最高裁への異議申立が早くも棄却されました。弁護士が指摘した通り、内容についての吟味などしていないのでしょう。決定文が弁護士から届きましたので掲載します。
日本では三権分立など機能していないことを最高裁自身が認める決定文です。
上告趣意書において、弁護士は市民的不服従の権利について次のように論述しています。
「正常な憲法秩序下にあって個別的な違憲の国家行為を是正し、抵抗権を行使しなければならない究極の状況に立ち至ることを阻止するものとして注目されている。」
科学的根拠に基づいた膨大な証拠を挙げて大麻取締法の違憲性を主張したにも拘らず、司法はその内容に一切言及することなく、「理由がない」の一言で訴えを退けています。このようなあり方は、司法自らが「抵抗権を行使しなければならない究極の状況」を招き寄せるものでしょう。
藤田宙靖裁判長は2002年の就任記者会見で次のように述べたそうです。 (日本民主法律家協会http://www.jdla.jp/state/2003shinsa.html#fujitaより引用)
「裁判所は従来にも増してアカウンタビリティー(説明責任)を課せられている。そのことを絶えず頭におきたい。」
この言葉は、桂川さんの上告において果たされたと言えるでしょうか。むしろ「理由がない」の一言で説明責任を放棄し、裁判を受ける権利というのはこの程度の意味しかないという司法への幻滅を強化したのではないでしょうか。
この決定文に名を連ねている判事は以下の通りです。最高裁サイトから「裁判官としての心構え」の引用を付しておきます。
藤田宙靖/絶えず,「何故そうなのか」を問いつつ,そうした結論になった理由をできるだけわかりやすく説明するよう心がけながら,裁判に臨みたいと思います。
濱田邦夫/サービス機関としての裁判所が,より適切な判断と迅速な審理を行えるよう,制度改革と並んで,絶えず現状の改善に努めることが必要と思っています。
上田豊三/最高裁へ提起されてくる一つ一つの事件の当事者の声によく耳を傾け,最高裁として取り上げるべきかどうかを冷静に,公正に,迅速に,叡智と勇気をもって判断していきたい。
堀籠幸男/最高裁に申立てをする当事者は,それぞれ特別の思いを持って臨んでいると思いますので,その思いを受け止め,一つ一つの事件を大切に慎重に扱いたいと思います。
桂川さんの主張とこの最高裁宦官のどちらが正しいのか。それは必ず歴史が証明するでしょう。「それでも地球は回っている」のだから。
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