第9回公判 被告人質問(弁護人2)

投稿日時 2015-11-20 | カテゴリ: 白坂裁判

第9回公判 被告人質問(弁護人2)



捜索差押令状の話を最初に聞いたのはどの時点ですか。

私が調べ室を出ようとしているときです。

では,少し話は戻ってしまうんですが,白坂さんが取調室を出ようとしたときの白坂さんの進路と,それから立ち上がった関さんの位置関係を図示してください。
(被告人は記入した。)

先ほど書いていただいた白坂さんの位置から伸びている矢印が白坂さんですね。

はい,私の移動の動線です。

矢印の先にある白坂という位置関係が白坂さんの位置と。

はい。

それから,関さんのほうも同様に矢印が関さんの動きで,矢印の先の・・・。

横に出てきて私の前に立ちました。

では,ちょっと図面に,机の位置に机と書いて。
(被告人は記入した。前記記入した書面は本調書末尾63丁に添付した。)

机と壁の聞の距離というのはどれくらいですか。

これ私,記憶をはっきりさせるためにきのう弁護士にも安曇野署のこの取調室を確認していただきましたけれども,机と壁の聞は40センチぐらいです。ですから,両側がそうです。なので,人がやっと1人,私の肩幅だと40センチぐらいはあるでしょうから,関さんは私よりもっと体の大きい方ですので,私の前に立ちはだかるような格好になりました。

結局白坂さんは取調室から出たわけですけれども,警察署の駐車場に出てからのお話を伺いたいと思います。白坂さんは,駐車場に出てからはどのような行動をとったんですか。

ずっと1人ついてきていましたので,私が車に乗った後もずっと何か話しかけてきて,その後ばたばたとほかの四,五名も出てきて,私の車の横にぱっと囲むような感じになりましたので,そこで少し問答になりました。

そこではどのような問答があったんですか。

ガサに立ち会え,立ち会わないという。私は,朝から何も食べていませんでしたので,本当におなかすいていましたし,ガサ状出ちゃったというのは聞いたので,そこは観念しましたけど,私は何か途中で飯食って帰るから,先に行ってやっておけというふうに言いました。

警察官は,それに対してどんなふうに対応したんですか。

とにかく立ち会えっていう一点張りで,私の車に乗せていけとか,警察官を同乗させてうちまで戻れとか,そういうことをしつこくいろいろ言ってきました。

そこのやりとりをしている間,白坂さんは警察官の意図とは関係なくその場を立ち去ることはできなかったんですか。

できません。警察の敷地内ですし,横にすぐ警察官が立っていて,ガサ状を本当にガサ出ているんだったら私見せろって言いましたので,そうしたらじゃ見せるというととで,本当に出ているのかどうかは確認しようと思いました。今すぐ持ってくるからということで、待っていたんですけど,気がついたら私の車のすぐ後ろに警察車両が駐車していましたので,とても出られる状況ではありませんでした。

白坂さんの車両の後ろにとまっていた警察車両は,どのような向きでとまっていたんですか。

あそこの安曇野署の駐車スペースは,時計回りに一方通行になっているんですけれども,それと逆行するような向きで私の車の真後ろにとまっていました。

こちらの紙に安曇野警察署の駐車場における白坂さんの位置,警察車両の位置,それから警察官の位置を図示してください。
(被告人は記入した。)

真ん中・・・。

植栽になってて,これ駐車場の敷地なんですけど,P玄関というのは警察署の玄関のほうで,その反対側が駐車場入り口ですけれども,それで時計回りに入ってきて,私は駐車スペースの白い枠線に沿って駐車しました。ガサ状出ているんだったら見せろとかってやりとりをしているときに,気がつくとすぐ私の後ろに警察車両,ワゴン車でしたけれども,とまっていました。

この状況ではもう白坂さんは車は出せなかったんですか。

私の運転席の横にはお巡りさんが何人も立っている状況ですし,この間お巡りさんは切り返しゃ出られるみたいなことを言いましたけど,とても切り返して出られるようなスペースはありませんし,そもそも切り返さなきゃ出られないようにとめるというのが妨害じゃないでしょうか。

白坂さんの車両近くにいた警察官の位置を丸印で図示してください。
(被告人は記入した。前記記入した書面は本調書末尾64丁に添付した。)

