研究報告:大麻の喫煙によりC型肝炎患者の病状は進行しない

投稿日時 2013-11-12 | カテゴリ: NORML News

2013年7月25日(木)

カナダ モントリオール:『臨床伝染病』(Clinical Infectious Diseases)ジャーナルのオンライン版で公表されたデータによると、大麻の喫煙により、C型肝炎とヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した被験者において、肝疾患が促進されることはないという。


モントリオールのマクギル大学と、トロント大学の合同研究チームはこのたび、HIVとC型肝炎ウイルス(HCV)に感染している被験者約700名のコホートにおいて、大麻の喫煙が肝疾患の進行に与える影響について評価した。被験者らは治療開始前、過去に大麻を使用したことがある(平均週7回)と報告。そのうち40%は日常的に使用していたことを認めた。また、この研究で被験者らは、平均32週に渡って監視された。

研究者らは、「今回の予測分析では、HIVとHCVの重感染者における、大麻の喫煙と肝線維症の進行との関連性を示す証拠は見つからなかった」と報告。過去に報告された、大麻の喫煙と肝疾患の進行との正の関係性は「自己治療による逆の因果関係」の結果である可能性があると推測。

そして、次のように結論した。「今回の研究は、HIV・HCV重感染者における肝疾患の進行について、初めての予測評価だったが、大麻が肝疾患の転帰に及ぼす重大な影響は実証できなかった。ハザード比が低く、用量反応関係もなかったことなどから、因果関係の存在は疑わしい。以前の研究では、症状の緩和のために大麻の使用量が増えると、肝疾患が進行するという逆の因果関係に偏向していた恐れがある」。

HIVおよび・またはC型肝炎と診断された被験者らは、病状だけでなく、吐き気や食欲不振など、従来の薬事療法による副作用を緩和するのに大麻を使用すると報告している。

詳しい情報は、NORML副事務局長 ポール・アルメンターノ(メール:paul@norml.org)にお問い合わせください。また、この研究の全文 "Marijuana Smoking Does Not Accelerate Progression of Liver Disease in HIV-Hepatitis C Coinfection: A Longitudinal Cohort Analysis" は、Clinical Infectious Diseases オンライン版に掲載されています。

Source: NORML NEWS
Study: Marijuana Smoking Does Not Accelerate Progression of Liver Disease in HIV-Hepatitis C Coinfection
Thursday, 25 July 2013

翻訳:bongyo





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