第12回公判 弁論(3) 被告人の活動と厚労省の不作為
4 被告人の活動と厚労省の不作為
(1)被告人は大麻取締法被害者センターの活動の一環として,ダメゼッタイセンターのホームページに記載されている大麻の内容について,医学的根拠を示すよう求め続けた(弁62ないし82,弁84,被告人質問26頁以下)。
(2)そして,開示された「DRUG EDUCATION MANUAL」(弁27)の内容と比較すると,「ダメ。ゼッタイ。ホームページ」の記述には稚拙な改ざんがあったり,重要な情報が書かれていなかったことが判明した(弁67,弁68,69,弁71,弁88,弁89,被告人質問30頁以下)。
(3)また,あるテレビ番組に出演した,元麻薬取締官で,現在もダメセンの指導員を務める浦上厚氏が,大麻を吸うと凶暴になるといった,まったく根拠も不明な説明をしていたので,被告人は,浦上氏にその根拠を確かめるべく,連絡を取るためダメセンに電話したところ,対応した富沢専務理事は,ホームページの記述の根拠を示すのは「イヤです」と言って無責任な対応に終始した(弁83,弁84)。
(4)被告人は厚労省に,「ダメ。ゼッタイ。ホームページ」の大麻情報の根拠を示すよう求め続けたが,出所は明らかにならなかった(弁86,弁87,弁88,弁89,弁90,弁91,弁92,弁93,弁94)。
被告人は,情報開示請求をしたが(弁95),大麻情報の元となる英語原文が開示されなかったため,厚労省による情報開示に対する異議申立を行ない(弁96,弁97弁101),内閣府に置かれた個人情報審査会は,当該の英語原文を開示するよう厚労省に命じ(弁28),英語原文が開示された(弁98,弁99,弁27)。
(5)厚労省自身が発行した古い資料などに混じって,唯一の医学的資料として開示されたのが,1997年にWHOが発行した「Cannabis : a health perspective and research agenda」だったが,「ダメ。ゼッタイ。ホームページ」のどこにもWHOレポートを参照した箇所はなかった(弁100)。ダメセンの糸井専務理事(当時)にも確認したところ,「ダメ。ゼッタイ。ホームページ」は1997年以前に作成されており,その後は改訂していないので,時系列から考えて,WHOが発行したレポートは参照されていない,との回答を得た。弁100)。その後被告人からは文書で厚生労働省に質問書を送付した(弁102)
さらに,被告人は厚労省に対して,「ダメ。ゼッタイ。ホームページ」の内容の修正を求める要望書を送付した(弁103,弁45)。この要望書には,「ダメ。ゼッタイ。ホームページ」の大麻に関する記述について某医大に勤務する腫瘍内科専門の医師が作成した検証論文(弁29)を添付した。
(6)それから,被告人は,厚労省が大麻に関する海外の文献などを収集しているのかどうか,また日本国内の研究はどうかなどを確認するため,「厚労省が所有する大麻に関する全ての文書」を情報公開請求しているが(弁104,弁105,弁106,弁107,弁112),厚生労働省は海外の医療大麻のデータを持っていないことが明らかになっている(弁108,弁112,弁113)ほか,科学的な文献は全く増えていない(弁119)。
(7)その他,被告人は医療大麻とサティベックスの利用可能性について,厚労省に取材をした(弁109)。
(8)2009年,監視指導麻薬対策課の安田課長補佐(当時)は,ダメゼッタイセンターの大麻情報の見直しを求める私との電話での対話のなかで,厚生労働省のホームページに大麻情報のページがないので,それを開設すると説明し(弁110,白坂),そのページには,医学的な大麻情報として,1997年にWHOが発行した「Cannabis : a health perspective and research agenda」が明示されることになった(弁24)。
その後も,被告人は厚労省に対して,大麻情報や医療大麻について,取材と要望をしている(弁111)。
