近畿厚生局麻薬取締部課長への電話インタビュー

投稿日時 2006-05-23 | カテゴリ: 厚生労働省との対話

昨夜日本テレビ系列で放送された「アンテナ22」という番組「潜入!覚せい剤捜査麻薬GメンVS密売人」に、近畿厚生局麻薬取締部(通称キンマ)課長井口氏が顔を晒して出ていた。
番組が扱ったのは覚せい剤で大麻の話ではなかったが、この麻薬Gメンの親方が大麻取締法の在り方をどう考えているのか聞きたくて、キンマに電話した。だが、井口氏は4月に九州厚生局に異動になったとのことで、対応してくれたのは後任の瀬戸課長という方だった。
 
私は大麻取締法被害者センターという活動を行っており、この電話インタビューはネット上での公開を前提としていることも伝えた。次の3点について聞いた。
 
1.海外での大麻の取締状況をご存知か。
2.現在の日本における大麻の規制をどう考えているか。
3.医療的に大麻を必要としている者を逮捕することが正当だと思うか。
 
話を聞いて驚いたのは、麻薬Gメンの課長ともあろう者が、海外での扱いについて、あまりにも不勉強であることだった。デンバーでの合法化も、欧州での軽度の罰金制のこともご存知ないという。「不勉強で申し訳ありません、詳しいですね」と言われてしまった。
 
他の先進国に比べても日本の大麻規制は異様に厳しいと私は思うが、その点については、「覚せい剤の罰則に比べたら厳しくないし、特に厳しいとは考えていない、法律は守るべき」とのこと。私は遵法精神を否定するつもりはないが、では仮に、現在国会で問題になっている共謀罪や、あるいはそれよりもひどい人権侵害法が成立したとしても、瀬戸課長自身は仕事だということでその法に従うのかと聞いたところ、そうだという。どんなひどい法律でも、仕事だったら従うということは、つまり、人権よりも悪法を優先するということに他ならないが、それが捜査当局者としての心構えなのだろう。彼らが守っているのは国民ではなく、体制である。
 
医療的な観点からは、各国での研究が進み、すでにカナダなどでは認可された大麻薬を制度的に利用できるが、瀬戸課長はサティベックスの存在もご存知なかった。本当に不勉強なことである。
本当に大麻を必要としている病人がいて、大麻を使用していた場合、現行法では逮捕の対象である点について考えを聞くと、「使っていたからって必ずしもすぐ逮捕とは限らないでしょ」という微妙な回答だった。
大麻には使用罪がないからかと重ねて問うと、「いろいろな状況にもよるし」と、明確な表現を避けるような言い回しだった。いくらなんでも、自分の病を癒すために大麻を使っている病人までも問答無用に逮捕することは人道的にまずいと考えているように察せられた。捜査当局としては、本当の病人だったら逮捕しないとまでは言えないのだろう。
 
しかし、瀬戸課長、本当に不勉強なことである。
「私ももう少し勉強します」とのことだったので、資料をお送りしますと申し出たが、ご自身で収集するから送らなくていいとのことだった。
 
本当にちゃんと勉強してほしいものだ。
ご多忙のなか、井口さんの身代わりに、丁寧に対応して頂いたことについては感謝します。






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