第11回公判 証人訊問-武田邦彦中部大学教授(検察官訊問)

投稿日時 2015-12-11 | カテゴリ: 白坂裁判

検察官
冒頭で証人の経歴について御証言がありましたけれども,被告人と知り合ったのはどのようないきさつでしたか。被告人というのは白坂さん。白坂さんです。

白坂さんとは,名前は知っておりますし,メールは1回か2回したと思いますけれども,ずっと今から10年前とか。それ以外は,交際というか,そういうのはありません。

先ほど証人の著書として大麻ヒステリーというものが証言されていましたけれども,この本を書くに当たって被告人とやりとりをしたということはありませんでしたか。

資料の問い合わせはしたような気がいたします。それは,大麻に関係する人のほとんどに接触をして,いろいろ意見を聞いたりしましたので,白坂さんからのデータもいただいたように思います,経験とか。

白坂さん以外で証人が大麻ヒステリーを書くに当たってやりとりをした方というのは,どなたがいらっしゃいましたか。

ここで個人名を挙げるのは,ちょっと先方の了解がないといけないような気がしますが,かなり多くの方とお話を聞きましたし,もともと研究会にずっと出ていましたので,そこでの知り合いというのは20人ぐらいいましたんで,それでその人の本なんかを書いている方は本をいただいたり買ったり,それから研究会でディスカッションしたり,それから紙に書いた,ペーパーに書いたデータなんかをいただいたりしましたので,相当数に上るんじゃないかと思います。

この大麻ヒステリーの末尾には,執筆に当たり大量の資料を御提供いただいた白坂和彦さんなど,中略しますが,ここに深く感謝しますという記載がありますけれども,被告人から大量の資料を提供してもらっていたということではありませんか。

僕の記憶では,ちょっと古いのであれなんですが,白坂さんからはプリントしたコピした資料を多分自宅に送っていただいたんだと思うんです。それで,ほかの方は本をそのときとか,それから本をいただいた方もおられるんですけど,一番よく努力していただいた方に白坂さんがおられたんで,そういうふうに書いたんだと思います。

被告人から提供を受けた資料の中には,どのようなものがありましたか。

大麻の一般的ないろいろな過去の,あの当時僕が集めるのが苦労したやつは,例えば過去のアンスリンガーが使った映画のフィルムだとか,それからラ・ガーディアとか,そういった原報告のコピーとか,それから当時ヨーロッパとかアメリカの情勢を調べるために,私の本にはヨーロッパ,アメリカの情勢は余り詳しくは書いていないんですけど,本を書く上では必要だと思って,そういう情報もいただいたように記憶しています。

この大麻ヒステリーですが,2009年6月20日初版と記載されていますけれども,このころに執筆されたということでよろしいですか。

そうです。大体僕は書くの2年ぐらいかかりますから,2007年ぐらいに資料を集めて構想を練って,2008年に書いて2009年に出したって,そんな感じです。

この大麻ヒステリーの中にもカンナビノールの研究に関する主な4つの報告があるということが記載されていますね。

はい。

1つは,インド大麻薬物委員会と1893年のものですね。

はい。

きょう御証言されたものとは違いますけれども,2つ目がラ・ガーディア報告,3つ目,ちょっと順番は前後しますが,シファー委員会。ラ・ガーデイア報告とシファー委員会は,先ほど証言されたラ・ガーディア報告と,あとニクソン大統領とおっしゃっていた報告のことですか。

そうです。委員長の名前だと思います,そこで書いてあるのは。

最後の報告として,世界保健機構WHOの1970年の報告書を引用されていますね。

はい。

それは,覚えていらっしゃいますか。

私の記憶では,WHOは2回ぐらい私が報告書を見たような気がいたします。

この著書の中で引用されているのは,1970年のものでしたが,この当時被告人からは先ほど御証言された1995年のWHOの報告というのは提供を受けていなかったんですか。

