「カナビス使用のリスク」の3項に、「喫煙の習慣は肺ガンを起こしやすくする」という記述がありますが、これは現在では否定されており、そのレポートもカナビス・スタディハウスさんにあります。
From Cannabis News
カナビス喫煙と肺ガンは無関係
ロスアンジェルスの大規模研究
Source: Newswise, American Thoracic Society (ATS)
Pub date: 23th May 2006
Subj: No Link Between Marijuana Use and Lung Cancer
Web: http://cannabisnews.com/news/21/thread21866.shtml
5月23日に行われたアメリカ胸部学会国際カンファレンスで発表された研究によると、たとえカナビスをヘビーに長期間使っていた人でも肺ガンになるリスクが増加するようなことはないことが明らかにされた。また肺ばかりではなく、カナビスの喫煙による、舌、口、喉、あるいは食道などの頭部や頚部がガンになるリスクも増加しないことも見出されている。
この結果には当の研究者たちも驚いており、「今までは、生涯で500から1000本以上カナビスを吸ったヘビーなユーザーでは数年から10年以上経ってからガンのリスクが増加するはずだと考えていたのですが・・・」 とロスアンジェルスのUCLAデビッド・ゲフィン医学部教授であるロナルド・タシュキン博士は語っている。
研究者たちは、ロスアンジェルス郡でガンと診断された患者が直ちに登録されることになっている南カリフォルニア大学腫瘍レジストリのデータを利用して、ロスアンジェルス郡在住で、肺ガンになった611人と頭部や頚部のガンになった601人について、年齢・性別・生活環境がマッチした1040人のガンに患かっていない対象群と比較している。
研究の対象者は60才以下に限定しているが、その理由として 「1940年以前に生まれた人の場合は、時代背景から考えて、ティーンエイジからカナビス使用のピークになる20才台にカナビス自体を使ったとは考えられない」 とタシュキン博士は答え、実際に若い時期にカナビスを使っていた1950年以降の人が、現在ではガンを発症しやすい年齢になってきている、と指摘している。
被験者たちには、生涯のカナビス、タバコ、アルコール、その他のドラッグの使用歴、ダイエット歴、職業、家族のガン歴、経済状態などを尋ねているが、カナビスの使用歴については他の調査研究と同じ様なものだったとしている。
この研究では、最もヘビーなユーザーとしては生涯のカナビスのジョイント本数22000本以上、中からヘビーな場合では11000から22000本としているが、そうしたスモーカーでさえガンになるリスクは増加せず、少ししかカナビスを吸っていない、あるいは全く使っていない人たちと比較して何らリスクに違いはなかった。
また、肺ガン患者の80%、頭・頚部ガンの70%がタバコを吸っていたが、そのうちカナビスを吸っていた患者はどちらも半数でしかなかった。
タバコの喫煙とガンには明らかな相関があり、この研究でも、一日に2箱以上のシガレットを吸っていた人の肺ガンになるリスクは20倍に増加することが見出されている。以前に実施された多数の研究でも、タバコを多く吸えば吸うほど肺ガンや頭・頚部ガンになるリスクが増大することが示されている。
タシュキン博士は今回の研究が予想外だった理由ついて、タバコのタールに比較してカナビスの煙には肺ガンに関係する発ガン物質濃度が50%も多く含まれており、同量のタバコの煙に対してタールが4倍も肺に残ることが以前の研究で示されていたことをあげている。
「カナビスのジョイントの場合、タバコのシガレットに比べて巻き方がゆるいのでフィルター機能が弱く、より多くの粒子が吸引されてしまうのです。さらに、典型的なカナビスのスモーカーは、タバコを吸う時と違って4倍も長く煙を肺にとどめておくので、その分、微細な粒子が肺に残留しやすくなる」 と説明している。
今回の予期せぬ発見に対する一つの可能な解釈にとしては、カナビスに含まれるTHCが老化した細胞の死を早め、ガン化しにくくなるのではないかと指摘している。
また、タシュキン博士は次の研究として、被験者たちのDNAサンプルを採取して、先天的にガンなりやすい因子を持つヘビーなカナビス・ユーザーの場合にガンのリスクが増大するのかどうか調べたいと語っている。
参考:
カナビスの煙とガン、そのリスクは?
実際には、今回の結果はそれほど意外なものではなく、すでに昨年発表されていた中間集計の報告から予想されていた。
カナビス喫煙、ガンの危険なし (2005年7月11日)
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