2015年2月19日(木)
ドイツ ドレスデン: 『ネイチャーー科学レポート』(Nature: Scientific Reports)誌で公表されたリスク評価研究の結果によると、大麻の使用による健康リスクは、「過大評価される」傾向にあり、アルコールの使用による危険性は「一般的に過小評価されている」という。
ドイツとカナダの研究者らからなる国際研究チームは、ヒト暴露後の毒性レベルをもとに、アルコール、タバコ、アヘン剤、大麻、コカインなど、さまざまな薬物について、相対リスク評価を行なった。報告によると、大麻は、評価対象となった薬物の中で最もリスクが低く、アルコールは最も高かった。
結論では、この結果は、「違法薬物よりもむしろアルコールやタバコにリスク管理を優先すべきと指摘」しており、大麻が低リスクだと分類されたから、「現在のような禁止政策ではなく、むしろ厳しい規制アプローチを行なうべきである」とした。
詳しい情報は、NORML副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "Comparative risk assessment of alcohol, tobacco, cannabis and other illicit drugs using the margin of exposure approach" は、以下のサイトに掲載されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4311234/
Source: NORML NEWS
Risk Assessment Study: Cannabis' Purported Dangers Have Been "Overestimated"
翻訳とコメント:なみ
2008年のデータを基にした厚生労働省の推計では、アルコールの飲み過ぎによる社会的損失は年間4兆1483億円に達するとのこと。 内訳は、肝臓病・脳卒中・がんなど飲み過ぎによる病気やけがの治療に1兆226億円。 病気や死亡による労働損失と、生産性の低下などの雇用損失を合わせて3兆947億円。 自動車事故・犯罪・社会保障などに約283億円。大麻の本当の危険性を鑑みると、大麻による社会的損失は、アルコールに比べるとはるかに少ないと思います。内訳のうち同等程度かと思われるのは「生産性の低下」くらいで、全体的にみてアルコールの3分の1に満たないのではないでしょうか。
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