調べてみると,もう多分自宅にもないと思うんで,わからないと思いますが,記憶しておりません。

証人自身で,この1995年のWHOの報告を被告人から提供を受ける,受けないにかかわらず,調査をして研究をしたということはありましたか。

WHOというのは,一般的には何か保健機構という名前がついておりますから,科学的な判断をするところというふうに思っておられる方が多いんですけども,WHOは政府機関ですので,政治的な意味合いが非常に強いもんですから,一般的には私はWHO,こればかりじゃなくてほかのものについてもWHOの報告というのは学問的な報告としては受け取っておりません。ただ,一般的にはWHOといいますと,皆さんは知っていたりしますので,一応それについて触れているということで私の個人的な学問的な問題,私は政治家ではないので,学問的に大麻がどうかと聞かれたら,本当はWHOの報告は使いたくありません。第一,WHOの報告は,学問的な大麻のこと書いているんじゃなくて,この国で何人やったら,アンケートを電話でしたらこうだということなんで,僕だったら調査するのに電話かけてするというのは一体何だと,医者が診察もしていませんし。ですから,そういう意味では余り学問的な厳密さを持った報告ではないと認識しております。

著書を書かれたのは,2011年のことですから,この1995年の報告は既に出ていたことになりますが,こちらの報告ではなく,1970年の報告を著書に引用されたのはどのような理由からでしたか。

いや,多分全く理由はなくて,ただ2つ似たようなものがあって,古いほうを引用したんだと思います。

研究結果であれば通常新しいほうを引用するものではないんですか。

いや,それは何とも言えません。内容的に同じであれば古いほうを引用するのが礼儀で,というのはそれがオリジナリティーですから。ただ,内容が変わっていれば新しいほうが正確かというのは非常に学問的に難しくて,新しい,古いを年代で決めるのはよくないわけです。内容で決めなきゃいけません。ですから,僕はそのとき多分1970年の報告と1995年の報告を見て,1970年がいいと思いました。学問には方向性がありませんから,私は大麻を擁護する立場でも反対する立場でも全然ないので,そういう点ではあくまでも純粋に科学的に判断しているつもりであります。

1970年のWHOの報告として大麻の成分,奇形の発生や衝動的な言動,大麻を吸っているうちに吸う量が増えるというような激しい障害や習慣性はないこと,さらには姉薬につきものの禁断症状などは認められないことが指摘されていますと記載されていますが,そのような御記憶で間違いありませんか。

ええ,大麻についてはもう全体的にWHOの報告というのは,僕はそれほど重要視していないんですが,大麻の研究の全体像は激しい行動とか身体的影響,そういったものの習慣性はないというふうに全体的にはそういうふうになっていると思います。

取り調べ済みの弁第25号証,取り調べ済みですので,内容を引用しますが1995年のWHOの報告書の抜粋の中にはちょっと長いので,省略しますが,カンナビノイド分子が脳細胞または他の組織部位の中で結びつく固有の受容体,レセプターの分子の発見,これらレセプタ一部位に正常に作用する天然の脳内化学物質の発見,脳のさまざまな部分や人体のほかの場所のレセプタ一部位のマッピングに関する基礎研究が含まれると。大麻は,急性的に認知の発達と精神運動を障害し,それゆえ大麻中毒の運転者が自動車事故を起こすリスクが高くなる。また,大麻が呼吸器系や体の免疫系内の各種細胞に及ぼす慢性的影響についても大きく理解が進んだ。慢性的には,認知機能に選択的障害を来たし,依存症が生じ得る。慢性的な大麻使用はさらに,統合失調症の発症者を悪化させるおそれがある。この後薬効についても記載がありますが,その部分は省略します。この部分を読みますとp先ほど証人がおおむね内容としては似通ったものと理解していたとおっしゃいましたけれども,大麻の人体に対する影響について,これで同じ内容だと理解されたということですか。

