カリフォルニア州のガンジャ産業は隆盛を極めているようで、その実態はいい加減な行政と、一部の投資家、そして多くの活動家のおかげで混乱している。ディスペンサリーなどで売られているガンジャも、卸値の安さが中々小売価格に反映されない。大麻のパッケージングや摂取方法も大きく変わってきているが、商品の装飾が豪華になるのは、いかなる新発展産業にも見られる傾向らしい。
カリフォルニアの大麻をめぐる混乱の一番の原因は、そもそも医療大麻を合法化するために施行された住民初議案215号の表現が曖昧であったため、各自治体がそれぞれの行政区で独自のルールを制定していいことになったからである。つまり、郡や市が医療大麻の栽培や流通、販売に関するルールを決めていいのだ。これには、それぞれの自治体で、何株までの大麻を育ていいか、という裁量権も含まれる。そして、郡の取り決めが市の条例に違反していたり、その逆もあったりで、非常にわかり辛い。この問題を解決するための新たな法律もジェリー・ブラウン州知事によって制定されたが、この法も明確さに欠けるところが多く、また患者による栽培行為を著しく制限するので、批判の対象となっている。大麻の栽培や摂取が医療行為である、という認識が今の政治家に足りないのではないか。
11月には、大統領戦と共に娯楽用大麻が住民投票にかけられる。AUMA(Adult Use of Marijuana Act)と呼ばれる本法案は、さる新鋭の企業家の出資によって賄われている。21歳以上の成人は、大麻を所持、使用、栽培していいという趣向だが、これまた表現が曖昧模糊としており、資本家にのみ都合の良い法案であるならば、私は大きく賛同できない。しかし、娯楽用の大麻が法律に触れるという現状よりは幾分かマシであろう、というのが一般的なセンチメントではないか、とも思う。
大統領戦といえば、民主党のヒラリー・クリントンは、大麻を規制物質法のスケジュール1からスケジュール2に改正すると公約している。スケジュール1の規制物質の定義は、乱用の危険性が著しく高く、医療的価値が皆無である、とされている。大麻がスケジュール2になれば、連邦レベルでの研究や、医療行為が容認されるという意味である。もっと頼もしいのはバーニー・サンダースで、同氏は大麻をスケジューリングそのものから除外すると公約している。大麻を自由にするとは、正にこういうことである。
そして、ひたすら残念なのが共和党の面々である。トランプもクルーズもケーシックも大麻にはあまり寛容でない。しかし、共和党の候補全員が、州の決定したことに、連邦政府が口出しすべきでないとも述べている。アメリカ連邦政府は、新大統領が決まると、マリファナへの締め付けが厳しくなる、という傾向がある。新大統領が大麻に寛容であればいい。
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