ニュース記事を読んでいて、ときどき文章の流れに引っ掛かることがある。意味が取れずに立ち止まる。例えばテレビ朝日の報道。
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麻生大臣は、韓国側からの要請で一度は終了したスワップの再開交渉が始まった経緯について改めて強調しました。
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http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000091787.html
「韓国側からの要請で一度は終了したスワップ」という表現は、そのまま読めば、「韓国がスワップの終了を要請した」と私の脳みそは理解する。が、実際は、ギクシャクした日韓関係を反映してか、期限が切れるスワップ協定の延長を日韓双方が望まなかったから、一度は終了した。
このスワップの問題、韓国との協定がなくても日本は困らない。だから麻生財務大臣はあっそうってんでスワップ協定の延期ナシを受け入れた。が、やはりスワップ協定を再開したいと言ってきたのは韓国。引用した記事の文では、韓国が要請したのは、交渉の再開ではなく、スワップの終了のように読めてしまう。
引用した記事に、一箇所、句読点を入れると、まだ分かりやすいと思う。
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麻生大臣は、韓国側からの要請で、一度は終了したスワップの再開交渉が始まった経緯について改めて強調しました。
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形容句の場所を変えるともっと分かりやすいと思う。
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麻生大臣は、一度は終了したスワップの再開交渉が、韓国側からの要請で始まった経緯について改めて強調しました。
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日韓スワップ協定が一度は終了したものの、韓国からの要望で改めて協議が始まったという経緯を知らないと、引用した記事は誤った理解を視聴者・読者に与えそうだと思った。韓国からスワップやめようって言ってきんじゃねーのかよ、何だ今さら、みたいな、ネトウヨ的誤認を含めて。
この記事に限らず、このような意味が不明瞭なニュース記事によって、事実誤認している視聴者や読者の数は、実は相当数いるのではないだろうか。
日本語は論理的ではない、などと言う人がいるけど、論理的な日本語が書けないプロもいる、というに過ぎないだろう。そもそも、論理的でない言語など、成立するだろうか。
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