はい,今検事さんが読まれたような内容は,食品ですと例えばワラビだとかゼンマイとか,そういったものの記述はほとんど同じです。つまりよほど人工的につくられた野菜とか,そういうものでなければ通常の植物というのは必ず人体とインタラクションがあります。したがって,WHOのような書き方というのは一般的でありまして,例えばワラピはもう2年たったら食べたら必ずがんになるという記述もあります。そういったものは,漢方と一緒なもんですから,薬効のないやや天然的な植物というのは私はずっと長くそこは研究してきたんですが,ないとは言えませんが,今の記述のようなものは影響があるという記述ではありません。ただ,そういう記述の方式をとるということです。つまりないわけじゃないわけです。薬草というのは,必ず何かの作用をします。その作用は,明らかにしておくことがWHOとして必要ですから,それは明らかにする必要ありますが,それが日常生活において影響を及ぼすかどうかということの記述はないと思います。それで,あと自動車事故については私もう記憶しておりまして,それで調べましたけれども,私の判定で、はそれは非常に不完全なもので,取り上げる必要はないと思って,たしか取り上げなかったように思いますが,それはそういう理由です。

そうすると,証人としては私が今読み上げました1995年のWHOの報告のような内容については,日常的にこのような影響があるということを意味しているものではないという趣旨で御証言されましたか。

専門家の立場で言えば,つい1か月か2か月前にソーセジを食べると非常に厳しい病気になるという発表がWHOか何かあって,これに対して一体これは何なんだという反論が非常にありますが,それと同じでソーセジでも相当な打撃が人体にはあるんです。それは,専門家が読んだ場合,僕ソーセジ読んだ後テレビの解説をしたんですけども,これは通常の食品の影響ぐらいだというふうにテレビで言いました。そうすると,ほかの人はみんなびっくりしまして,だってソーセージはこういう病気になるとここに書いてあるじゃないかと。実は,食品安全だとか薬効の問題というのは徹底的に調べて,そして少しでもその形跡があったら必ず書くということなので,一般の人が見ますともう接したらすぐ死ぬと,エタノールなんかはごらんになったらわかると思うんですが,エタノールというのはお酒の成分です。エタノールの人体に対する影響を調べたら,もう飲んだら死ぬという印象しかありません。それは,もう非常に強い影響がありますから,一気飲みでよく死にますけど,ですからそうするとエタノールの人体に対する影響って悪いことがだあっと何ページも書いてある。しかし,みんなが飲んでいるじゃないか。それは,何かったら食品安全だとか,そういう薬効というものを書くときには,本当に芯まで書かないと,それは誤解を招きますんで,そういう意味での記述なんで,ちょっとその記述から一般的に見れば大麻が何かそういう影響があるように見えると思いますが,私は違うと思います。ほかのアルコールだとかソーセージだとか,そういったもののWHOの記述と比較されれば,これは非常に緩い,ほとんど無視できるようなものであるというふうなことがおわかりになると思います。

ちょっと最後の部分,もう少し御説明いただきたいんですが,ほかのものと比較すれば非常に緩くて無視できる程度のものというのはどういうことなのか,もう少し御説明いただけますか。

我々みたいな専門家は,アルコールの人体に対する影響,ソーセージの肉の人体に対する影響,熟成肉の影響,例えば牛乳の影響といってずっと見ます。その一つ一つに書かれた人体に対する極めて厳しい影響に比べれば大麻のその記述というのは非常に緩いということです。

緩いとおっしゃるのは,どういう趣旨ですか。

ほとんどないということが書いてあるのと一緒です,今の表現は。

先ほど私が読み上げた内容については,大麻の薬効,影響として事実としてあり得るとお考えだということですか。

あり得るというの,日常的生活ではあり得ません。ただ,学問的にはどんなに微細な人体反応でも認められれば記載する必要がありますから,記載されているというだけのことで,それは薬効があるとかないとかいう問題とは違います。

ちょっと質問の仕方が悪かったので,もう一度お聞きしますけれども,記載されている以上は事実としてはあるけれども,それはほかの報告書などと比較すれば無視するに足りる程度の弱いものであると。また,日常生活でこれが起こり得ると言えるほどのものではないと,そういう御趣旨の御証言でよろしいですか。

