弁護士による証拠請求-桂川裁判第2回公判(3)

投稿日時 2014-03-21 | カテゴリ: 桂川さん裁判

弁護側の証拠請求と次回期日についてです。



平成25年(わ)第174号等 大麻取締法違反被告事件
被告人 桂 川 直 文

証拠調請求書2

平成26年3月20日
長野地方裁判所松本支部 御中

弁護人弁護士 森 山 大 樹

 上記被告人に対する頭書事件について、下記のとおり証拠調べを請求する。

第1 書証、物

1 弁第4号証
証拠の標目 「マリファナ・X」(30~37頁)
著者、発行 桂川直文ほか、株式会社第三書館
発行日付 1995年7月25日
立証趣旨 被告人の大麻に関する活動内容

2 弁第5号証
証拠の標目 「「マリファナにアルコール以上の危険はない」オバマ大統領」と題する記事
作成者 CNN
作成日付 2014年1月20日
立証趣旨 記事の存在、大麻の有害性が低いこと、米国大統領が「マリファナにアルコール以上の危険はない」「若者や使用者を長期間刑務所に閉じ込めておくべきではない」と述べたこと

3 弁第6号証
証拠の標目 「Medical marijuana could save my daughter`s life」(医療大麻は娘の命を救える)と題する記事
作成者 The Guardian(ガーディアン)
作成日付 2014年1月25日
立証趣旨 記事の存在、大麻の有用性、医療大麻を処罰する実質的な根拠が存しないこと

4 弁第7号証
証拠の標目 「マイクロソフト元幹部、米国初の大麻ブランド立ち上げへ」と題する記事
作成者 REUTERS(ロイター)
作成日付 2013年5月31日
立証趣旨 記事の存在、米国における大麻の扱われ方、医療大麻を処罰する実質的な根拠が存しないこと

5 弁第8号証
証拠の標目 「米で「マリファナ金融」解禁 販売合法化で通達」と題する記事
作成者 共同通信
作成日付 2014年2月15日
立証趣旨 記事の存在、米国における大麻の扱われ方、米国で大麻解禁の動きが拡大していること、医療大麻を処罰する実質的な根拠が存しないこと

6 弁第9号証
証拠の標目 「マリファナ解禁の莫大な経済効果」と題する記事
作成者 Newsweek(ニューズウィーク)
作成日付 2014年1月22日
立証趣旨 記事の存在、米国における大麻の扱われ方、米国で大麻解禁の動きが拡大していること

7 弁第10号証
証拠の標目 「大麻と医薬品:科学ベースの評価」と題する文書
作成者 米国国立医薬研究所
作成日付 2012年1月16日
立証趣旨 文書の存在、医療大麻の作用、米国国立医薬研究所の医療大麻に対する評価、医療大麻を処罰する実質的な根拠が存しないこと

8 弁第11号証
証拠の標目 「「大麻は中毒性なし」という研究結果が発表される」と題する記事
作成者 ロケットニュース24
作成日付 2013年11月18日
立証趣旨 記事の存在、大麻の中毒性

9 弁第12号証
証拠の標目 「ウルグアイのムヒカ大統領、大麻合法化の功績でノーベル平和賞候補に」と題する記事
作成者 BUZZAP!(バザップ!)
作成日付 2014年2月7日
立証趣旨 記事の存在、ウルグアイにおける大麻の扱われ方、医療大麻を処罰する実質的な根拠が存しないこと

10 弁第13号証
証拠の標目 行政文書開示請求書
作成者 白坂和彦
作成日付 2014年1月27日
立証趣旨 文書の存在、厚生労働省に対し、「大麻に関する科学的研究(医学・薬学・社会学等)について、厚生労働省が所有する全ての文書(外国語文献を含む)」、「大麻使用が原因で、身体的・精神的な疾病を発症した事例について、厚生労働省が把握している全ての事例、及びその具体的な症状を示す全ての文書」、「大麻を医療的に使用している海外の事例(いわゆる「医療大麻」やその制度)に関して厚生労働省が所有する全ての文書」の開示を請求したこと

11 弁第14号証
証拠の標目 開第4203号及び開第4204号に関する補正依頼の回答書
作成者 白坂和彦
作成日付 2014年2月25日
立証趣旨 文書の存在、厚生労働省が保有する文書一覧

12 弁第15号証
証拠の標目 行政文書不開示決定通知書
作成者 厚生労働大臣 田村憲久
作成日付 2014年2月27日
立証趣旨 文書の存在、厚生労働省が大麻を医療的に使用している海外の事例に関する文書を保有していないこと

13 弁第16号証
証拠の標目 WEED(テレビ番組)
作成者 CNN
放送日 2013年8月11日
立証趣旨 大麻の作用、医療大麻を処罰する実質的な根拠が存しないこと

14 弁第17号証
証拠の標目 「医療大麻説明会合についての内容報告書」と題する文書
作成者 長吉秀夫(作家)
作成日付 2013年12月25日
立証趣旨 厚生労働省の医療大麻に対する認識、厚生労働省大臣官房長二川一男氏の大麻取締法に対する見解

15 弁第18号証
証拠の標目 日本薬局方(1~3頁)
発行者 大柴四郎、朝香屋書店
発行日付 1906年(明治39年)10月31日
立証趣旨 日本において医療大麻が使用されていたこと

第2 人証

氏名 白坂和彦(大麻報道センター主宰)
住所 長野県安曇野市穂高有明2257-36
立証趣旨 被告人が本件大麻を栽培した経緯、医療大麻の作用、医療大麻の海外での現状等
尋問時間 60分


以上、弁護側が「2」として証拠請求した内容です。この他、前回の初公判で、ジャック・ヘラー著「裸の王様」の翻訳ゲラと、「NPO法人医療大麻を考える会会報No.4」が提出され、受理されています。さらに、まだ翻訳が終わっていない海外の論文など、次回公判までに提出する予定です。

上記、今回提出した「2」の証拠について、検察官は、「弁第16号証」CNN放送のWEEDは他の書証と内容が重複するので不同意、人証の白坂の証人請求は不必要なので不同意、その他については内容の信用性については争うものの、証拠として扱うことには同意してくださいました。これまで、何度も何度も何度も何度も何度も何度も同じような裁判をやってきましたが、科学的な論文や社会的現実を示す書証に検察官が同意してくれたのは初めてのことです。

裁判長は、弁護士の意見を聞く前に、白坂の証人請求については自ら受け入れ、必要時間を弁護士と検察官に確認しました。弁護士は60分、検察官の反対尋問は20分、計80分の時間が白坂証人の尋問時間として決まりました。

また、CNNのWEEDについてはDVDでの提出で、43分間という尺に裁判長は少しだけ難色を示しましたが、弁護側が短く編集したのでは都合の悪い箇所を削除するなど恣意性の問題が出てしまう、という森山大樹弁護士の申し入れを裁判長が受け入れ、全編を証拠として法廷で上映することになりました。すごい。快挙。

次回、第3回公判は5月9日(金)午後3時から1時間半の予定です。内容は、時間不足で積み残しとなった弁8号証以降の説明と、昨年8月にCNNで放送されたWEEDの上映です。

こちらの主張を聴こうとする公正な審理が行われています。このことについて、検察官と裁判長に、心から感謝を申し上げます。

引き続き、よろしくお願い致します。





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