第4回公判 証人訊問 太田昌範警察官(検察官)

投稿日時 2015-09-04 | カテゴリ: 白坂裁判

第4回公判証人訊問 太田昌範警察官(検察官)

第4回公判 証人尋問 太田昌範警察官(年齢44歳)



検察官
証人は,現在長野県警察の警察官ですね。

はい。

証人の現在の所属と階級を答えてください。

現在の所属は,茅野警察署刑事課第1係主任で巡査部長です。

警察官としての経歴を簡単に教えてください。

平成2年に長野県警察官を拝命しまして,警察学校1年,その後岡谷警察署,長野中央警察署,松本警察署,塩尻警察署などです。

今回問題になっている平成25年9月28日から29日にかけての当時ですが,証人の所属と階級は何でしたか。

安曇野警察署刑事第2係主任,巡査部長です。

その当時までですけれども,職務質問の経歴はどの程度ありましたか。

地域警察官も長かったですし,刑事課も長かったので,職務質問はその都度やっていたと思います。

これまで職務質問,任意向行などの手続について違法性を争われたことはありますか。

ありません。

証人は,被告人が平成25年9月29日から職務質問を受け,任意同行し,任意の取り調べを受け,自宅の捜索差押を受け,現行犯人逮捕をされたということは知っていますね。

はい。

その一連の手続の中で,証人がかかわったのはどの部分になりますか。

白坂さんが最初に車で天平の森をおりてきてから車をとめるときの職務質問と自宅の捜索差押において,大麻の検査をやった係です。

では,まずその職務質問のところから聞いていきます。平成25年9月28日の夜でしたが,証人は何をしていましたか。

28日の夜ですか。

28日です。

夜は定時に仕事を終えて,自宅で待機しておりました。

その自宅待機の状態から本件の職務質問に出動するまでの聞はどういういきさつがありましたか。

当直をやっていた原巡査のほうから今匿名の電話があって,天平の森で、大麻パーティーをやっているという垂れ込みがあったので,もしかしたらあしたの朝手入れをするかもしれないというような情報が入りました。

安曇野署としては,それに対してどのように対応するということになりましたか。

私もそういう話だったので,心配でしたので,一旦本署に行きました。

当署には大麻を検査する試薬が3本しかなくて,もし本当の大麻パーティーであれば,何十人といるだろうから試薬が足りないということで,松本警察署のほうにとりあえず試薬を借りに行きました。

今,本署とおっしゃったのは安曇野警察署のことですね。

そのとおりです。

その後証人が職務質問に出動するまでのいきさつについて話してください。

朝何時かちょっと忘れてしまったんですけれども,本署へ集合して,私とほか十何名が天平の森からおりてくる人間に対して職務質問をしてくれという指示がおりました。そこで大麻が本当に扱っているかどうかそれを確認してもらいたいということで,検問班で行けと命を受けました。

天平の森からおりてくるルートですけれども,職務質問をする場所としては,何か所が選定されましたか。

最初は1か所でした。1か所というのは大口沢の入り口で,一応明科側もあるんですが,一般の方が余り通らないということで,最初は大口沢のほうで検問実施する予定でしたが,現場でも始めてからもしかしたらおりるかもしれなし1からということで,もう1個班,明科方面に行くようにということで,現場の判断で行かされました。

ルートとしては大口沢ルートと明科ルートの2つがあったということですね。

はい,そのとおりです。

証人は,どちらのルートに出動しましたか。

私は,明科側のほうのルートの検問に従事しました。

明科側のルートには何名の捜査員が従事しましたか。

3名です。

太田さん,証人のほかにどなたがいらっしゃいましたか。

あと,岩下巡査と中野部長です。

岩下さんは,岩下竜也巡査,当時巡査ですね。

中野部長というのは,中野博正巡査部長のことですね。

はい,そのとおりです。

もう一方の大口沢のルートにはどれくらいの捜査員が従事していましたか。

詳しい人数は覚えていないんですけれども十何人いたと思います。

車両検問,明科ルート側はどのようにして行おうというふうに考えていましたか。

一応指示があったんですけれども,当時今回の大麻パーティーの主催者が白坂さんと桂川じゃないかということでインターネットの検索とか,そういうのでわかっていましたので,また現場にも2人の車がとまっているということがわかっていましたので,もしかしてそっちのほうにもおりてくるかもしれないということで,3名でその車が来たらとめるようにということで指示して検問しました。