ほぼそうですけども,検事さんの言っておられる影響があるという事実というのはレベルがありまして,ここの法廷に入ってくるんでも法廷の中に結核菌というのは何ぼかあるわけです。ですから,この法廷の第1法廷に入れば結核になり得るじゃないかと言えば,そのとおりであります。しかし,それは日常的なレベルでは第1法廷に入っても結核になるということは荒唐無稽であるというふうに処理されるわけです。ただ,学問的にこの空間の結核菌の数を調べれば,相当程度私はあると思います。だから,したがってそういうものは人の健康を守るという点では学問のストラクチャーとして存在するものを書くということと,存在するものが現実的に影響を持つということとはちょっと別なんです。ですから,WHOがそういう書き方をするのは僕は正しいんじゃないかと思うんです。だから,ソーセジの肉が非常に健康に悪いったって,それは悪くないんです。正しいと思います。ただ,それがソーセジをあしたから食べちゃいけないということとはつながらないということです。全然別のことです。だから,学問的にそれが健康に影響があるということと,ソーセジを食べちゃいけないということは全く別だと言えば別なんです。事実かっていえば両方とも事実です。結核菌がこの法廷の中にあるのも事実です。だけど,結核に僕はかからないでこの法廷を出ると思います。それも事実であります。だから,それはもう仕方がないというか学問の進歩上仕方がないと思います。

先生の御証言の趣旨を確認したいので,もう一度似たような質問をしてしまいますけれども,今おっしゃったソーセジなどの例です。事実としてあるというものと,それから一歩進んでその影響があるというのはまた次元の違う問題だということをおっしゃいましたね。

はい,そうです。

この1995年のWHOの報告書の読み方としても,ここに記載されていることは大麻に含まれるTHCの科学的な作用として事実としてはあり得るけれども,それをもって大麻を使ってはいけないとか,その次の次元に行くのは論理的につながっているものではないと,そういう御趣旨ですか。

そういう趣旨だと思います。今検事さんが言われた事実というのは,2つあるということです。だから,そこのところがごっちゃになりますと,立場によっていろいろ言うことが変わるということになります。

では,ちょっとそれを踏まえて先に進みますけれども,冒頭でTHC,カンナピノールの成分についての有害性は全く問題にならないというふうに考えているという趣旨の御証言をされましたけれども,これはどのようなことを根拠に,そのように考えられていらっしゃるんですか。

主にラ・ガーディア委員会の報告と,それからニクソン大統領のときの委員会の報告の2つを私じっくり読みまして,それしか世界的には科学的根拠のあるものがないと思うんですけど,それを読んで,ああ,これはもう全然問題にならないもんなんだなというふうに心証を得たということでございます。ただ,WHOの場合は世界全体に呼びかけるときには,特異的に反応するという人がいるんです。それは,いいほうに反応する場合,非常に薬効がよくて大麻を吸ったら突然健康になるという人もおられるし,それから悪いほうに出る人もいる。だから,WHOなんかの立場としては民族も違う,特異体質の人もいる,感受性も違うという中でどういうふうに世界の人の健康を保っていくかというスタンスなんで,通常のいわゆる食品規制とか,そういう問題とはちょっと違うスタンスはそういうスタンスなんです。

今のと関連してですけれども,先ほどコカインやヘロインなど特殊なものを除いて大麻のようなものについては,その薬効,科学的な作用などは民族性による部分が大きいと考えられるので,日本人に対して薬効があるかどうかというのは日本でのデータの集積が必要ではないかという趣旨の御発言をされていましたね。

はい。

THCについて民族性が関係しているというふうに考えられる御趣旨はどのようなものですか。

もともと麻薬自身が,麻薬というものは一般的にはこれは麻薬方面の論文なんかにあるんですけれども,民族が自然と陽気な民族,これは精神的に抑える麻薬が有効だとされています。よく吸うというか。それから,日本人のように落ち込む民族というのは,一般的にはお酒とかたばこのような,コーヒーのような若干覚醒的な薬品を使うと。それは,どうしてかというと,その人たちがこれはいいとか,これは悪いとか,それから暴れるとか暴れないとか,そういうことを全部含めて遺伝子学的には最近SS型とかLL型というんですけども,そういった遺伝子を保有しているかどうかで,薬効の使い方が違うということはもう一般的です。したがって,例えば中国ではアへン戦争があったぐらいアヘンが大量に吸われましたけれども,日本ではもう幾らでもアへンというのは入ってきているわけですが,吸うことは一回もありませんでした。このように噌好から薬効から民族によって非常に大きく違うということは,既に歴史的にも明らかであります。だから,それからそういった遺伝子的にも今後解明されていくと思います。

