2016年1月14日(木)
英国ロンドン: 『精神薬理学ジャーナル』(Journal of Psychopharmacology)オンライン版において印刷版に先立って公表された時系列データによると、特にタバコの喫煙などの交絡因子について調整されている場合、未成年による大麻の使用には、IQや学業成績の低下との関連性はないという。
英国の研究者らはこのたび、未成年2,235名のコホート群において、度重なる大麻の使用と、15歳時のIQおよび16歳時の学業成績との関連性について評価した。
研究者らは、小児期のうつ病やタバコの使用などの潜在的交絡変数を調整した上で、「50回(またはそれ以上)大麻を使用したことがある評価対象者は、IQや学業成績について、全く使用したことがない対象者と違いがないこと」を報告した。
それに反して、10代のタバコ喫煙は、他の交絡変数について調整を行なった後も、学業成績の低下に関連性が見つかった。
結論では、「要約すれば、今回、大麻の使用自体がIQや学業成績の低下に関係しているという見解は、これほど多数の10代のサンプルで裏付けられなかった」とした。
『ニュージーランド科学学会報』(The Proceedings of the National Academy of Sciences)で公表された、同国における2012年の著名な研究では、18歳以下の未成年時おける頻繁な大麻の使用が、38歳時までのIQ低下に関係していることが報告された。しかし、同誌で公表された、同じデータについての別のレビューでは、確認されたIQの低下は社会経済的な違いによる結果であって、大麻の使用ではない可能性があることが示されている。
また最近では、『薬物・アルコール依存性』(Drug and Alcohol Dependence)に掲載された2015年の研究において、未成年者による継続的な大麻の使用が学業成績にもたらす影響は、「アルコールやタバコの常用について調整した上で、取るに足らないものだ」と結論されている。
詳しい情報は、NORML副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文、"Are IQ and educational outcomes in teenagers related to their cannabis use? A prospective cohort study" は、The Journal of Pharmacology誌オンライン版に掲載されています。
Source: NORML NEWS
Study: Cannabis Use Not Predictive Of Lower IQ
Thursday, 14 January 2016
翻訳とコメント:なみ
未成年の大麻喫煙は、大麻の依存性を引き起こす可能性が非常に高いという点で勧めるべきことではないですが、このデータも、大麻の害悪として一般に流布されている偏見を覆すものです。何をもって「ダメ。ゼッタイ」なのか。その説得力がなければ、アルコールやタバコを含む薬物の蔓延と、違法薬物の逮捕者・犠牲者の数が減ることはないですよね。それとも、「取り締まっている方が警察の方々の仕事がなくならないから都合がよい」というのは図星なのでしょうか。
しら@THC主宰コメント:少なくとも、俺のIQが低いのは大麻のせいじゃないことがまた立証されたってことではあるよな。
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