その駐車場でのやりとりをもう一度確認してみたいんですが,警察官がどんなことを言ってきて,それに対して白坂さんがどんなふうに回答していたんですか。

基本的にはずっとガサ立ち会えと,私は断るという話を,私は何か食ってから帰るというふうなことをずっと言っていました。

その後白坂さんは駐車場から出ていくことになるかと思うんですが,どうして出ていけるようになったんですか。

気がついたら何かぱっと引けるようにみんないなくなって,それは後から知ったことですけど,消防署の方が立ち会うということになったらしくて,私の周りから人がすっとはけましたので,誰もいなくなったので,誰もいなくなったって関さんとか監視役みたいな人たちはいましたけど,ほとんどはけて周りにいなくなったので,車を自由に動かせるようになって出ました。

白坂さんが車を出すときに,その場にいた関さんと警察官とは何かやりとりはあったんですか。

特にありません。いなくなったので,私が勝手に出ました。

じゃ,そこでは特に警察官にもう行っていいよとか,そういう話がされたわけではないですか。

何もないです。立ち会いが決まったということでしょうけど,ふわっと引けましたので,ああ,そういうことかというふうに思いましたけど,いなくなったので,私もやっと自由に動けるようになったので,車を動かして出ました。

その後白坂さんは,途中立ち寄ったりしつつも,午後11時過ぎに自宅に戻って,捜索差押えに立ち会って,その後大麻取締法の現行犯人として逮捕されたということですね。

はい。

白坂さんが自宅に帰る途中は,警察の車両はついてきたんですか。

ついてきています。

自宅に帰るまで、ずっと尾行されていたと。

ええ,尾行されていました。飯食っている問も外で車とめて待っていましたし。

では,捜査の経過については以上とさせていただきます。次に,違憲にかかわる部分についてお話を伺いたいと思います。まず最初に,白坂さんが大麻合法化活動をこれまでしてきた活動履歴について伺いたいと思います。まず,初めて大麻を知ったのはいつのことですか。

それは30年くらい前,私がまだ20歳,二十一,二歳ぐらいのときですけど,渡米してニューヨークのハーレムに転がり込んでしばらく住んだことがありまして,そのときに大麻を初めて吸いました。

それからは,日本とかではどうしていたんですか。

30年前とかの話は,まだ全然大麻なんて珍しいもので,インド旅行行った人がこっそり持ち帰るとかということぐらいはある程度で,そういうときに持ってきた人にちょっと集まってお土産話聞きながら吸うとかという程度のことはありましたけれども,特に日常的にあったわけではありません。

白坂さんが大麻の医療的有効性について知ったのはいつごろのことですか。

私は,2013年にも逮捕されていますけれども,その2年ぐらい前からだと思いますが,インターネットでいろいろ情報は出ていましたので,海外の情報としてまず大麻がいろいろ効くということを知りました。2011,2年ごろになると,私桂川さんのところに出入りしていて,いろんな人が来ていましたけど,中には病気の人もいて,実際にがんの人が痛みが軽減するんだとか,食欲が出るとか,よく眠れるとか,あと多発性硬化症の人がちんちんに熱くなっているやかんをさわってもわからないぐらいの状態だったらしいんですけれども,その皮膚感覚が戻ってきて,自分の体がよみがえったみたいなことを言っている人とか,実際にそういうことを聞くようになりまして,そこから知るように,そこから自分でもいろいろ文献読んだり,ネットで検索したりするようになりました。

白坂さんは,どうして大麻合法化の活動を始めることになったんですか。

まず,基本的にこれまで書証で証明しようとしてきましたけれども,立法事実がないと思いますので,大麻をちょっと持っていただけで刑事罰を受けるというのは私は明らかな人権侵害だし,先進国標準じゃないと思いますので,せめて日本もそういう意味で先進国標準にしたいという愛国心からやっていることです。

いつごろからどのように大麻合法化に関する活動を始めたんですか。

2010年ぐらいに,今余りやっていませんけど,東京にカンナビストっていう大麻の非犯罪化を目指すグループというのができまして,そこに参加してピラまきをしたり,マリファナマーチという大麻合法化を訴えるデモ,そういうものに参加したり,あとは大麻裁判の傍聴に出かけたりということをしていました。

白坂さんは,これまで大麻取締法が憲法違反だと主張するような裁判の支援というのはされてきましたか。

はい。この10年で,私と桂川さんのを入れると5件最高裁までやっていますし,あと高裁まで主張したというのはほかに3例ありますし,あと地裁レベルでいろいろ主張したというのは数限りなくあります。裁判支援だけだと50件以上やっていると思います。本間裁判官の東京地裁のときにも,KYさんという方の裁判支援で私は証人として出廷して証言したこともあります。

