大麻と尿検査

投稿日時 2006-07-24 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

談話室(THC掲示板)やメールで、「尿検査があるけど大麻の反応が出るだろうか」、という不安げな問いが時々ある。
出るかもよ~

メルクマニュアルの大麻の項には次のように書かれている、と答えることにしている。

マリファナを吸うと、ごくたまに軽く吸うだけの人でも、尿検査の結果は数日から数週間にわたって陽性になります。常用者では、マリファナが体の脂肪から徐々に放出されるため、数週間以上にわたって検査結果は陽性になります。


私が他人の小便に関して責任を持って回答できるのはここまでである。
あんたの小便に大麻が出るか糖が出るか、俺に聞かれたって分るわけがないだろ?ご健康とご幸運を祈る。

会社の定期健康診断で尿検査があっても、一部の職種を除いては薬物検査はしないだろう。
検査項目が増えれば、その分の費用が発生し、企業はそれを負担しなければならない。
尿検査で何の数値を調べるのかは予め分るだろうし、勝手に薬物検査などしていたら、それこそ問題だ。

但し、一部の職種では、尿検査で薬物反応も調べるらしい。
数年前に聞いた話だが、警備会社の入社時健康診断で尿検査があり、配られた検査項目一覧に、覚せい剤や大麻も入っていたとのこと。その話をしてくれた若者は前日の晩にもブリブリしたそうで、ヤバイと思った彼は知り合ったばかりの同期入社の男に紙コップ半分の小便を分けてもらったそうだ。せっかく親切な同僚に恵まれたのに、その若者はすぐにその警備会社を辞めてしまった。彼は、健康診断は毎年あることに気付いたのだ。

任意の事情聴取で尿を取られたという話もよく聞く。そもそも、職質は任意であり、所持品検査などに応じる法的義務はないのだが。
警察が尿検査で調べるのは主として覚せい剤の反応を見るためらしい。

私も逮捕された当日に小便を取られた。担当は、「覚せい剤だよ、念の為な」と言った。大麻とアルコール以外の薬物が出る心配はなかった。驚いたのは、その小便を捨てるのにさえ、容疑者の同意がいるのだった。
小便を取られたあと、引き続き逮捕直後の取り調べが続いたが、担当のマトリが男からユ●コちゃんに代わり、ユ●コちゃんは私に紙を見せ、記入と署名を求めた。その紙の書式名は忘れたが、小便の所有権を放棄するためのものだった。小便を捨てるのにさえ容疑者の同意が必要だとは、なんか、とても、法律に守られてるような気がした近畿麻薬取調室の夜。ユ●コちゃんと二人きりの密室で、監視カメラに覗き見されながら、私は尋ねた。

「これ、俺が署名しなかったら、裁判終わるまで小便を保管しておいて、返してくれるの?」

意表を突く私の問いかけにユ●コちゃんは言葉を詰まらせた。私のなかの良からぬものが、

「署名、どうしようかな。でも、小便、冷蔵庫にでも入れておかないと腐っちゃうね。事務所の冷蔵庫にでもしまっとく?」

ユ●コちゃんは何も答えてはくれなかった。
どうしたんだい?ボクのことがキライになったのかい?
残念だけど、今夜は一緒にいてあげられないんだ。
檻で寝なきゃだし。
一緒に来るかい?

ま、こんなことで粘っても。
夜も遅いし。
私は、言われた通り、「いりません」と書いて署名し、指印を押したのだった。


同じ事件の流れで私より少し遅く捕まった友人は、尿検査に応じなかったそうだ。酒を呑まない彼は大麻しか出るものもなかったが、大麻で逮捕することへの抗議の意思を示すため、断固拒否したという。
私には、尿検査を拒否するという発想すらなかった。考えたのは、返してもらうかどうかだけだった。






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