンナビノイド)レセプターと内因性カンナビノイドの重要な役割を立証することが分かった初めてのものだ。また、PTSDに対する脆弱性の情報バイオマーカーを開発・有効化する基礎となり、エビデンス・ベースのPTSD治療について、次世代の合理的発達を導く、とも言える」。

オレゴン州では、下院議会において、医療大麻プログラムの対象枠をPTSD患者まで拡張する上院法案281号が間もなく採決されると見込まれている。

これまでの事例証拠と症例研究報告により、大麻には、心的外傷や不安を軽減する可能性があることがますます分かってきている。しかし、連邦政府当局が、研究者らによるPTSD患者における大麻研究の試みを阻止してきたこともあり、利用できる臨床試験データは今もない。2011年、アリゾナ州立大学の研究者らは、治療抵抗性のPTSDを罹患した帰還兵50名における大麻の使用について評価するため、食品医薬品局承認のプラセボ対照臨床試験を完結させようとしていたが、その試みも連邦政権により中止された。

詳しい情報は、NORML理事長アレン・セントピエール(電話(202) 483-5500)、またはNORML副理事長ポール・アルメンターノ(メール paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Elevated brain cannabinoid CB1 receptor availability in post-traumatic stress disorder: a positron emission tomography study" は、Molecular Psychiatry誌に掲載されています。

Source: NORML News
Study: Cannabinoids Offer Likely Therapeutic Option For Patients With Post-Traumatic Stress
Thursday, 30 May 2013

翻訳:bongyo





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