これまでの裁判支援の中で印象的な事件というのはありますか。

はい。基本的にまず私達は,大麻の有害性がどういうものなのかということをきちんと検証して,その上で立法してくださいという主張をしていますので,大麻の有害性,今言われているような昭和60年の最高裁決定当時とは全く科学的な認識が,知見が違っているんですよという主張をするためのデータをいろいろ出すということをしてきまして,例えば高松高裁では,それまで、ずっとどの裁判でも一方的に大麻は有害だという判決だったんですけれども,四,五年前になりますけど,高松高裁の裁判では有害だという一方,こういったいろいろなデータもあって,有益だというデータも存在するというふうな文言を判決文の中に入れていただいたりとか,少しずつですけれども,進展はあると思っています。

それから,白坂さんは厚生労働省とか,あるいは薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページに関してこれまで取り組みを行ってきていますね。

はい。

それは,どうしてそういった取り組みを始めることになったんでしょうか。

まず,「ダメ。ゼッタイ。」ホームページについての話は,2013年に私が逮捕されたとき,桂川さんも一緒に逮捕されていますけれども,桂川さんの控訴審で、弁護側が大麻が有害だっていうんだったらその根拠を出してくれというふうに求釈明を出したところ,検察が報告書ということで4本の書類,文献出してきたんですけれども,3本はみんな警察内部の資料で,論文みたいなものでしたが,「ダメ。ゼッタイ。」ホームページだけは医学的な症状,身体的な症状や精神的な症状といった具体的な症例に触れている,いわゆるパブリックな,日本では「ダメ。ゼッタイ。」ホームページというのは公的な薬物情報とされているものですので,それを「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻の条項を大麻有害論の根拠として桂川裁判で検察が法廷に出したので,私はそれは本当にそうなんですかということで,その中身を追及してきました。

過去に白坂さん自身の裁判で、大麻の違憲性を争ったことはありますか。

はい。2013年のときも,私は病人にもそのときも提供していましたので,私は法的な知識がありませんから,これは生存権を侵害しているだろうというふうに思いまして,2013年の裁判のときには生存権の侵害だということとか,幸福追求権の侵害だとか,適正手続にのっとっていないじゃないかというような違憲主張を行いました。そうしたところ,判決で裁判官,トモナガさんっていうんでしょうか,アサナガさんっていうのか,ちょっと読み方わかりませんが,一審の大阪地裁の判決では,被告人は捜査,公判を通じて大麻取締法の非合理性を主張するなど,その態度はよくなくというふうに私が大麻取締法の非合理性,不当性を主張すること自体を量刑を重くする理由としていたので,非常にぶったまげて失望しました。

白坂さんは,いつごろからインターネットで大麻報道センターという団体の活動を始めているんでしょうか。

今は,大麻報道センターと名乗っていますけれども,そのサイトの前身は2013年に,その事件をきっかけに始めたもので,当初は大麻取締法被害者センターという名前で桂川さんの裁判のレポートや,私自身も裁判中でしたので,私の裁判のレポートなどを公にしたのが始まりです。大麻取締法被害者センターという意味は,こんなことで捕まるというのは大麻取締法で捕まった者のほうが被害者だというふうな意味でネーミングをしました。

大麻取締法被害者センター,大麻報道センターの活動は今までも続いていますか。

はい。大麻取締法被害者センターという名前でしたが,その後ただ被害者ぶっているだけじゃ話にならないなということもありましたので,大麻取締法変革センター,大麻取締法を変えようという名前に,ネーミング,運動体の名前も変えまして,NPO的な,取り組みが政治的だということで法人格は取れないということでしたけれども,利益を追求するんじゃなくて,運動体としてきちんと財政基盤も整える形で展開したいと思いまして,私は,桂川|さんも中入っていたということもありますけど,私も一切大麻に,現物にはタッチしないということを仲間たちにも約束して,「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの医学的検証を書いていただいた某医大の,今腫蕩内科の博士ですけれども,そういった方たちにもスタップとして参加していただいて取り組みを続けてきました。

