2016年2月25日(木)
イスラエル エルサレム: 『疼痛臨床ジャーナル』(The Clinical Journal of Pain)誌オンライン版で印刷版に先立って報告された臨床試験データによると、治療抵抗性の慢性痛の症状がある患者において、長期的な大麻の常習により、鎮痛作用が向上し、オピオイドの使用が減少するという。
イスラエル ヘブライ大学の研究者らは、従来の全ての疼痛治療薬に反応しなかった患者176名のコホートにおける痛みに対する大麻の使用について評価した。被験者らは半年間、高THCの大麻(ひと月に最大20グラム)を毎日吸入した。
被験者の過半数(66%)は、大麻治療後の疼痛症状のスコアが向上し、生活の質の面で「強力な」改善があったと回答した。また被験者は、試験終了時には全体的にオピオイド薬の使用が44%減少し、かなりの割合が、この研究終了時にオピオイド治療を中止した。
結論によると、「この長期的な前向きコホートによって、治療抵抗性の慢性痛を持つ患者らにおける大麻治療は、慢性痛を緩和し、睡眠や生活の質を改善し、オピオイド使用も減少させる可能性があることがわかる」という。
この研究結果は、2015年にカナダの試験で報告された結果と類似している。同報告では、1年間日常的に大麻を使用する慢性痛患者は、対照群に比べて、不快感が減少し、生活の質が向上したが、深刻な副作用が増加することはなかったと結論された。
2014年に『米国医師会誌』(The Journal of the American Medical Association)で公表された別のデータからは、医療大麻法のある州では、大麻を禁止している州より、オピオイド関連の死者数がはるかに少ないことがわかっている。RAND研究所(RAND Corporation)の研究者らは2015年、類似した研究結果を報告。「医療大麻ディスペンサリー(配給所・販売店)を許可している州では、オピオイド中毒、オピオイド過剰摂取による死者数はともに相対的に減少している」と結論した。また、『臨床薬理学・治療学』(Clinical Pharmacology & Therapeutics)誌で2011年に公表された臨床データによると、気化大麻の投与(ベポライザーによる大麻の吸入)により、「オピオイドの鎮痛効果が支障なく増加する」という。
今年初めに公表された、被験者1,300名の疼痛に対するカンナビノイドの臨床使用を評価した科学的レビューでは、「全体的に、近年の論文により、現在入手可能なカンナビノイドは、がん以外に関連する慢性痛はもとより、がん関連の疼痛をも管理する、安全で妥当な治療オプションになりうる、効き目が穏やかな鎮痛薬である」と結論された。
詳しい情報は、NORML副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "The effect of medicinal cannabis on pain and quality of life outcomes in chronic pain: A prospective open-label study" は、The Clinical Journal of Pain誌に掲載されています。
Source: NORML NEWS
Study: No Increase In Problematic Cannabis Use
Thursday, 25 February 2016
翻訳とコメント:なみ
これも、大麻の大きな効果のひとつですね。同時に製薬会社などの既得権益が取り締まりを後押ししているという説も納得できます。
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