研究:大麻によりオピオイド依存治療の結果が向上する

投稿日時 2015-12-10 | カテゴリ: NORML News

2015年12月4日(金)

ニューヨーク州ニューヨーク:「薬物・アルコール依存」(Drug and Alcohol Dependence)誌オンライン版で印刷版に先立って公表されたデータによると、大麻の使用により、外来治療を受けているオピオイド依存の被験者の治療結果が向上するという。


コロンビア大学の研究者らは、入院して解毒治療を受けているオピオイド依存の被験者とナルトレキソン(アヘン剤受容体拮抗薬)で外来治療中の同被験者におけるカンナビノイド対プラセボの使用について評価。

報告によると、解毒過程で経口THC(ドロナビノール)を投薬すると、プラセボに比べて、被験者の離脱症状が緩和したが、その効果は治療全体を通して持続することはなかった。一方、外来治療中に大麻草を使用していた患者は、使用していなかった患者に比べて、睡眠の質が向上し、不安が少なくなり、治療を完遂する割合が高かった。

研究者らは、「今回の研究結果で興味深いことの 一つは、大麻には治療の継続に対する有益な効果が見られたことだった。大麻喫煙者の参加者は、ドロナビノール、プラセボに関わらず、大麻を喫煙しない参加者に比べて、不眠や不安がより軽減し、治療を継続する傾向がより強かった」と結論した。

この結果は、2001年と2009年におこなわれた2件の研究の結果を再現したものだ。その研究では、外来治療中に大麻を断続的に使用する被験者は治療を継続する割合が高いことが報告されている。

医療大麻が許可されている州の人口データからは、禁止されている州に比べて、オピオイドの乱用や致死率が低いことがわかっている。臨床データや症例報告からは、大麻を併用すると、疼痛管理ができながらアヘン剤を減らすことができることもわかっている。また、州認可の医療大麻患者についての調査データでは、医療大麻を手に入れられる被験者は、副作用が少ないことから、オピオイドの代用として大麻を使用することが多いことがわかっている。

米疾病対策センターの分析によると、オピオイドに関わる過剰摂取死は近年劇的に増えている。1999年にはアヘン剤による死亡が4,100件報告されたが、その数は2010年までに16,600件に増加している。

詳しい情報は、NORML副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "The effects of dronabinol during detoxification and the initiation of treatment with extended release naltrexone" は、Drug Abuse and Dependenceオンライン版に掲載されています。

Source: NORML NEWS
Study: Cannabis Improves Outcomes In Opioid-Dependent Subjects Undergoing Treatment
Friday, 04 December 2015

翻訳:なみ

コメント:この記事からも、大麻がよりハードな薬物の入り口になるという「ゲートウェイ」や「踏み石」の理屈が全く根拠のないことだというのがわかります。





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