大麻合法化によってカナダはどう変わるか
支持者らは次期首相ジャスティン・トルドー氏の公約に望み
2015年10月21日
記事:ベンジャミン・シングラー、ジェイラ・バーンスティン(CBCニュース)
ケベック州大麻合法化支持団体Bloc Potの創始者で、この10年間は正真正銘の自由党員であるマーク・ボリス・セントモーリス氏はこれまで20年以上の間、大麻合法化のために闘ってきた。
今、その夢がこれまでになく近づき、現実になろうとしている。次期首相ジャスティン・トルドー氏が、大麻合法化・制度化を党規約の基本理念にしたのだ。
セントモーリス氏は言う。「私たちは大きな進歩を遂げたと思う。転機が来たのだ。ようやく勝算のある条件を得たのだ」。
しかし、その変化がいつ、どのように実行されるかは不明確なままだ。だが同氏は、新たな自由党政府が公約に従うということに「慎重に楽観的だ」と述べた。
(関連記事:
大麻ショップはどのような見栄えになるのか
<ドン・ブリア氏は、バンクーバーにある「15 Weeds Glass & Gifts」医療大麻ディスペンサリーのオーナーだ。カナダが変われば、その類いの店は公の場でもっと目にすることになるだろう(ダリル・ディック/カナディアン・プレス)>
トルドー氏はすでに、未成年者が簡単に大麻に手を出せないように変えなければならないとの見方を強調し、大麻が地方の街角の店で売られるようになるのは快く思わないと述べている。
また同氏は、大麻合法化によって、未成年者による大麻の購入は難しくなり、犯罪組織が大麻から利益を得ないようにできると主張する。
ケベック州で最初の医療大麻クリニックであるSante Cannabisの共同創設者アダム・グリーンブラット氏は、成人が訪れ、IDを見せると、「欲しい大麻製品を何でも購入できる」ような、政府規定の施設がモントリオール市街に立ち並ぶ未来を思い描く。
同氏は、「大麻が普通の店舗やコンビニ(depanneurs)で売られるようになれば、大麻の価値を下げてしまうことになると思う。(中略)大麻は、多くの利用価値がある、多様で重要な薬物なのだ」と言う。
各州の役割
<ケベック州で最初の医療大麻クリニックであるSante Cannabisの共同創設者アダム・グリーンブラット氏は、大麻から生まれる税収の一部は、啓蒙活動に使うこともできると言う(ジェイラ・バーンスティン/CBC)>
グリーンブラット氏は、変化が起こるとすれば多くは、飲酒年齢を規定する法律のように州ごとに異なるものになるだろうと見ている。
また、大麻の販売についても、ケベック州におけるワインやスピリッツ類のように国営企業で取り扱うか、それとも、アルバータ州のアルコールのように私企業で扱えるようにするのか、決定を下すのは州に託されるだろう、としている。
同氏によると、州(地域)によっては、大麻の販売を完全に禁止する選択を採ることもあり得る。ただ、確かなことは、大麻に追加の販売税が課せられるということだ。グリーンブラット氏は言う。「基本的には、結局税収である」。
「大麻ユーザが闇市場に行かないよう、課税を低くしておくという手を使うことになるだろう。(中略)税収の一部は大麻の危険性を若者に啓蒙するために使用できると思う」
コロラドの大麻制度モデル
<コロラド州は嗜好目的の大麻合法化後1年間で、大麻の販売により、6,000万ドルの税収を得た。(アソシエイト・プレス紙)>
カナダ自由党は、嗜好目的の大麻合法化を果たした米国最初の州であるコロラドが、カナダの大麻合法化のモデルになると考えている。コロラド州では、21歳以上の成人1人につき、嗜好用に28グラムまでの大麻の所持が許されている。
カナダ警察署長協会(Canadian Association of Chiefs of Police)は2013年以降、所轄の警察官に対し、30グラム以下の大麻所持者に対して違反切符を切ることができるよう、強く求めてきた。
同協会の副会長であり、ガティノー警察署長であるマリオ・ハメル氏は、大麻合法化により、警察官が他の事件に対処する余裕ができると言うが、協会には他の不安材料がある。
「犯罪組織は身近にいて、常に資金源を求めている。(中略)犯罪組織にとってのビジネス・チャンスが、他のドラッグ(、より安価なケミカル・ドラッグ)に移る可能性もある」。
source: CBC News
How legalized marijuana could change Canadian cities
Oct 21, 2015
翻訳:なみ
訳者コメント: 遅れをとる日本は、先行く欧米をモデルにしていくことになるのでしょうね。大麻に関わる利権もTPPに乗じてアメリカ様に取られたりすることもあるのかな・・・
|