【書評】「大麻草と文明」(3)長生きするために医療大麻を合法化しよう

投稿日時 2014-12-14 | カテゴリ: サルパラダイスの読み

サル・パラダイス

大麻草と文明
ジャック ヘラー (著), J.エリック イングリング (翻訳)
築地書館


2000年3月号の「ネイチャー・メディスン」に発表された興味深い研究。マドリードのコンプルテンセ大学やアウトノマ大学での研究によると、ラットを使った実験で、研究者はカンナビノイドと呼ばれる活性化合物を、脳腫瘍に直接注入した。結果、悪性腫瘍の発育阻止が確認された。THCは初めて、3分の1のラットの脳腫瘍を全滅させ、そしてTHCを注入された約3分の1のラットが、THCを注入されていないラットよりも著しく長生きした。実験では、THCがグリオーマ細胞を殺す一方で、健康な脳細胞は破壊しなかった。THCはセラミドと呼ばれる脂質の増進を促し、ガン細胞を縮小させた。

将来的に自分が終末期を迎えるとき、なんらかの病気を患っている可能性が高い。その時、ただひとつ医薬品を選べと言われたら、大麻と答えるだろう。


大麻は研究されればされるほど、あらゆる病気への効能が明らかになってくる。
それにもまして、ほとんどの化学医薬品が薬にもなるが毒にもなる副作用を伴っているのに対して、大麻には副作用がない。さらには、食欲を増進し、痛みを減少させ、多幸感をもたらす。

何よりも、大麻のすぐれているのは、生きるための前向きな姿勢を取り戻させてくれるところなのだ。

それは、作者ジャック・ヘラーがエイズやがんで死にかけていると感じていた人々から聞いたこんな言葉によく表れている。

「マリファナを医薬品として喫煙する現在では、エイズやがんと共に生きる意欲が湧いてきた。」

大麻はたばこより刺激が強いわけだから、がんの原因になるのではないか。少なくとも肺の病気を引き起こすのではないか。普通はそんなふうに考えるのではないか。僕もずっとそう思っていた。事実は違う。

UCLAのタキシン医学博士は、大麻草の喫煙が肺がんの発症に関連性が無いことを突き止めた。又、当初、彼は大麻が肺気腫を悪化させると推定していたが、研究を続けるうちに、大麻草の喫煙が気管支を広げることによって肺気腫の治療に有効であると逆の結果を得た。

他に心配なこととして、大麻はその強い刺激のため脳を破壊するのではないか。なんとなくそんなふうに心配しませんか?

ヒース博士の報告書というのがある。アカゲザルに1日30本のジョイントを吸わせた場合、消耗症の兆候があらわれ90日後に死亡した。そして、その猿から膨大な量の死んだ脳細胞が発見されたというものである。

この研究は1970年代から現在においても、度々連邦政府の小冊子などに利用され、反マリファナプロパガンダ文献の巻頭を飾っている。

この実験のからくりは、後に明らかにされるのだが、ヒースの研究方法は、アカゲザルを椅子に縛り付け、外に漏れないようにしたガスマスクをさせて、5分に1回の頻度でジョイント63本分を吸わせて、それを3ヶ月続けた。

猿たちは窒息したのだ!ヒースのそれは、猿の一酸化炭素中毒の実験に他ならなかった。一酸化炭素は、脳細胞を破壊する、死をもたらすガスの一種で、それはあらゆる物質が燃焼する時に派生する。

このようなおそまつな内容で嘘が出回っている一方で、真実は、「臨床調査ジャーナル」の最新の研究によると、マリファナの喫煙には、脳の成長を促す可能性があることが発見されたとある。

2007年5月には、CNNや他の報道機関が、マリファナがアルツハイマー病の治療にもっとも有効であることを世界中に知らしめた。大麻草を20歳~40歳代で吸い始めれば、アルツハイマー病を患う可能性は低くなるという。
つまり、脳を破壊するどころか、成長させる、あるいは整える作用があるようだ。