今お話が出た医学的検証とはどういうものですか。

先ほどの「ダメ。ゼッタイ。」ホームページっていう検察が大麻有害論の根拠として出した文書ですけれども,それが医学的に根拠があるのかということを専門家,腫場内科の博士という専門的な方に検証していただいて,誤りだとか暖昧な点などを指摘して,それを「ダメ。ゼッタイ。」ホームページを運営している財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターと厚生労働省に提出して,ここはこれ,こういうふうに間違っているので,訂正してくださいとか修正してくださいという要望を出しました。

その検証文というのは,弁第29号証で提出している「「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ「薬物データベース:薬物別解説/大麻についてJに対する医学的検証」という書類のことでよろしいでしょうか。

そうです。

そういった活動をする中で,白坂さん自身例えば大麻取締法違反で逮捕された方の御家族から連絡が来るとか,そういったことってあったんでしょうか。

大麻取締法被害者センターとしてもともと始めていまして,その時期から,当時は本当に大麻汚染とか,大学ラグビ一部の子たちが捕まったりとか,マスコミが大騒ぎしている時期でしたので,息子が大麻で捕まったとかという相談はたくさん受けました。

そういった相談の中で、印象に残っているものはありますか。

多くの場合が家庭が崩壊しちゃうというのを何度も見ましたので,何でこんなことで家庭崩壊にならなきゃいけないんだ,例えば勤め人がちょっと大麻持っていたというだけで捕まっちゃうと,もちろん解雇はされますし,奥さんと子供が社宅に住んでいる場合なんかは社宅からも追い出されて行く場がなくなっちゃうとか,本当にそういう例をたくさん見てきました。

外国人の方からも相談があったりするんですか。

はい。3年前ぐらいですけど,群馬のほうで大麻で捕まったアメリカ人がいましたけれども,この人なんかは自分の国では医療大麻のライセンス持っているんです。自分の体に大麻が必要なので,日本でイリーガルなのはわかっていたけど,手に入れて使っていたと。アメリカじゃオーケーなのに,何で日本ではっていう,そういうことも印象に残っています。これは,日本は本当におくれまくっていますので,何とかしないとというふうに痛切に感じました。

それから,今回の逮捕のきっかけとなったイベントでも重視したCBDオイルというものがありますけれども,白坂さんはCBDオイルに関しては今どのような取り組みをされていますか。そして,そもそもCBDというのはどういうものですか。

CBDとはどういうものかということからお話ししますと,大麻には特有のカナビノイドという成分がありまして,このカナピノイドという成分には400種類とも言われるような成分があります。そのうちの一つがCBD,カンナビジオールであり,精神作用のあるTHC,テトラヒドロカナビノールですけれども,CBDはそういった大麻の特有の成分です。そのCBDのオイル,CBDオイルについての取り組みですけれども,先ほどお話ししたアメリカ在住のアソウシゲノルさんが報告してくれて,それをきっかけに私は自分で使う分として最初は輸入をしてお披露目のイベントをしたんですけれども,その後,保釈されてからの話ですが,需要も多くて,私が中に入っている間も周りの仲間たちが輸入を続けて販売したりしていましたので,私は保釈で出てからは,これはきちんと事業化すべく,株式会社として輸入販売を始めています。今そのCBDオイルについては,輸入するに際してまず厚労省の検疫で分析の検査を受けまして,税関のほうで違法薬物が入っていないかという検査をまた受けまして,輸入食品として販売していいですよという許可を得て販売するという事業を立ち上げて今展開しているところです。

それから,少し話は戻しますが,「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの記述について簡単にお話を伺いたいんですけども,現在の「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの大麻の記述の根拠というのはどういったものなのでしょうか。

これも書証で提出しましたけれども,最初はこれ厚生労働省はごまかしていたんですが,実はこれはネタ本というのがありまして,もう今20年ぐらい前ってことになりますが,テキサス州にある反薬物教育団体,そこが販売している薬物標本レプリカ,いろんな薬物の標本と一緒に,標本がアタッシュケースに入っていまして,その説明書が「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ,大麻だけじゃありませんけれども,日本の「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの薬物情報の原文はそのテキサス州の薬物標本レプリカの説明書でしかないということを突きとめました。その説明書には,この説明書は必ずしも科学的に完壁な分析検査を行ったものではありませんというふうにも書いてありまして,それが教育目的,政治的なものであるということが明白だということもわかっています。