(9)その頃,被告人は,当時主催していた大麻取締法被害者センターの名称を,大麻取締法変革センターという名称に変更し,NPO的なあり方を模索した(被告人質問28頁)。国政選挙の際には必ず各政党に「大麻取締法についてのアンケート」を送付して政策を確認し,主要政党に大麻取締法問題を知ってもらう機会とした(被告人質問調書33頁)。
また,ダメセンの大麻情報を改めさせるだけでなく,英語の得意な人に呼びかけ,大麻に関する海外の医学的な研究や,社会的な動向などを翻訳し,日本社会に提供する取り組みも始めた。これまでに仲間たちと翻訳した英語記事は約3000本になる(被告人質問調書33頁)。
(10)2013年4月に,大麻報道センター英語版編集長を引き受けてくれている,カリフォルニア在住で,医療大麻の使用ライセンスと,販売目的で栽培も手がけている,麻生しげる(仮名)が,米国では,向精神作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)ではなく,向精神作用のないCBD(カンナビジオール)を主原料とするオイルが評判で,特にてんかんには大きな効果が期待できるとの投稿をした(被告人質問30頁,)。 被告人は,厚労省にも電話して聞いたが,大麻草から抽出したものは違法だと説明を受けたが,その後被告人は厚労省や税関や麻薬取締部に連絡し,合法的に輸入できることを確認した(弁31,弁114,弁115,弁116)。
(11)被告人は2003年頃から,インターネット上で大麻合法化を目的とするサイトを運営するなどの活動をしており(被告人質問27頁,乙9),このような活動から得た情報を大麻に関する著作の著者に資料を提供し(弁52・214頁,弁53・203頁),その活動自体が,著作で取り上げられている(弁54・31頁)。
(12)被告人は,大麻合法化活動をしている中で,当初は医療大麻の団体に参加するなどしていたが,次第に被告人の元に,医療大麻を試したいという患者から連絡が来るようになり,てんかん患者の子供や,末期がん患者に無償で大麻を譲り渡すなどしていた(被告人調書34頁,35頁)。
第5 大麻取締法の違憲性―結論
1 憲法13条,25条違反について
(1)医療大麻の規制について
ア 医療大麻を栽培,所持することは,患者の権利ないしライフスタイルに関わる個人の自己決定権の行使であり,憲法上,幸福追求権(憲法13条後段),生存権(25条)の一内容として保障される。いかなる方法,いかなる医薬品で病気の治療をするかは,患者の権利ないしライフスタイルに関わる自己決定権のひとつだからである。
イ なお,被告人自身は,医療大麻を使用しているわけではないため,医療大麻を必要とする者という第三者の憲法上の権利の主張適格があるかどうかが問題となる。この点,東京高裁平成7年12月19日決定(判時1548号43頁)は,「法令又はこれに基づく裁判等の国家行為により不利益を受ける当事者が、その効力を争う裁判上の手続において、この手続の当事者ではない特定の第三者の憲法上の権利が右国家行為により侵害されるとして、当該国家行為が憲法に違反する旨主張する適格(以下「第三者の憲法上の権利主張の適格」という。)を有するかどうかは、右特定の第三者の憲法上の権利の性質、当事者と第三者との関係、第三者が独立の手続において自らの当該憲法上の権利を擁護する機会を有するかどうか、当事者に対し第三者の憲法上の権利主張の適格を認めないときには第三者の権利の実効性が失われるおそれがあるかどうか等を考慮し、当事者に右適格を与えるのが相当と認められる場合は格別、そうでない限りは許されないものというべきである(最高裁判所昭和三七年一一月二八日大法廷判決・刑集一六巻一一号一五三九頁参照)。」とする。医療大麻を使用することは,医療大麻を必要とする患者の人格的生存に不可欠であり,かつ自己決定権の行使として憲法上保障され,被告人は,医療大麻を必要とする患者を支援してきており,医療大麻を必要とする人々は,医療大麻を含め,大麻所持一切が禁止されている現状では,医療大麻を使用する権利の擁護活動をすることが困難であり,被告人に医療大麻を使用する権利の主張を認めなければ,医療大麻を必要とする患者の権利の実効性が失われることが明らかであり,被告人に医療大麻一切を禁止することが憲法に反するとの主張をする適格を与えるべきである。