明科ルートを通る車両全てに対して,検問を行うということではなかったということですか。

はい。

白坂被告人と桂川さんに絞った理由というのは何でしたか。

インターネット見てもわかるとおり大麻報道センターという名目でホムページが掲載されているのとか,後の祭りだからという白坂さんの名前と,桂川さんの名前載っていますし,あと施設の管理者から予約しているのは白坂さんだと,主催は白坂さんだということでわかっていましたので,その両名はどうしても職質してくれということで指示がおりていました。

それ以外の者に対して職務質問,車両検問を実施しなかったのはどういう理由からでしたか。

比較的地元の方しか通らない道なんですけれども,時間帯的にも結構通行量も多くて,3人では対応できないので,車両を絞ってやっていました。

その当時での白坂被告人に対する嫌疑というのはどのようなことを考えていましたか。

検問でまず逮捕者が1名出ました。やっぱり大麻があるんではないか,本当に大麻扱っているんではないかということで一つ嫌疑が出てきました。その後も捜査員が天平の森のほうに入ったんですけども,そこでもやっぱり大麻も出てきているというような話もあって,嫌疑がどんどん出てきたような次第です。

白坂被告人に対して職務質問を開始する当時は,どのような嫌疑でしたか。

まず,大麻の所持というのが一番の目的でした。

その嫌疑はどのようなことから認められると考えましたか。

やっぱり検問で1人逮捕者が出ているということと,大麻についての信教者というか,大麻を崇拝している方たちだということで声をかけなければいけないと思いまして,声をかけました。

天平の森で大麻パーティーをしているようだという匿名の情報があったということは関係していますか。

十分関係しております。

被告人が,それの主催者であったということも関係していますか。

はい,そのとおりです。

では,配置に着いた後,白坂被告人の車両を見つけて職務質問開始する状況について説明をしてください。

私たちは,パトカーの中で3名で車両で待機していました。そしたら,天平の森のほうから1台の車がおりてきて,ナンバーを確認したら白坂さんの車でしたので,後を追し、かけていって声をかけてとめました。

見つけてから声をかけるまでの間,追跡はしましたか。

しています。

その追跡をしている聞に何かありましたか。

特にありませんけれども,車載マイクでとめました。

車載マイクではどのように・・・。

まえでの車とまってくださいということで停止を求めました。

その車載マイクで停止を求めたところ被告人はどうしましたか。

比較的素直に若干左に寄りながらとまってもらったと思います。

被告人が車をとめた場所ですけれども,どのような場所でしたか。

若干右曲がりのカーブの途中だったと思います。

そのときの道路の状況と被告人車両の位置を。
(証人は記入した。)

中央に白坂の車と書いてありますが,これはこの図でいうと下向きに・・・。

四賀村方面のほうに向かう方向でとまってもらいました。

車がとまったということですね。

はい。

白坂の車と書かれたものの図でいうと,右側に分岐がありますが,これは何ですか。

丁字路交差点です。

丁字路交差点を少し過ぎたところで,被告人の車が停車したということですか。

はい,そのとおりです。

では,この続きを聞きますけれども,証人は岩下さんと中野さんと3人で車両検問に当たっていましたね。

はい,そのとおりです。

被告人車両をとめた後は,3名とも警察車両からおりましたか。

私がとりあえず運転席に乗っていましたので,すぐ降車して本人の運転席側に駆け寄って声をかけました。

そのときは何と声をかけましたか。

若干スピードも出ているようでしたので,急いでいる理由も聞きたかったので,スピード出ていましたよねということで声をかけました。

それに対して,被告人は何と答えましたか。

特にスピード出している理由については答えなかったと思うんですけれども,唐突に自分たちの大麻パーティーのことについて,狙い撃ちじゃないかというようなことを言っていたように記憶しております。

(ここで被告人は「ウソつけ!」と不規則発言し裁判長に制止された)

確認ですけれども,証人はスピードのことで声をかけていますが,速度違反か何かについて聞こうとしていたんですか。

いえ,そうではありません。結果的には急いでいる理由を聞きたかったので,その理由を聞こうと思って,そういう内容で声をかけました。

当初被告人に職務質問をする際の嫌疑は,大麻の所持等だと先ほど証言していましたが,そのことと急いでいることについてはどのような関係で考えていましたか。

本来であれば,大口沢のほうに通常下るところ,こっちの余り人が通らないほうのほうへ下ってきているので,大麻をやっぱり会場にあったものを移動させるんじゃないかと,そういうようなことで考えていました。