現在のホームページの記載も変更はないんでしょうか。

これは,2006年から私はずっと正しい記述に改めてくれということを厚生労働省とダメセン両方に訴え続けていますけれども,2006年当時の専務理事の方は糸井さんという方でしたけれども,古いのは認めると,更新する必要もあると,予算取るので,それが通ったら変えますというお話で,その後予算通りましたということで,年内にはって話だったんですが,2008年ですけれども,2008年の段階では今の富澤さんという専務理事の方になっていまして,富澤専務理事は2008年10月段階でデータは更新したデータが手元にありますと,あとはホームページ上にアップするだけですというふうに2008年の段階でおっしゃっていましたが,大麻っていうのはかつては桑科の一種とされたんですけれども,今では国際植物学会で大麻は,学名カナピスですけれども,アサ科1属1種の植物で,大麻はアサ科ということになっていますが,日本で正しい薬物情報を国民に周知することを目的としているというふうにうたっている「ダメ。ゼッタイ。」ホムページではいまだに大麻は桑科のままです。こんなことでいいんでしょうか。

それから,白坂さんが大麻報道センターとしてマスコミの報道に対してかかわった,マスコミの報道をきっかけとしてされた活動というのはありますか。

はい。2008年とか,そのくらいですけれども,大学生のラグビ一部の子たちが寮で大麻栽培しちゃったということで,めちゃくちゃな大騒ぎになりました。記憶に新しいかと思いますが,そのときにTBSのたけしがやっている番組か何かに「ダメ。ゼッタイ。」の教育係って言ったかな,元麻取,元麻薬取締官の浦上厚さんという方が麻薬防止センター の指導員ということでテレビにお出になっていまして,大麻を吸うと凶暴性を引き起こすとかおっしゃっていましたので,私はTBSに連絡をして,この方と連絡をとりたいと。そうしたら,教えられたのが麻薬防止センターの電話番号だったので,そちらにかけたところ,富澤専務理事がお出でになって,私は浦上さんがこういうことをおっしゃっていたけど,どういうことを根拠にしているのか聞きたいということを言ったんですけれども,浦上さんを紹介することはできないと,連絡をとることもできないと。じゃ,あなた責任者として答えてください,何が凶暴性の根拠なんですかって言ったら,答えるのは嫌ですというふうなのも,聞いていただいていたとおりです。そのような取り組みなどをしてきました。そういう取り組みをマスコミにもたくさんしてきました。

それから,「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの記載の誤りについて訂正を求める活動は,主なものとしてはどんな活動をされましたか。

「ダメ。ゼッタイ。」のホームページは,ドクターに,腫蕩内科の先生に検証論文を書いていただいて,その間違った部分をホームページ上から訂正もしくは削除するようにという申し入れと同時に,予算が通って新しい薬物情報に更新するということでしたので,当時の専務理事の話ですと外部の有識者をお招きして見直す委員会をつくってそういう作業をするんだということでしたので,そういう予算がついたということでしたので,当時ホームページ上で大麻取締法の批判的な見解を述べておられた武田邦彦中部大学教授にその委員に推薦させていただいてよろしいでしょうかというようなお願いをして,御快諾いただいたりしました。実際は,委員にはなりませんでしたけど。

現在の大麻報道センターの活動の主なものは,どのようなものになりますか。

基本的に「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの,日本でパブリックでオフィシャルな大麻情報がでたらめなので,まず正しい知識を日本人みんなが知ることが大事だと思いますから,大麻についての正しい知識を,例えば海外の学術論文だとか,ニュースだとか,そういったものを翻訳して,日本社会に正しい大麻情報を日本語で流通させるという取り組みを中心にしています。

大麻報道センターが公開した翻訳した記事は,今これまでにどれくらいの量があるんでしょうか。

ノームルっていうアメリカの合法化団体の翻訳記事と,あと学術論文系,合わせて3000本ぐらいの記事がこの10年間で掲載されています。

何か政治にかかわるような活動というのはされるんでしょうか。

はい。大麻取締法を変えるというのは,結局立法府での作業になりますので,それは政治家の人たちに事実を知っていただく必要があるということも含めて,必ず国政選挙があるときには各党だとか地元の候補者に大麻取締法についてのアンケートということで,海外で医療的に使われているとか,日本の公的大麻情報に根拠がないとかっていうことを簡単に説明した上で,大麻取締法についての政策的見解をお聞きするというアンケート活動を行っています。