ウ 大麻取締法が大麻の有害性(副作用)を前提として,薬物乱用による保健衛生上の危害を防止するために,医療大麻の栽培,所持に合理的な制限を加えることができるとしても,当該合理性は,制限の必要性と制限される人権の内容,具体的制限態様との較量で決せれなければならない。
エ 大麻の有害性は,近年の研究で明らかになっており,前述第2で示したとおり,大麻使用による有害作用は他の医薬品に許容される範囲内におさまる程度である。他方で,大麻の有用性をみると,多くの難病に効果的であることは明らかである。
有害性を前提として大麻を規制する必要性があったとしても,使用によるその有害作用が他の医薬品に許容される範囲内におさまるのであれば,その規制の程度は,必要最小限度の規制として他の医薬品と同程度でなければならない。
オ 向精神薬や麻薬に指定されている薬物は,医師の処方が認められており,所持が許されている。他方,医療大麻については医師の処方は認められておらず,その所持は一切禁止されている。これは,他の医薬品に対する規制と比較して過度な規制であるといわざるを得ない。
大麻の医療利用目的の栽培,所持を一切禁止する大麻取締法4条1項2号3号,24条1項,24条の2第1項は,憲法13条,25条に反し無効である。
(2)嗜好目的大麻の規制について
大麻を喫煙すること,嗜好目的の大麻の所持は,使用者の一般的行為の自由,人格的生存に必要な行為,あるいは自己決定権の行使として,憲法13条後段,ないし生存権(憲法25条)により保障される。
大麻取締法が大麻の有害性・影響を前提として,薬物乱用による保健衛生上の危害を防止するために,大麻の所持に合理的な制限を加えることができるとしても,当該合理性は,制限の必要性と制限される人権の内容,具体的制限態様との較量で決せられなければならない。
嗜好目的で大麻を使用することは,自己決定権の行使として憲法上保障され,医療目的程の不可欠性がないとしても,規制目的との実質的関連性のある規制にとどめなければならない。
大麻の有害性は,近年の研究で明らかになっており,前述第2で示したとおり,大麻使用による有害作用は他の嗜好品であるニコチン,アルコールと比較しても,低いものと評価できる上,すくなくともこれらと比較して特段有害性が高いものではない。当然ながら,ニコチン,アルコール,ヘロイン,コカイン,覚せい剤,MDMAなど,他の嗜好品,薬物とは,成分が異なるため単純な比較はできないものの,人体に対する有害性が低く,さらに社会的悪影響が生じる恐れもない。さらにいえば,大麻について科学的に明らかにされた人体に対する影響は,日常生活において実質的な影響を及ぼすようなものではなく,使用を禁止するほどの影響はないのである。実際にも,日本国内で毎年多くの大麻使用者が所持等で検挙されているが,それらの者が大麻で健康被害を被ったという報告はない。
そもそも日本で大麻の規制が始まった理由は,日本国内で大麻の濫用が問題視されたからではなく,立法当時でさえ,大麻の規制の理由について,GHQの指示によるものであり,日本国内で大麻が麻薬であるとの認識もなく,大麻が社会に害を与えるとの議論もなかった。
そして,日本国内では,大麻の人体に対する有害性の研究は一切されていないほか,今後も研究がされる見込みもなく,また私的に研究をしようとしてもそもそも研究ができない状態である。しかし,このことは,大麻の日本人に対する影響が科学的に明らかではないから規制すべきであるとの結論を導くわけではない。むしろ,日本において,大麻喫煙による健康被害の問題がなかったために,研究をする必要性すらなかっただけである。