そのような声かけをした後ですけれども,一緒にいた岩下警察官や中野警察官は車両からはおりてきましたか。

岩下特務,中野部長もパトカーを移動した後におりてきたと思います。

パトカーはどの位置に移動させましたか。

ちょっと私ももう記憶が定かではないところがありますが,後方か,後方の丁字路交差点の中へ左折して車両全体を入れていたかもしれません。

では,声かけの場面を続けますが,証人は運転席側から声をかけていたということでしたね。

はい,そうです。

その後岩下さん,中野さんはどのような配置になりましたか。

逐次私が声をかけている後ろに来たり戻ったり,そんな形で話している内容を聞いていたと思います。

話していた内容を聞いていたのは誰でしたか。岩下特務だと思います。

中野さんはどうしていましたか。

後方のほうでとりあえず来る車もありましたので,危険がないように立っていたと思います。

交通整理をしていたということですか。

そうです。

今思いますとおっしゃいましたが,記憶にありますか。

私,職務質問のほうに専念していましたので,若干そこら辺は見えていない部分があります。

証人としては,交通整理をしていると思っていたということですか。

はい,そのとおりです。

被告人に対して声かけをした時間ですけれども,はっきり覚えていますか。

ちょっと記憶が定かでなくて,覚えていません。

午前10時29分ころということではありませんか。

それくらいかもしれません。

証人はこの職務質問が終わった後に,この状況について当時の山田佳照課長に内容は報告していますね。

はい,しています。

その山田佳照課長がまとめた捜査報告書に声かけの時間として午前10時29分ころと記載がされていますが,その時間だったということではありませんか。

連絡をしたときに必ず向こうのほうで時間を確認するようになっていますんで,間違いないと思います。

では続けていきますけれども証人がさらに被告人に対して声かけをしていた内容ですけれども,スピードのこと,また被告人から大麻のことなどを聞いた後はどのようなやりとりがありましたか。

一応所持品検査,大麻が出てくるんではないかという嫌疑で最初声をかけていますので,車内を見せてほしいということで説得しています。

運転免許証の提示は求めましたか。

大麻の関係で所持品検査をさせてくれという前に免許証の確認をさせていただきました。

運転免許証の提示を求めた際のやりとりは,どのようなものがありましたか。

最初は嫌だということで話をしていまして,その後に運転しているんだからとりあえず車を運転している以上は免許証見せてほしいということで確認させてもらいました。

運転している以上は免許証見せてほしいと申し向けたところ,被告人は運転免許証を出したということですか。

はい,結果的には見せていただきました。

証人は,その運転免許証を受け取ってどうしましたか。

私にたしか手渡してくれたと思います。

それ,免許証受け取った後証人はどうしましたか。

その免許証の内容を本署に報告して本人であるかどうか確認しました。

本署に報告するに当たって,証人がその場を離れたということはありましたか。

離れました。

その聞は被告人のそばには誰かいましたか。

岩下特務が,その後私が本署へ連絡している最中はずっと話をしてくれたと思います。

岩下さんは,どのあたりにいましたか。

運転席の横で私と入れかわる形で声をかけてくれていたと思います。

まず,ここまでですけれども,証人が一旦本署に連絡するために離れるまでの間,証人が話している聞に岩下さんが発言をしたということはありましたか。

ちょっと覚えていないんですけども,一言二言は話しているかもしれませんが,そこら辺は覚えていません。

続いて,戻ってきてからですけれども,本署に連絡をした後免許証を持って被告人のもとに戻っていますね。

はい。

戻ってきてからは,その免許証はどうしましたか。

本人に手渡しで返しました。

その後,証人は被告人に対して何か求めましたか。

特になかったと思います。

先ほど車両検索,所持品検査のことを言いましたが,それは求めていませんか。

それは求めています。

所持品検査を求めた際の被告人とのやりとりにはどのようなものがありましたか。

まず白坂さんのほうからは今回の大麻パーティーのことについて,内容について,CBDオイルか何か大麻から抽出した成分,これを輸入できたお祝いだというようなことで話をしていました。また,狙い撃ちじゃないかとか,前から知っていたんだろう,そのようなことを言っていたような気がします。