それは,薬効としての人体に対する影響も含めという御趣旨でよろしいですか。

はい,そうです。だから噌好品は肉とか米とかいう栄養物じゃないので,やっぱりそこの習慣だとか体質だとか,そういったものに大きく依存していることは間違いありません。もう一つ例を言えば,日本にはハイゼットという,これ商品名ですけども,薬がありまして,これは米ぬかの抽出物なんですけど,この米ぬかの抽出物が精神安定剤として,薬局方に認められているのはたしか日本だけであります。もしかしたら朝鮮なんかが植民地だったから,併合していましたからあるかもしれませんけど,これはどういうふうに解釈しているかといいますと通常米を食べている民族が米ぬかの抽出物に対して精神安定作用があるというふうに言われておりまして,そういった食品とか,そういうものにも非常に強く影響を受けるというふうに考えています。

先ほど日本人が歴史上大麻を吸ったということは一度もなかったという旨御証言されていましたけれども・・・。

もしそう証言したんならちょっと不正確で訂正いたします。大麻を習慣的に吸うことはなかった。多分一度も吸わなかったかというと誰かが吸ったかもしれません。それが社会としてみんなに認知されるような状態はなかったということです。たばこは,それに対してもちろんみんなが吸っていましたから,歴史上は2回規制した藩が,封建時代に藩がありました。そういう例が大麻にはないという意味であります。ちょっと表現が不十分であればちょっと訂正したい。

そのことと日本人に対して大麻の成分,THCが有害性を持つかどうかということは何か関係のあることだと考えていらっしゃいますか。

私は,薬効が非常に強かったり有害性っていうのは,難しいんですけども,一般的に言う有害性があればやっぱり赤ちゃんの産着だとか,そういうのに積極的に大麻を大量に使ったり,大麻畑というのは非常に大量だったんです,大量に使うということは,なかったんではないかと私は推定しております。

証人の著書,大麻ヒステリーによりますと,古来日本から伝統の産業として使われてきた大麻というのは,THC成分が少ないというものだったということで,それはそれでよろしいですか。

はい,そうです。

そうすると,THC成分が多い,あるいはTHC成分のジオールとの割合からして,THC成分が多いというような大麻が日本人の人体に対してどのような影響を与えるのかということについては,歴史からしてもまだ未解明であるということになりますか。

歴史的には解明されていると思うのは,近世に入りましてインド大麻がヨーロッパに行きます。ヨーロッパは,インド大麻を受け入れて,みんなが吸いました。日本にも同じようにインド大麻が入ったと思われます。それは,わかりませんが,先ほど言ったアへンがインドから来まして,イギリスを通じた貿易ですんで,イギリス人の収益としては非常に重要だったもんですから,インドもヨーロッパにも持っていきましたし,アジアにも持ってきた。しかし,濃度の高い大麻も日本では受け入れなかったということから見て,意味がなかったではないかと私は思いますけど。吸う意味を認めなかったということだと思います,日本人が。

確認ですけれども,インド大麻はTHC成分が多いものの例として挙げられたということでよろしいですか。

そうです。

先ほどの証人の民族性によるということを前提にすれば,そのようなTHC成分の多い大麻の日本人の人体に対する影響というものは,調査をしてみなければわからないという結論になるのではありませんか。

そうです。先ほど検事さんが歴史的にと言われたので,歴史的には恐らくそういう現象からいって大きな薬害があるとか,そういうふうなものとは認められなかった。もしくは,それは考え方によっては吸ってみたら余り気分がよくないので,これ危ないんじゃないかといって吸わなかったのかもしれません。それは,当時の日本人が江戸時代になるわけですが,当時の日本人がどういうふうに考えたかどいう記録はないので,非常に外見的に推定する以外にはないということです。

失礼しました。私の質問が不適切だったかもしれません。もう一度質問し直すとインド大麻のようにTHC成分の多い,古来日本からあった大麻とは違う大麻の場合,科学的に日本人の人体に対してどのような影響を与えるかどうかということは,解明されていないという結論になるということですか。

はい,全くわかりませんです。

(武田証人への訊問了)






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