海外の研究結果により,大麻に特筆する程の有害性がないことからも,大麻によって国民の保健衛生上の問題が生じないため,国民の保健・衛生の向上と社会の安全保持という規制目的にはもはや正当性はない。そして,国民の保健衛生の向上と社会の安全保持という目的のためには,せいぜい未成年者の所持を禁止し,大麻に酔った状態での自動車運転を禁止すれば足りるのであり,上記規制目的と大麻栽培・所持を現状のように懲役刑でもって罰することには実質的関連はないことに加え,少なくとも日本国内で大麻に関する研究がされ,その有害性の程度を前提に,必要な規制方法を検討するまでは,大麻使用が日常生活上実質的な害が生じることが認められない以上,懲役刑をもって規制する必要がなく,上記規制目的と懲役刑をもって大麻の栽培・所持を罰することとの間には実質的な関連性がない。
したがって,大麻の嗜好目的の栽培,所持を一切禁止する大麻取締法4条1項2号3号,24条1項,24条の2第1項は,憲法13条,25条に反し無効である。
2 憲法14条1項違反
(1) 医療大麻について
大麻取締法4条1項2号3号は,大麻の医療利用を一切禁止する旨を規定している。
大麻同様に薬物関係取締法規で規制されている向精神薬,麻薬等は,指定を受ければ,施用のための交付,使用,所持が認められている。これと比較して,施用のための交付等を禁止し,医療利用目的で大麻を栽培,所持した者に懲役刑を科すことは,憲法14条1項の意味における差別的取扱いである。
法の下の平等は,法適用の平等のみならず法内容の平等をも意味する。法内容に不平等な取扱いが定められていれば平等に適用しても個人尊厳の原理が無意味に帰するおそれがあるからである。
大麻取締法は,昭和23年に施行され,昭和38年改正の際に同法4条1項3号を追加し,大麻から製造された医薬品の受施用行為を禁止した。それ以降,大麻の医療利用は禁止されている。
しかし,大麻の有害性と有用性の研究は進み,大麻を禁止していた諸外国も,次第に大麻規制を廃止し,または緩和して,医療利用を認めている。
現在の大麻に関する医学的,科学的知見を前提とすると,大麻の医療利用を一切禁止することは,他の薬物規制と比較して著しく厳しい規制といえ,不合理な差別的取扱いであり正当化することは許されない。
不合理な差別によって,大麻の医療利用目的での栽培,所持を規制する大麻取締法4条1項2号3号,24条1項,24条の2第1項は,憲法14条1項に反し無効である。
(2) 大麻に対する規制は,たばこやアルコールに対する規制と比較して厳格であり,憲法14条1項の意味における差別的取扱いである。
同程度の可罰的評価を受ける行為に関する各種法律の規制は同等でなければならない。
例えば,脳,行動への影響をみると,前述第4で示したとおり,大麻は,急性的に学習能力,運動能力を低下させ,認知機能への影響を及ぼす可能性がある。
他方で,一般的にたばこは,脳卒中の罹患率を上昇させるニコチン依存症の原因となる可能性がある。
一般的にアルコールは,急性的に暴力的,衝動的になるという人格変化,急性中毒による死亡の危険,自動車運転における事故発生の危険の増大,慢性的な学習能力,集中力,記憶力の低下,アルコール依存の原因となる可能性がある。
アルコールやたばこの所持,使用は,危険性において大麻同様またはそれ以上の可罰的評価を受ける行為である。
しかし,タバコ,アルコールの取扱いについては,未成年者のみ使用を禁止し,親権者等に科料に処し,販売者を罰金に処するにとどまる(未成年者喫煙禁止法1条,3条,5条,未成年者飲酒禁止法1条,3条)。他方で,大麻の栽培,所持は一般的に禁止され,違反した場合には懲役刑に処される。
大麻,アルコール,たばこはいずれも人体に影響を及ぼす物質であり,大麻のみを合理的根拠なく差別的取扱いすることは許されない。
合理的根拠なく大麻の栽培,所持を規制する大麻取締法24条1項,24条の2第1項は,憲法14条1項に反し無効である。
3 憲法31条,36条違反