所持品検査に応じるかどうかについてはどのように言っていましたか。

全く応じる感じではありませんでした。

弁護士に電話をするとか,令状がなければ嫌だというようなことは言っていましたか。

言っていたと思います。

それに対して,証人はどのように対応しましたか。

説得しかないと思いまして,見せてもらいたいということで,一応検問時にも逮捕者が出ているということは説明してお願いしました。

被告人は,その場から立ち去りたいということは言っていませんでしたか。

立ち去りたいというか,友達のところに道具をとりに行きたい,一輪車をとり行きたいということは言っていました。

それに対して,証人はどう対応しましたか。

とりあえず行き先はどこだということは聞きましたが,一向に教えてくれませんでした。

一輪車をとりに行くやりとりについては,さらに何か話はしましたか。

友達のところへ行かせてくれないかということは言っていましたけれども,行き先も言ってくれないですし,どれぐらいの距離なのかとか,どれぐらいで行ける距離だ,そういうことも一切教えてくれなかったように思います。

そのようなやりとりをしているときに証人から被告人に対して,車両の移動を求めたことはありましたか。

職務質問を始めてから所持品検査応じない状況でしたので,時間がかかると思いましたので,後方の丁字路か前方の丁字路のほうに車を移動していただくようにお願いしてみました。

そのように移動をお願いしようと思ったのはなぜでしたか。

一応交通量もありましたし,後方から来る車もありまして,ちょうどカーブということで危ない状況でしたので,交通整理員が必要だと思いまして,交通整理を依頼しました。

移動を求めた理由としては,カーブで交通量もあって危険だと感じたからだということでよろしいですか。

はい,そのとおりです。

具体的にこの近辺では被告人の車両を移動させる場所というのはあったんですか。

後方の丁字路か前方の丁字路いずれかに移動してもらえれば,安全な状態をつくれると思いました。

具体的にはどのあたりになりますか。青色で丸をつけてください。

(証人は記入した。)

被告人車両の後方の脇道,前方の脇道に青色で囲んで斜線を引し1た部分がありますが,この部分ということですね。

はい,そのとおりです。

今交通整理員を依頼したというお話がありましたけれども,実際に交通整理員の応援はその場に来ましたか。

はい,来てくれました。

何人来ましたか。

2名来たと思います。

その応援で来た2名は,実際に交通整理に当たりましたか。

はい,当たってもらいました。

そうすると,そのほかに中野さんもいますから,少なくとも3名は交通整理に当たったということですか。

はい,そのとおりです。

実際に交通整理に当たった位置ですけれどもどのあたりでしたか。

白坂さんの車の10メートルか15メートルか前方と同じく後方だったと思います。

それぞれの位置に赤色で丸を書いていただきたいんですが,その前提として白坂の車と書いてある道路,真ん中に線が引かれていますが,これは・・・。

センターラインです。

では,前方と後方と大体の位置に赤色の丸をつけてください。

(証人は記入した。)

後方のほうは脇道の後ろ,前方のほうは反対車線側ということですか。

はい。

交通整理を始めてからも,後続車はありましたか。

何台もありました。

後続車については,どのようにして通らせていましたか。

対向車線から車が来るようであれば,完全に停車してもらってやり過ごしてから行かせたり,逆も同じようにそのようにやっていました。

後続車が通り抜けていった経緯を赤色で矢印で書いてもらえますか。

後続車でいいんですね。
(証人は記入した。)

赤色で矢印が書かれたように反対車線を通って被告人車両の前に出て,進行方向の車線に戻るというやり方ですね。

はい。

この図でいきますと,被告人車両の前には通行を妨害するものは何もなかったということですか。

はい,そのとおりです。

捜査員は,前に立っていませんでしたか。

ナンバーの確認をするとか,そういうときに時々立ったことはあると思いますけども,車の前にあえて立つということはありませんでした。

では,続けますけれども,この交通整理員が来た後,さらに応援が来たということはありましたか。

はい,あります。

どなたが来ましたか。

刑事課の宮坂係長と閉じく宮下特務が来ました。

その宮坂係長たちが到着した時間ですけれども,覚えていますか。

済みません,覚えておりません。

先ほどの報告書には午前11時ごろとの記載がありますが,そのころということですか。

それぐらいで大丈夫だと思います。

宮坂さん,宮下さんが到着してからは,被告人に対する声かけというのはどなたがしていましたか。

私は,宮坂が到着してからはそれまでの経緯とか,そういうものを本署に連絡する必要がありましたので,到着した時点で一旦宮坂にかわってもらって,そこからは宮坂が主に声かけをしてもらいました。