医療大麻,医療目的の大麻使用等に関して何かかかわりをこれまで、持ってきましたか。

ほかの医療大麻の団体を立ち上げているところもありますので,そこにちょっと参加をしたり,特に本来は,医療大麻と噌好目的って分けられるものではありませんけれども,医療ということに限定して,アメリカなんかでもそうですけれども,まずは医療的な必要性が優先順位高いよねということで展開してきていますので,日本でも医療大麻を使えるようにという,そういう展開をこれから,CBDも医療大麻も1つなので,これで今後は合法的にCBDの国内生産,あるいは国内生産ができれば大麻の医療的な使用にもつながっていくだろうと思うので,そういう方向性を考えています。

実際に白坂さんは,日本国内で医療大麻を必要とする患者さんとのかかわりはあるんですか。

はい。私は,インターネットでも公言していましたけれども,「ダメ。ゼッタイ。」ホームページの検証論文をドクターに,仲間のお医者さんに書いてもらって出すあたりまでは一緒にやっていましたが,その後そういった医療関係,こういった病気に効くとか,こういう症状に効くとかいうのはどんどん翻訳記事としてうちで出しましたので,該当する病気の人たちから試してみたいと,大麻を試してみたい,何とかならないかという連絡が頻繁に入るようになりました。最初は断っていたんですけれども,小さい子の場合もあったりしたので,上げることにして,ただお金は取りたくなかったので,病人にはただで上げていました。

実際に医療大麻の効果が上がった事例というのはあるんでしょうか。

あります。今は私かかわっていませんけれども,今現在も生大麻ジュースを飲んで末期がんが回復しているp大腸がんの腫蕩マーカーが7000超えちゃっていて,1万超えるとアウトらしいんですけど,7000超えている人が下がってきたとかあります。

実際にそういった事例を目の当たりにしてどんなふうに感じましたか。

人の命がかかっていることなので,一刻も早く何とかしてほしいと思います。

今回起訴状公訴事実となっている大麻の所持というものは,これ自体はどういった目的で所持していたものなんですか。

それは,あれはかすなので,吸えるようなもんではありませんから,お茶にでもしようと思って箱に入れておいたものです。

私のほうからは以上になりますが,最後に白坂さんのほうから言い残したことはありますか。

いえ,特に。「ダメ。ゼッタイ。」の情報が古いというのは,さんざんずっと厚労省とか麻薬防止センターに訴えてきたんですけれども,国連麻薬委員会の52会期というのがありまして,その当時厚生労働省の麻薬取締課は安田課長補佐という方が担当されていて,この方が確かに情報のアップデートは必要ですよねということで,それは「ダメ。ゼッタイ。」だけじゃなくて,WHOの97年の報告ももう既に陳腐化しているので,それのアップデートをかけて国際的に最新の大麻情報を共有する必要があるというふうに安田課長補佐がおっしゃって,実際に国連に日本政府としてそのような提言をされています。それも一つの成果だと思います。

実際に例えばWHOの認識と日本の大麻情報,「ダメ。ゼッタイ。Jホ ムページの記載との間のそごというのは,どういったものがあるんでしょうか。

当時は,日本政府として公に大麻情報を発信しているのは,紙媒体は別ですけれども,インターネットでは「ダメ。ゼッタイ。」ホームページしかありませんでしたけれども,その後その働きかけをする中で,安田課長補佐の当時ですけれども,厚生労働省のサイトにそもそも大麻のページがないと,それが問題だというふうに安田さん自身がおっしゃって,厚生労働省のサイトに大麻のページをつくってくれました。そこで明示されている科学的なデータがWHOの97年のやつ。つまり日本政府としては,大麻情報はWHOの97年のレポートに依拠しているということで,その古さ自体を安田さん自身が認識していて,アップデートの必要を感じているということです。済みません。中身の話ですけれども,WHOの97年の大麻レポートには,大麻ががんに効く可能性があるとか,多発性硬化症に効くとか,そういったこともいろいろ書いてあるんですけれども,日本政府や日本のマスコミは,そのレポートにある大麻の短期的な症状として出てくる,アルコールと全く同じなんですけれども,飲んでいるときは勉強できなかったり,記憶が散漫になったりっていう症状が出ますけど,大麻も全く同じことで,それはさめちゃえば全然もとに戻るんですけど,そこをピックアップして,あたかも大麻をやると脳に障害が出るとか,人格が変容するとか,記憶障害が起きるとかっていうところだけを誇大に喧伝して,大麻がいかによくないものかっていうアピールを,プロパガンダをずっと日本政府は行っています。そこが実際に97年の大麻レポート,WHOの97年にレポートに書かれている事実とのそごです。

(弁護人訊問了)





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