(1)大麻取締法24条1項は,大麻栽培に対し,1月以上7年以下の懲役刑を 規定し,同法24条の2第1項は,大麻所持に対し,1月以上5年以下の懲役刑を規定する。
刑の内容は,法益侵害およびその危険性の程度から決められる。
大麻の有害性は,前述第4で示したとおり,他の医薬品に許容される範囲内におさまる程度である。
大麻の医療利用目的での栽培に対し7年,所持に対し5年の懲役刑を科すことは過度に重いといわざるを得ない。
下限は1月であり,減軽によって15日までになり得るとしても,医療利用目的にまで懲役刑を科すことはやり過ぎであり過度に重い。
目的に関係なく,大麻の栽培,所持に対して,初犯においては懲役1年6月,執行猶予3年程度の判決を下し,2回目以降は実刑とする現在一般の裁判所の運用は,大麻に関する医学的,科学的知見を前提とすると過度に重く,罪刑の均衡を失するもので著しく不合理である。
大麻の医療利用目的での栽培,所持に懲役刑を科す大麻取締法24条1項,24条の2第1項及び刑事裁判における現在の運用は,罪刑の均衡からして著しく不合理なものであって,憲法31条,36条に反する。
(2)薬物使用,所持に対する刑事罰が許容されるのは,使用による具体的な社会的被害が立証されている場合に限られる。
たばこの喫煙,所持に対しては,その有害性は顕著であるが自傷行為にすぎず,未成年者に対するパターナリスティックな介入はあっても,一般的に刑罰的介入はなされていない。
具体的な社会的被害を想像できるアルコールでさえ,たばこ同様に未成年者に対する介入はあっても,一般的にその使用,所持に対する刑罰的介入はなされていない。
大麻の使用も,自傷行為にすぎず,その使用,栽培,所持に対する刑罰的介入の理由はない。検察官が根拠とするような大麻の有害性(弁31参照)が公知の事実であったとしても,その有害性は,薬理作用そのものないし使用者本人への有害作用(自傷行為)に止まる。
大麻の自己使用目的,医療利用目的での栽培,所持に犯罪の実質性はない。
大麻の自己使用目的,医療利用目的での栽培,所持に懲役刑を科す大麻取締法4条1項2号3号,24条1項,24条の2第1項は,刑罰的介入の理由なく,罪刑の均衡を失するもので著しく不合理であり,憲法31条,36条に違反する。
第6 情状
大麻取締法が違憲無効でなく被告人が有罪であるしても,被告人には以下のとおり有利な情状事実があり,裁判所は,被告人に対し,懲役刑を課すべきでなく,執行猶予判決とすべきである。
1 大麻の有害性に関する認識が変化していること
累次の判例も,大麻が人体に深刻な健康被害をもたらすという立場ではなく,大麻の効能が未だ解明されていない,無害とは断定できないなど,大麻の有害性が高くはないとしている。さらに,前褐東京高裁昭和53年9月11日判決は,「大麻に従来考えられて来た程の強い有害性がないと認識されるに至つていること」を被告人に有利な情状として考慮をしている。
すでに述べた通り,大麻には人体に対する実質的な害はほとんどない。そのため,大麻所持を懲役刑で規制することが,直ちに憲法違反とはならないとしても,立法としては不当であることは明らかである。そして,被告人は,大麻に従来考えられていたほどの有害性がないという情報を発信し,大麻合法化活動を続けてきた。
したがって,本件でも,大麻の有害性に関する認識が変化していることを被告人に有利な情状として考慮すべきである。
2 被告人が所持した大麻は多量ではないこと
被告人が所持していた大麻の量は,18.379グラムであり,多量ではない。
3 事実上の制裁を受けていること
被告人は,平成25年9月29日に逮捕された後,保釈されるまでの間長期に渡り身体拘束を受け,すでに事実上の制裁を受けている。
4 前刑の犯行から10年以上経過していること
被告人には前科があるが,前刑の対象となった大麻所持,大麻栽培行為からはすでに10年以上経過している。
以上
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