太田さんが声かけをしている間は岩下さんが後ろに来たり,行ったり来たりしていたということでしたが,岩下さんはどうしましたか。

岩下特務も途中からは交通整理のほうに従事していたと思いますが,そこまでちょっと見ていないのでわかりません。

これ以降は,基本的に宮坂さんが被告人の声かけに当たっていたということになりますか。

そのとおりです。

このころですけれども,証人は本署,あるいは天平の森から何か新しく情報を得たということはありましたか。

職務質問をやっている間に警察官が天平の森に入ったということと,入ったときに施設の中の食堂みたいなところにビニール袋に入った大麻が出てきたというような話は入ってきました。

そのビニール袋に入った大麻については,何か会場や本署のほうから説明は受けましたか。

所持者が誰かわからないと,現場にも何人か人がいるんだけども,説明してくれる人はいないと,そういうことは連絡で入ってきていました。

それについて,こちらの職務質問をしているほうに対して何か要望はありましたか。

できれば主催者の白坂さんに来てもらいたいというようなことで,強い要望がありました。

その要望を聞いて,証人はどのようにしましたか。

とりあえずそのときはメインで宮坂が話を聞いていましたので,その旨を宮坂に伝えてそこから施設に戻るように依頼しました。まだ行きたくないと,荷物をとりに行かせてくれというようなことをずっと一貫して言っていました。

そのやりとりの中で,被告人が用事が終わってからにしてくれとか,2時間以上は認めないとか,そのようなことを言っていたことはありましたか。

ちょっと記憶は定かではないところもありますが,そんなようなことを言ったかもしれません。

結局被告人は,天平の森に戻ることに応じないまま時聞が経過していきますね。

はい。

2時間ということで言えば,午後零時30分ころで2時間経過したことになりますが,そのときも被告人は同じここの場所にいましたか。

ずっととめたときから動かず,その場所で車両内で職務質問に応じていました。

被告人が車を発進させる様子というのはありましたか。

なかったと思います。

証人が記憶する限りでありましたか。

ありません。

被告人が車のエンジンを切ったということはありましたか。

いつごろ切ったかちょっと記憶が定かではないんですが,エンジンを切ったということはあったと思います。

続いてですけれども,その後さらに会場のほうや本暑のほうから追加で職務質問をしているこちらの班に対しての要望というのはありましたか。

途中から施設の方からの連絡があって,施設のほうの現場で依田という係長が指揮をとっていたんですけども,施設の管理者のほうから施設の料金を払ってくれというようなことで,できれば戻ってきてすぐに払ってもらいたいというような要望があって,その内容をこちらに電話で連絡をもらいました。

それを聞いた証人はどうしましたか。

やっぱり宮坂にその旨を伝えて施設に戻って料金を払ってもらいたい旨をお願いしました。

その後宮坂さんが被告人に対して,そのことを言っていたかどうかは知っていますか。

言っていたと思います。

その場は,はっきりは聞いていませんか。

聞いていたかもしれないですけども,ちょっと記憶に残っていない部分がありまして,確実ではありません。

その後被告人は天平の森に戻りますね。

はい,戻りました。

戻るときの乗車区分はどのようなものでしたか。

詳しい乗車区分については覚えていないんですが,とりあえず宮坂が助手席に乗せてくれと言ったんですけど,それは拒否されたので,本人の車についていく形でついていったような気がします。

被告人の車両に誰か警察官が乗ったということはありましたか。

ありません。

ここまで天平の森に戻るまでの間のことについて,もう少し追加でお聞きしますが,証人が声かけをしてから天平の森に戻るまでの聞に被告人がどこかに電話をかけていたという様子はありましたか。

何回かあったと思います。

どのような様子でしたか。

電話がかかってきたり,自分からかけたと思うんですけども,乗っていた車,職務質問のときはウインドガラスを下げていたんですけども,電話の都度ウインドーガラスを上げて話の内容を聞こえないような状態で話をしていたと思います。

