2016年6月23日(木)
マサチューセッツ州ボストン: オープン・アクセスのPLoS ONE誌において公表された臨床結果によると、大麻の吸入により双極性障害(BPD)患者の臨床症状が緩和するという。
ハーバード大学医学大学院とボストン マクリーン病院の研究者らは数週間にわたって、BPD患者における心的状態と神経心理機能の働きに対する大麻吸入の影響について評価した。
報告では、大麻吸入後、うつ状態、躁状態、憤怒、不安など、BPD患者の臨床症状のレベルは減少したとされた。認知テストの中には、健康な対照群に比べて、大麻ユーザの被験者らの方が明らかに劣るものもあったが、大麻の経験がない、同等なBPD患者に比べると違いはなかった。
結論によると、「大麻ユーザであるBPD患者の、大麻吸入前後の直接分析では、憤怒、緊張、うつなどについてスコアが大幅に低くなり、気力のレベルが高くなるなど、喫煙後4時間以内に症状が大きく緩和したことが明らかになった。(中略)認識能力に関して、大麻喫煙者とBPD患者は全体的に、健康な対照群に比べて能力が低かった。しかし、BPD患者は、大麻の使用有無に関わらず、何かしらの障害が見られた。(中略)まとめると、これらの結果から、大麻の使用が一部のBPD患者にとって短期間の心的状態安定剤になり、大麻の使用には、BPD患者における認識能力に対して中毒的、もしくはマイナスの影響がないことがわかる」。
この研究は、BPD患者の心的状態や認識能力に対する大麻の効果をテストした初めての臨床試験である。
双極性障害は、米国で570万人もの成人に影響を与えると考えられている。
詳しい情報は、NORML副事務局長ポール・アルメンターノ(paul@norml.org)にお問い合わせください。この研究の全文 "A pilot investigation of the impact of bipolar disorder and marijuana use on cognitive function and mood" は、オンライン版PLoS ONEに掲載されています。
Source: NORML NEWS
Canada: Rising Popularity Of Medical Cannabis Among Veterans Associated With Declining Opioid Use
翻訳とコメント:なみ
睡眠薬や精神安定剤、双極性障害に処方される多くの薬物も、副作用が強いと聞きます。十分な知識と少しの善意があれば、既得権の保護は傍に置いて、せめて臨床試験だけでも法的に認めてもらうように動くのでしょうが。
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