2015年1月8日(木)
オーストラリア・シドニー: 『薬物・アルコール依存』(Drug and Alcohol Dependence)誌オンライン版において、印刷版に先立って公表されたデータによると、慢性疼痛患者は高い頻度で鎮痛薬として大麻を服用しているが、その多くが、大麻によってオピオイドの鎮痛効果が向上することを実感しているという。
豪州と英国の研究者らからなる研究チームは、非がん性慢性疼痛(CNCP)の治療にオピオイド系鎮痛薬を処方された豪州国民1,514名のコホートにおける大麻の使用について評価。
調査対象者6名中1名(16%)が疼痛の緩和に大麻を使用していることを認めたと報告した。また、全回答者の25%が疼痛緩和にぜひ大麻を使用したいが、大麻の入手が困難であることを認めている。
疼痛に大麻を使用している患者らのうち、処方の鎮痛薬と大麻を併用することで得られる鎮痛効果の平均は70%であった(「100%」は完全な疼痛緩和を意味する)。一方、処方薬のみで得られる鎮痛効果の平均は、50%に留まった。
結論によると、「この結果により、ユーザの観点から、大麻を優れた疼痛緩和の補助薬と見なすCNCP患者は非常に多いことがわかる。(中略)疼痛緩和のための大麻使用はCNCP患者に普及しているようで、患者らは、オピオイド系鎮痛薬のみを使用する時よりも、大麻と同薬を併用する方が疼痛緩和を実感していると回答した」。
今回の調査結果は、2011年に行なわれた臨床試験で報告された結果に類似している。同試験では、大麻の服用により、慢性疼痛患者における鎮痛効果が向上することが証明された。
また、昨年公表された別のデータでは、鎮痛薬として大麻がより広く受け入れられたことで、結果的にオピオイド関連の過剰摂取による死亡者数が減少したことがわかっている。また、『米国内科医学会ジャーナル』(JAMA Internal Medicine)のある報告によると、各州の医療大麻法の施行により、オピオイドの過剰摂取による死亡率は年々減少している。特に、法施行後の1年で、オピオイドの過剰摂取による死亡率は平均20%、2年で25%、施行5年後と6年後には33%未満の減少が見られた。
詳しい情報は、NORML副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Experience of adjunctive cannabis use for chronic non-cancer pain: Findings from the Pain and Opioids IN Treatment (POINT) study" は、Drug and Alcohol Dependence 誌に掲載されています。
Source: NORML NEWS
Study: Pain Patients Report Cannabis Augments Efficacy Of Opiate-Based Medications
翻訳とコメント:なみ
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