今思いますとおっしゃいましたが,記憶にありますか。

そこは,確実にそのような状態で話をしていました。

それから,確認ですけれども,当初は太田さん,証人が被告人の職務質問,声かけに当たり,途中から宮下さんがかわったということですか。

宮坂です。

宮坂さんがかわったということでしたね。

はい。

それぞれ同じ位置でしたか。

運転席の横で大体同じです。

では,その位置に今度青色で塗りつぶしてもらっていいですか。

宮坂の位置で。
(証人は記入した。前記記入をした書面を本調書末尾42丁に添付した。)

証人も大体同じ位置でしたか。

同じ。大体横からです。

今被告人の車の左側に青丸を2つ書きましたが,まず宮坂の位置といって下の丸を書き,私の位置と上のほうに丸を書きましたが,それぞれその位置ということでよろしいですか。

大体その位置で,若干位置が変わることはありますけども大体そんなような感じで声をかけていたと思います。

そのほか現場にいた岩下さんは,証人の後ろにいたり交通整理に当たったりしていたということですね。

はい,そのとおりです。

証人の後ろにいたのは,この青丸の付近にいたということでよろしいですか。

いたこともありますし,そっちの後ろのほうの交通整理に当たっていたところ行ったりしていたと思います。

そのほか現場に中野さん3それから交通整理の応援に来た2名が交通整理をしていたということですが,この方々は2つある赤丸のそれぞれの位置にいた・・・。

2人は,そこの位置を動かずそこで、ずっとやってくれていたとは思います。

そうすると,残りは宮下さんですけれども,宮下さんはどこにいましたか。

一応その付近で交通整理の関係で若い警察官でしたので,それに指導をしたりとか,あと本署への連絡,私たちが話している,聞いている内容を多分本署へ連絡していたと思いますが,詳しい動きについてはちょっと把握しておりません。

この天平の森に戻るまでの間ですけれども,被告人の車両を警察官が取り囲んだと,前方をふさいだり,後方をふさいだり,直近でふさいだりして取り囲んだということはありませんでしたか。

なかったと思いますが,先ほども言ったとおりナンバーを確認したり,逐次交通整理のかげん上,まえでに行かざるを得ないこともあったと思いますので,そういうときは前方に若干は立っていると思います。

天平の森に向かつて出発した時間ですけれども,覚えていますか。

済みません,覚えておりません。

先ほどの報告書には午後1時15分ころと記載がありましたが,そのころということですか。

報告書にそう書いてあれば,多分間違いないと思います。

では,続いて天平の森に着いてからのことについてお聞きします。天平の森に着いてからはまず車をとめたということでよろしいですか。

駐車場に車をとめました。

車をとめてから証人は被告人に対して何か求めましたか。

最初車が到着した時点で,施設のほうの指揮をとっていた依田のほうがまず車に駆け寄っていったと思います。そして,所持品検査なり車両検査をさせてくれということでお願いしたと思います。

証人もその場にはいましたか。

私も自分たちの乗っていった車おりてそこへ寄っていったと思います。

今思いますとおっしゃいましたが・・・。

寄っていきました。

被告人に対して,所持品検査を求めて,この場では被告人は所持品検査には応じましたか。

応じてくれました。

被告人の所持品検査,車両検索には何名の警察官が当たりましたか。

私の記憶では五,六人だったと思うんですけれども,それぐらいで対応したと思います。

その五,六人は,どのような役割分担でやっていましたか。

体のほう,身体のほうの所持品検査では2名くらい,車のほうも3名くらいでやったと思います。

そのほかにその場に警察官はいませんでしたか。

施設のほうの指揮を依田のほうがとっていましたので,その都度施設のほうの関係者の聴取とかありましたので,そういうので行ったり来たりしていたので,何人かはその近くには来ていたと思います。

報告などのために出入りはしていたということですか。

そのとおりです。

所持品検査に加勢したということではありませんでしたか。

2人ぐらいでやれば多分十分だと思いますんで,それでやっていたと思います。

この所持品検査に応じた時間ですが,覚えていますか。

車両が到着してすぐ,間もなくだったと思いますけれども,ちょっと時間までは覚えていません。

先ほどの報告書には午後1時28分ころと記載がありましたが,そのころですか。

大体大丈夫だと思います。

車両検索や身体の所持品検査の結果,禁制品,大麻などの発見はありましたか。

しっかりポケットの中とか,そういうのもやらせてもらいましたけども,何も出てきませんでした。

この所持品検査が終わった後,証人はどうしましたか。

施設のほうで台所のほうで袋に入った大麻が出てきましたので,その説明の関係でほかの捜査員とそちらのほうに向かったと思います。

そうすると,この時点で証人は職務質問からは離脱したということになりますか。

はい。ここでは一旦離脱しています。

では,ここまで職務質問をしていた際のことについてまとめてお聞きしますますが,職務質問を開始したのは午前10時29分ころ,被告人が天平の森に戻ったのが午後1時15分ころで,少なくともこの時点で2時間45分が経過していました。証人としては,職務質問が長時間にわたるのではないかということについて,注意は払っていましたか。

