「マリファナはなぜ非合法なのか?」の翻訳者、三木直子さんが「大麻草でがんは治せるか?: 植物性・内因性カンナビノイドの抗がん作用――最先端の研究と臨床例」という著作の翻訳をされたそうです。大麻と癌について関心のある方にはとても参考になりそうです。私も購入して読んでみます。
以下、amazonの紹介文から転記。
本書は、大麻草に含まれるカンナビノイドを使ったがん治療の可能性に関して、世界各国で進む前臨床研究と実際の臨床例をまとめ、アメリカで自主出版された『Cannabis for the Treatment of Cancer』の日本語版です。
大麻草が昔から世界各地で病気の治療に使われてきた、という事実は、さまざまな文献から明らかになっています。日本でも第2次世界大戦の前までは、「印度大麻草」と「印度大麻エキス」が鎮痛、鎮静、睡眠剤として販売されていました。ところが 1945年の終戦後、GHQ の命令によって大麻取締法が制定され、現在は、嗜好品としてはもちろん、医療用に使うことも、それどころか研究することさえ許されていません。
アメリカでも 1937年以降大麻草の使用が禁じられましたが、1996年にカリフォルニア州で住民投票によりプロポジション215が可決されたのを皮切りに、再び医療大麻合法化の波が起こり、現在、25州とワシントンDCで合法であるほか、2013年以降、CBDに限って使用が認められた州もその他に 16州あります。
カリフォルニア州で医療大麻が合法化される2年前、1994年に、イスラエルのラファエル・ミシューラム博士らが、人間の体内には「エンドカンナビノイド・システム」があることを発見しました。人体には、大麻草に含まれるカンナビノイドという化合物と同じ性質を持つ内因性カンナビノイドと、それが結合して作用する受容体が存在するのです。このことがわかると、大麻が人体に影響を及ぼす、その作用機序に関する研究は新時代を迎えました。エンドカンナビノイド・システムは人体のホメオスタシスを司る重要な系であり、カンナビノイド受容体が体じゅうに存在していることを考えると、大麻にさまざまな医療効果があっても不思議ではないのです。現在、世界中で、さまざまな疾患に対してカンナビノイドがどのように作用するか、その研究が盛んに行われています。
一方、リック・シンプソンという一人のカナダ人が、大麻草全草から有効成分を抽出・濃縮したオイルで自分の皮膚がんを治し、大麻草オイルでがんが治ると主張し始めたのは 2000年代初頭のことです。彼はそのオイルの作り方をネット上で公開し、大麻草オイルを試した人の中に、どうしてなのかはわからないけれど、医者がさじを投げたがんが治ってしまった、という人が続出したのです。
エンドカンナビノイド・システムの解明が進むにつれ、大麻草オイルでがんが治るのはなぜなのかが少しずつ明らかになろうとしています。「なぜなのかはわからないけれど治ってしまった」人たちの後を追いかけるようにして、現在、猛烈な勢いで、その作用機序を解明するための研究が進んでいるのです。つまり医療大麻研究の矛先は今や、がん治療に関して言えば、「がんの苦痛をやわらげる」から「がんを治す」という第2のフェーズに移行しつつあると言えます。
本書は、第1章でエンドカンナビノイド・システムについて、また内因性カンナビノイドとがん治療の関係について説明したあと、第2章で、がん治療における植物性カンナビノイド、つまり大麻草の有用性に関する世界各国の研究の成果を要約し、第3章では、大麻草抽出物でがんが寛解した、あるいは完治した、という実在の方々の体験談をまとめています。
三木さん、グッドジョブです。
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