ナショナルジオグラフィック 2015.6 マリファナの科学

投稿日時 2015-06-12 | カテゴリ: 今週のマスコミよかった大賞

サル・パラダイス

【今週のマスコミよかった大賞】
ナショナルジオグラフィック 2015.6
マリファナの科学
ナショナルジオグラフィック 2015.6 マリファナの科学マリファナの科学,ナショナルジオグラフィック

今回この世界的な雑誌「ナショナルジオグラフィック」が26ページにわたって、マリファナ、つまり大麻について特集を組んでいます。

ナショナルジオグラフィックというと、日本ではあまりなじみのない雑誌のようですが、地質、地理、歴史、科学などを扱った雑誌として、その歴史は100年以上続いており、日本語を含む36言語で、180ヵ国以上で出版されとります。

私もそろそろこういった科学雑誌で大麻が本格的に取り上げられるころと思っていました。


従来、大麻の解放運動というと、大麻吸引の自由をたばこや酒と同じく認めろであったり、大麻所持による逮捕の非正当性といったアプローチでしたが、近年は全く違った側面が顕著になってきました。 それは大麻の病気の治療における重要性です。この特集はその点についてまとめられています。

この記事に出てくるアデリン・パトリックは生後6か月の時に乳児痙攣を発症する。先天的な脳の形成異常によるてんかん性の発作だと診断され、その回数は1日20回から100回、300回と増えていった。治療としては大量の抗てんかん薬、強力な薬の作用で発作は減ったもののアデリンはほぼ1日中眠ったままとなった。入院は9か月の間に20回。

その後、この両親は親族から医療大麻を勧められたとのこと。はじめは耳を疑ったが、コロラドに行って、CBDオイルを試してみると、発作はすっかり収まり、何か月かぶりに娘の微笑むのを見たとのこと。 いよいよ両親はコロラドへ移住することとした。親なら当然ですと母親。そのほぼ1年後、アデリンは元気いっぱいであり、大麻オイルを使うようになってから、1度も入院していないとのことである。

コロラドスプリングスは医療の為に移住する人々の聖地となり、全米各地から思い病気に苦しむ子供をもつ100世帯余りの家族が移り住んできているそうだ。彼らは自分たちを「医療難民」と呼んでいる。もともと住んでいた州で子供に医療用の大麻を与えたら、違法取引で逮捕されるか、児童虐待の罪に問われるおそれがあり、やむなく引っ越してきた人たちである。

こんな状況があるんですね。アメリカで医療用大麻が認められているのは23州と首都ワシントン、イスラエルで治療のために大麻の使用許可証を所持している人は2万人以上という。治療の上で、大麻による恩恵を受ける人は確実に増えている一方で、大麻についてはまだわかっていないことが多いとも言う。もちろん、それは長らく大麻が禁止されており、大麻を研究すれば逮捕されかねない状況にあったからだが。

このナショナルジオグラフィックの記事では、概ね、大麻について肯定的ではあるが、諸手を挙げて賛成と言うわけではなく、大麻には確実に強烈な作用があるし、わかっていないことも多く使用は慎重にしなければならないとしているし、特に未成年者への使用は脳の発育上好ましくないという態度である。

しかしながら、先のアデリンのような幼児のてんかんに加えて、大麻がガン患者の化学療法における副作用の軽減に役立つことは確実としている。その他、どんな治療に有効かと言うと主なところで、緑内障、炎症、食欲不振、ぜんそく、多発性硬化症、乾癬、PTSD、認知症、統合失調症、骨粗しょう症、ALS、クローン病、トゥレット症候群など様々な病気があげられる。

さらには、グスマンのラットの実験などのように、ガンそのものを無くす可能性まで言及しており、おそらく大麻が将来病気治療において大きな役割を担ってくることは間違いないと、この記事から感じられる。

大麻の主要成分、THCとCBDが発見されて約50年、その受容体が人間の体内でつくられているという驚きの発見がされて約20年、現在は進化生物学者ノーラン・ケインにより大麻のゲノムの解析が進んでいる。確実に大麻の研究は進んでいることは確かだ。そして、大麻に対する我々の態度の変化も世界的に見れば、進んでいると言える。

アメリカ51州のうち半数近くが医療大麻を合法としており、現在4州と首都ワシントンで嗜好用でも大麻は合法となった。非犯罪化の州となるとさらに15ほど増える。

国連の調査によれば、2012年中に嗜好品としてマリファナを使用した人は全世界で2億2700万人、1回以上使用した人のその国での人工の割合でいえば、アメリカは14.8%、カナダ12.2%、メキシコ1.2%、ブラジル8.8%、ウルグアイ8.3%、オーストラリア10.3%、ニュージーランド14.6%、エジプト6.2%、モロッコ4.2%、南アフリカ3.7%、スペイン9.6%、フランス8.4%、オランダ7.0%、アイスランドなぜか18.3%。日本近隣のアジアでは、カンボジア3.5%、マレーシア1.6%、タイ1.2%、韓国0.3%、香港0.4%、ブータンなぜか4.2%とのこと。

さて、日本は0.3%だそうです。日本の総人口1億人とすれば、30万人くらいですかね。

アメリカでの販売実績の予測も興味深く、嗜好品、医療用合わせて、2014年28億ドル、2017年110億ドル、2020年220億ドルとなってます。

まあ、大胆予測と言うことで、この記事のこれらの内容から私が考えるにだけどね、東京でオリンピックが行われる2020年には、アメリカでは半数以上の州で嗜好品を含めた大麻が合法化されており、それは西側と東側のメインなところを含むため、アメリカと言えば大麻は合法というイメージとなり、さらには、大麻は医療、嗜好ともにアメリカで販売額が急拡大しており、それは経済の力によって、いよいよアメリカの主要輸出品として世界市場へ拡大するはずであって、日本がこのまま大麻鎖国を続けられたとして、日本の難病患者のうち富裕層に属する何百人、何千人あるいは何万人はアメリカに医療難民として移住するところとなり、それはグアムとかハワイとかロスあたりになるのか、あるいはフィリピンとかマレーシアが外貨獲得をめざして医療大麻を解禁して大量の日本人を受け入れてるのか、その一方貧困層の難病者はやみで医療大麻を買わざるを得なく、それをターゲットに海外から高額に売れるということでディーラーが日本に集結し、本来的に言えば無駄な大麻犯罪者で日本の刑務所は溢れかえるという状況。

ねえ、たかが大麻、されど大麻。大麻によって、日本は富裕層がますます海外へと流れ、貧困者と犯罪者で溢れかえるという最悪状況、ちょっとオーバーにいうとね。

こんな想像をしてみましたが、ほとんどアメリカ主導ですが、大麻をとりまく世界の流れとはこうなってきておりまして、この特集の44ページにちらっと書いてますが、国連で来年、2016年薬物に対する方針を再検討することにしていると。つまり、来年国連によりこの流れに対してお墨付きが与えられ、大麻が正式に承認される可能性が高いと思われます。

まあ、私としては科学雑誌でこうしてまじめに大麻が特集されるようになったこと自体がすごい進歩と感じていまして、なにしろ10年前のこのコーナーはじめたころは、大麻吸ってた芸能人、なんて悪い奴だ、打ち首だあみたいな記事が溢れてたわけでして、あと一歩、希望的に言えば、あとちょっと、がんばっていこうですね。





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