一応注意は払っていました。

その時間の関係についてですけれども,長時間にわたるかどうかということについて,本件についてはどのように考えていましたか。

当初は所持品検査をして出てくれば,現行犯逮捕とか考えていましたけども,応じてくれないですし,その後施設からも大麻が出てきていると,その後も施設での逮捕者も出たということで,最初は所持品検査だけでいいのかなと思っていましたけど,そのうちに説明もしてもらわなきゃいけないかなということで,嫌疑が大きくなっていったような気がします。

嫌疑が高まっていくにつれて聞く内容もふえていった,聞く必要のある内容もふえていったということですか。

そのとおりです。

一方で,被告人は途中で知人のところに行きたいと,その場を離脱したいというような意思も示していましたね。

はい。

そのことについて,証人はどう考えていましたか。

近くであれば一緒に行ってまた戻ってくればいいかなとは思っていましたし,車の中に当然大麻があってもいいのかなと考えていましたので,車の中を見させてもらうまでは説得しようかなということで考えていました。

被告人が例えば車を発進させるなど離脱するという意思を強く示した場合にはどうしていましたか。

車を人で停止させるというのは危険でしたので,発進すればそこで職務質問は中止しようと考えていました。

念のため確認をしておきますが,まず一番最初職務質問に出動した当時というのは被告人自身の大麻の所持や大麻パーティーの主催者として説明を聞かなければならないと,そういう嫌疑だったということですね。

そのとおりです。

出動した後に別のほうの職務質問の部隊から逮捕者が出たということを聞いて,それに関する関与の嫌疑も高まったということですね。

そのとおりです。

その後宮坂さんが来たころのタイミングで、大麻パーティーの会場から大麻のようなものが見つかったということを聞いたと。

はい,そのとおりです。

それで,それに対する嫌疑も高まったと,そういうことになりますか。

はい。

では,続けて聞きますけれども,この後被告人は安曇野警察署に行っていますね。

はい,行っています。

その任意同行のいきさつについては,証人は何か知っていますか。

そこら辺については状況が状況で説明も,大麻も出てきていますんで,パーティーの主催の内容について聞かなきゃいけないということで,任意同行を求めていると思いますけども,そのときには私その場にちょっといなかったので,その趣旨まではわかりません。

では安曇野警察署に証人が戻ってからのことについてお聞きします。証人は安曇野警察署に戻ってからは何をしていましたか。

とりあえず職務質問の経緯を報告書にしなきゃいけないということで,上司への報告,山田への報告と書類の作成に従事していました。

その書類を作成している経過で,途中で被告人の取り調べの状況やその余のものの取り調べの状況などについては聞きましたか。

調べ室で被告人の調べをしているということは承知していましたけれども,内容まではわかりません。

そのほか任意同行,あるいは逮捕されてきた者の供述状況などについては,何か聞いたことはありましたか。

その天平の森から●●兄弟という兄弟,男子2人なんですけども,来ていて調べを受けているということは知っていました。

●●●●と●●●●のことですね。

はい,そうです。

その●●兄弟がどのような話をしているのかということは聞きましたか。

大麻を吸ったという話をしているということは聞いています。

どこで吸ったという話ですか。

天平の森で吸ったということは聞いています。

その大麻と被告人の関与については,何か●●兄弟は話していたか聞いていますか。

そこまでの内容まではちょっと聞いていません。

証人はそのような情報を得て,今後捜査がどのように展開していくと予想しましたか。

一応天平の森から出てきたビニール袋に入った大麻が誰のものかわからなかったですし,当然自宅のほうにもあるんじゃないかということで,捜索差押になるんじゃないかということは予想していました。

