長野地方裁判所松本支部 本間 敏広 裁判官様
上 申 書
平成26年8月27日
平成25年(わ)第147号 大麻取締法違反被告事件
被告人 桂 川 直 文
二十歳代後半(1970年代末頃)に大麻喫煙体験をした私は、大麻が巷間いわれているようなものではないという事実を知りました。その後、自らも大麻草を栽培し、大麻になれ親しんだ経験則から、大麻の有益性と無害性を確信しました。このことは今日、海外の多くの公的機関による検証で証明されています。そして1993年より20年以上にわたり、イベントや出版などを通して同志達とともに大麻合法化運動を展開してきました。
はからずも昨年9月、現行の取締法により、再々度長野県安曇野署に検挙され被告人の立場におりますが、今回の事件では、捜査官、取調官の誰一人として「大麻は悪い」とは言いませんでした。そればかりか、大麻合法化に賛同してくれた捜査官もおり、心強いかぎりでした。また、事件を担当した前任の中山誠検事は大麻に造詣があり、叱責の言葉はありませんでした。私の行為には悪意がないことや、大麻合法化にむけて、公判では審理を尽くしたいとする私の願いを充分理解していただきました。
しかしながら、後任の高橋朋検事におかれましては、我々が提出した書証を公判当日まで読むことなく、ことごとく不同意としたことはまことに残念であります。前刑の裁判において私は検察に「刑罰をもって国民の大麻草の栽培と所持を規制することで、国民の何をまもるのでしょうか」と問うたところ、「大麻には害悪がある」とする回答でした。その主たる証拠として「ダメ、ゼッタイ」のホームページのプリントアウトを提出してきました。その内容はまったく根拠のないものであることが我々の調査で判明しております。このことを立証すべく今回「弁31号証」として証拠調請求しましたが、検察自ら作成した報告書まで不同意とするのは、検察による証拠隠しといわざるをえません。
私は現在の法体系や法治による秩序を尊重しております。そのうえで大麻の合法化は国民生活の向上に寄与し、社会の進歩であると考えています。大麻の摂取は人々の心をおだやかに平和的にし、様々な病気に効果のあるものです。大麻先進国の中には刑務所でも大麻が喫える国があるほどです。
今年になって、雑誌のインタビューで、現職のアメリカ大統領が自身の大麻使用を披瀝し「大麻はアルコール以上に害はない」と述べたことは、大きな時代の変わり目にあることを感じることができます。どうぞ私の真意を汲み取り、公正な審理を尽くしていただきたくお願い申し上げます。
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