2013年5月30日(木)
ミシガン州アナーバー: 青年期の健康ジャーナル(Journal of Adolescent Health)で今月公表された観察試験データによると、生徒の薬物検査プログラムを設けている学校では、いわゆるハードドラッグの使用が増加する可能性が高いという。
ミシガン大学社会研究所(Institute for Social Research)の研究者らは、25万人もの中学生や高校生における薬物検査プログラムの影響力を14年間以上に渡って分析。全学年の生徒を対象にしたランダムな薬物検査も、特に運動部の生徒を対象にした検査なども、その実施により、「大麻の使用が適度に減少した」と報告した。しかしその一方、薬物検査により、全体的に、「大麻以外の不法薬物の使用が増加した」ことを警告した。
現在、およそ、中学生の14%、高校生の28%が、何らかの形で薬物検査を受けている。
最も一般的な学校での薬物検査は検尿で、実際の親薬物ではなく、薬物の不活性代謝物(分解産物)を検査の対象とする。大麻の主な代謝物、カルボキシTHCは、脂溶性であるため、大麻を使用して数日から数週間、場合によっては数か月間、尿中に残る。一方、他の不法薬物の大半は水溶性で、数時間のうちに体外に排出される。そのため、薬物検査を受ける生徒は、大麻から、検出時間がより短い他の不法薬物に移行すると、研究者らは推測した。
そして、次のようにまとめた。「一般の高校生においても、検査の標的にされた中高生の部分群においても、学校の薬物検査(SDT)のランダムな実施により、大麻の使用は適度に減少した。しかし、とりわけ高校では、ほとんどの検査形態で、不法薬物の使用が適度に増加した。(中略)この結果を見ると、SDTに、このような明らかな代償の価値があるか疑問になる」。
この調査結果についてのコメントの中で、筆頭研究者は、「薬物検査が、支持者が主張するような薬物使用防止の解決策に繋がっていないことは明らか」であると認めた。
学校の薬物検査プログラムに関する過去の評価では、検査対象となった生徒たちも、他の生徒たちも、不法薬物、タバコ、またはアルコールを使用していると回答する割合は、ほぼ同じであることが報告されている。
詳細は、NORML事務局長アラン・サンピエール((202)483-5500))までお問い合わせください。この調査の全文 "Middle and High School Drug Testing and Student Illicit Drug Use: A National Study 1998-2011" は、Journal of Adolescent Health に掲載されています。
Source: NORML News
http://norml.org/news/2013/05/30/study-student-drug-testing-programs-linked-to-spikes-in-hard-drug-use
Source: NORML News
Study: Student Drug Testing Programs Linked To Spikes In Hard Drug Use
Thursday, 30 May 2013
翻訳:ayanosuke
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