被告人の自宅ということですか。

そのとおりです。

結局その後被告人の自宅に対する令状請求を行い,捜索差押許可状の発付を得ていますね。

はい。

その後証人は,この捜索差押にはどのように関与していきましたか。

最初被告人のほうが自宅に行きたくない,余り戻りたくない,立ち会いたくないということだったので,消防隊員を立ち会いでやるという話になって,私たち先に令状が出た段階で署を出発したと思います。

今思いますとおっしゃいましたが。

出ました。

令状を持って出発してからはどのようなことがありましたか。

出発して10分ぐらいしてから,白坂が令状を見せろと言っているんで,駐車場まで持ってきてもらいたいということで途中まで行ったんですけど,一旦戻りました。

どこに戻りましたか。

安曇野警察署の駐車場です。

裁判長,その際の位置関係を明確にしたいので,図を書いていただいてもよろしいでしょうか。

裁判官
はい,どうぞ。

検察官
簡単で結構です。
(証人は記入した。前記記入をした書面を本調書末尾43丁に添付した。)

安曇野警察署の駐車場ですね。道路から入って警察車両が2台書かれていますが,証人が乗っていた車はどちらですか。

たしか後続の車だと思います。

前方の車ですが,被告人車両との聞にはどれぐらいの距離がありましたか。

一,二メートルぐらいだと思います。

証人は,捜査用車両で戻ってきて,それからどうしましたか。

私はずっと車に乗っていたんですけれども,滝津班長だと思いますが,令状を持って,たしか白坂さんは自分の車の運転席に乗っていたと思いますんで,そこへ令状を示しに持っていったと思います。

それからどうしましたか。

間もなく戻ってきて,私たちもそれで,本人は食事に行くなどと言っているというから,私たち先行ってもう始めちゃうというような話をしていました。

立ち会いはどうする予定でしたか。

消防署のほうにお願いしてありましたんで,それで消防署員の到着を待ってやる予定でいました。

被告人の自宅には何時ごろに着いたか覚えていますか。

済みません,覚えていません。

先ほどの報告書には午後8時43分ころに到着したと記載がありますが,そのころということですか。

大丈夫だと思います。

その後消防の立ち会いで捜索差押を行ったということですね。

そのとおりです。

捜索差押を行っている最中に被告人が帰宅したということはありましたか。

捜索をやっている最中に途中から帰ってきました。

帰ってきた後の被告人については,捜索には立ち会いをしてもらいましたか。

立ち会ってくれていたと思います。

今思いますと言いましたが・・・。

立ち会っていました。

証人は,被告人との間で何かやりとりはありましたか。

最後の大麻の予試験までは余り対応していません。

予試験の際はどのようなやりとりがありましたか。

よく見ていてもらいたいということで,説明書を見ながら説明して実施しました。

被告人から何かありましたか。

言動とすれば,よく見せてくれということは言っていたと思います。

(ここで被告人が「ウソつけ!」の不規則発言)

では,全体についてお聞きしますが,本件は今から2年前のことになりますけれども,今回の件についていずれこのように証人尋問などになる可能性はあるということは考えていましたか。

当時の担当してくれた検事さんからはなるということは言われていましたけども,もう1年たち,2年目たち徐々にどうなっているのかなということで,本当に裁判に呼ばれるのかどうか半信半疑になっていた部分はあります。

いずれ証人尋問になるかもしれないということで,本件について記憶を保つ努力ということはしてきましたか。

一応報告書などを書いてあったので,それで十分かなと思っていました。

証人尋問に出るに当たって何か参考にしたものはありますか。

一応当時の記憶を起こすということで,山田の作成した報告書は一通り目を通してみました。

平成25年11月6日付けの山田佳照作成の捜査報告書のことですね。

はい,そうです。

この報告書を読んで記憶が喚起された部分というのはありましたか。

大体当時の記憶と,時間的なものは具体的には覚えていなかったので,このぐらいだったのかなという程度で,あと,ああ,そうだったというのは特になかったと思います。

被告人とのやりとりや時間的な経過,時系列,それについては記憶をしていたということですか。

長かったということは覚えています。

質問をよく聞いてください。被告人とのやりとりの内容や,どういうことがどういう順番であったということは記憶として残っていたということですか。

言われれば思い出せる程度に覚えていました。

この報告書を読んで、記憶にないことを覚えてここで話しているということはありませんか。

それはありません。

(検察官訊問了)





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