このように、反マリファナの文献の類のほとんどは、伝聞による各種の記録や、不自然なデータの配置、そして検証や再現が不可能な実験に基づくものばかりである。

例えば、大麻草の喫煙が精子数の減少を一時的にもたらすといったよく聞く事象も、一般的な統計上においては意味をなさないものだという。

これらの事象はメディアによって誇張され、報道される。そして、一般人の普通の知識のベースになっているのが、悲しいかな、これらの情報ということになる。

事実はこうである。以下は信用のおける研究に基づく大麻の効能である。

喘息
喘息の本格的な発作には、一服の大麻草が効力を発揮する。大麻草と喘息治療の関係は何千年もさかのぼることができる。

緑内障
大麻草は緑内障に対して、現在の毒性処方薬の2倍から3倍、眼圧を下げ、症状を緩和する効能があり、合法な処方薬や点眼液のように、突然死をもたらす可能性もない。

腫瘍(がん)
ヴァージニア医科大学の研究者は、大麻草が良性、悪性の腫瘍(がん)を縮小させることを突き止めた。

吐き気の緩和
がんの化学療法に伴う吐き気の緩和には、大麻草が最良の治療薬である。これはエイズ治療にもいえることで、船酔いに伴う吐き気の緩和にも大麻草は威力を発揮する。製薬会社の吐き気止めは、錠剤という形で摂取されるものの、多くの患者は、これをすぐに吐き戻してしまう。

てんかん
大麻草抽出液は、ジランチン(より一般的で副作用の激しい、抗けいれん剤)よりもてんかんに対して効能がある。

多発性硬化症
多発性硬化症の患者は、大麻草を喫煙することによって、病気による神経系統への作用や、筋肉の衰弱、振顫(ふるえ)などといった症状の緩和が見られる。

腰痛
大麻草はそれを喫煙することや、薬草として摂取すること、湿布薬として貼り付けることなどによって、筋弛緩薬や、腰痛(背中の麻痺)の薬、世界随一の、鎮痛剤の代理品となり得る。

淋病、ヘルペス
大麻草のCBDエキスは淋病やヘルペスに効くとのことである。

関節炎、ヘルペス、嚢胞性線維症、リウマチ
大麻草は、末梢性鎮痛剤である。リウマチや関節炎に伴う痛みの緩和にも利用されている。

肺の掃除役や、去痰剤として
人間の肺からスモッグや埃やタバコ喫煙に伴う痰をも除去する。大麻草の煙には、肺の気管や気管支を拡張させ、肺に酸素を供給する効果がある。

睡眠とリラックス
大麻草は血圧を下げ、動脈を拡張し、体温を平均摂氏0.4度位下げ、それによってストレスを緩和する。

偏頭痛
大麻草は多くの場合、偏頭痛の緩和をもたらす。

食欲増進
大麻草は地球で一番の拒食症の特効薬である。

脳卒中
マリファナの煙は、現在地球上で知られている、脳卒中後の脳障害を克服する唯一の医薬品である。
①大麻草は動脈を拡大させることにより、脳内の血栓症を防ぐ。
②大麻草は血栓症後に脳細胞を破壊するグルタミン酸の発生を阻止する。
大麻草はその場で、1秒以内に、脳卒中から身を守る。現在幅広く使われている医薬品は、効能が現れるまでに6時間以上かかる。それでは既に遅いのである。

最後に1970年前後にジャマイカとコスタリカでヴェラ・ルーベン博士によって行われた研究について書こう。この研究には現代の金額でいうと1億5000万ドルもの資金が投入された。

その内容は、朝、昼、晩に大麻草を摂取すると、2年近くは寿命が延びるというものである。となると、これは「生存権」の問題ではないのか。

「生存権」は日本国憲法で国民に保障されている「基本的人権」の中にある国民の生きる権利である。そして、憲法は法律より優先される。

だとしたら、ぼくらはこう言えるのではないだろうか。あるいは、言うべきなのではないだろうか。

「生存権」を主張します。即刻、「医療大麻」を合法化せよ!

(4に続く)





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