2014年8月28日(木)
ペンシルベニア州フィラデルフィア:「米国医学協会(JAMA)内科部会ジャーナル」(Journal of the American Medical Association (JAMA) Internal Medicine)が今週公表したデータによると、州の医療大麻法によって、オピオイドの過剰摂取による死亡率が著しく低下するという。
ペンシルベニア州立大学、ニューヨーク州のアルバート・アインシュタイン医療大学(Albert Einstein College of Medicine)、バルティモア州のジョン・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院(Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health)の研究者らからなる研究チームは、医療大麻法と、1999年から2010年までの米国における、州レベルの死亡証明データの時系列分析を行なった。同期間には、13の州が医療大麻を許可する法律を制定している。
報告によると、「医療大麻法がある州では、同法がない州に比べて、オピオイドの過剰摂取死亡率の平均が、24.8%低かった」。具体的には、医療大麻法がある州では、オピオイドの過剰摂取による死亡は、発効後、1年間で平均20%、2年間で25%、5、6年で33%も減少している。
また報告では、「正確なメカニズムは明らかではないが、この研究の結果から、医療大麻法とオピオイド鎮痛薬による死亡率には、何らかの関連性があることがわかる」と結論されている。
この研究の指導的立案者マーカス・バッフーバー(Marcus Bachhuber)博士は、ロイター衛生部(Reuters Health)に対する声明で次のように述べた。「医療大麻の議論はほとんどの場合、痛みなどの症状が軽減するといったような個人の効果についてである。この研究が独自に貢献できたのは、医療大麻法と医療大麻政策が公衆衛生に広範囲に影響を与える可能性があるという結果を導いたことである」。
また、共著者のコリーン・バリー(Colleen L. Barry)氏は、次のように付け加えた。「(この研究の結果から)多くの命が救われる可能性があることがわかる。(中略)処方のオピオイドの服用量を減らすことができるような代替策への完全な切り替えや、補完策の選択などを患者らが自ら行なっていることが推察される」。
この10年以上の間、オピオイド鎮痛薬の過剰摂取に関わる死亡は劇的に増加している。米国疾病管理センター(US Centers for Disease Control)の分析によると、1999年に4,100件未満と報告された死亡者数は、2010年までに16,600件超に増加している。
カリフォルニア州立大学サンディエゴ校の医療大麻研究センター(Center for Medicinal Cannabis Research)が監督した一連の臨床試験によると、乾燥大麻の吸入がさまざまな種類の神経疼痛(オピオイド鎮痛剤による対処が難しい類の痛み)の治療に有効なことがわかっている。さらに、2011年、「臨床薬理学と治療」(Clinical Pharmacology & Therapeutics)誌で公表された臨床データによると、大麻の投与は、慢性痛患者における同薬剤の鎮痛効果を著しく増加させるという。
「ハーム・リダクション・ジャーナル」(Harm Reduction Journal)誌で公表された別のレビューでは、「神経疼痛に対して、オピオイドの代わりに大麻を処方すると、処方の鎮痛薬による不健康な状態が緩和され、死亡率も減少する可能性があり、大麻の処方は、有効なハーム・リダクション法の1つであると考えられる」と結論されている。
詳しい情報は、NORML副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Medical cannabis laws and opioid analgesic overdose mortality in the United States, 1999-2010" は、JAMA Internal Medicineに掲載されています。
Source: NORML NEWS
Study: State Medical Marijuana Laws Associated With Lower Rates Of Opiate-Induced Fatalities
Thursday, 28 August 2014
翻訳:なみ
コメント:がんの薬物療法で起こる副作用の緩和薬として有効だということは以前から言われていますが、アヘン剤の鎮痛効果を増加させる効果もあって、それが統計的にもほぼ明らかになったということですね。西洋人にしか効かないとか、まさかそんなことがあるのかどうか、早く日本でも症例研究を許可してください。
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