カナビス・スタディハウスに掲載された記事、「バポライザー新研究、医療カナビスに対する最後の反対理由を完全粉砕」は、医療大麻を考えるうえでとても重要な内容を含んでいると思います。文字通り医療大麻批判への完全回答という意味を持つのではないでしょうか。
元気溌剌な大塚製薬が米国でサティベックスの開発販売権を得ましたが、日本では大麻の研究すらアホな法律で厳しく規制しており、占領国である米国でいいものがなぜ属国の日本でダメゼッタイなのかを問う点では意味がありますが、そもそもサティベックスは大麻そのものを規制する口実にされかねない、むしろ利潤第一の製薬会社や、天下り先確保と保身第一の厚労省当局は、それを意図した展開を図ってくるだろうと予想されます。サティベックスの社会的副作用には強い警戒が必要だと思います。
カナビス・スタディハウスの先日の記事、「レスター・グリンスプーン博士 医療カナビスとサティベックスを語る」と併せて読めば、サティベックスを認めて大麻そのものを認めない非科学的な態度は、「オレンジジュースはいいけどオレンジはダメ」と言うに過ぎないことが良く分かります。
これまで大麻そのものを医療的に用いることへの批判として、大麻を燃焼した際の煙や一酸化炭素の弊害が大きいからダメだという論点がありました。ボルケーノという商品名のバポライザーは、このような批判を真正面から完全に打破するものです。
厚労省は、大麻有害論の根拠として、カビの生えた非科学的な似非研究レポート「大麻 依存性薬物情報研究班(昭和62年3月)」(*pdfファイル 5.69MB)を挙げていますが、いつまでこんなデタラメ情報が通用すると思っているのでしょうか。
同レポートには大麻が知的退行につながるとして、29歳の男性のひらがなばかりの手紙を例示していますが、これは医師のフロッガーさんが論駁した通り下記のような事例です。
この手紙は、精神医学31(9);p919-929, 1989.「 大麻精神病の6例」徳井達司ら、からの引用である。
この論文は少数例の症例報告であり疫学的検証(注)は不可能で、この論文を一般に当てはめることは出来ない。つまり、それがたまたまその人に起こったものなのか、それとも誰にでも起こる事なのか結論を出すことは出来ない。
これをあたかも誰にでも起こりうることとして公式な文書に掲載することは問題と考える。
さらに、内容について詳しく検討したい。
この手紙を書いた人の経過がどのようなものであったのかについて一部引用すると、
「当時29歳の男性。20歳時にデザイナー専門学校を中退後、米兵と知り合い大麻を経験するも継続はせず数回で止めた。23歳、東南アジア旅行をきっかけに大麻を再開。24歳の時に1kg持ち込もうとして逮捕される。26歳、友人に誘われLSD使用し再逮捕。その後表情が暗く寡黙になり性格も変わった。28歳時、タイで急性ヘロイン中毒となり現地の病院に入院。その後窃盗容疑で逮捕、その時に自殺未遂。日本に強制送還され入院となった。その時には奇声を発したり、トンチンカンな言動が見られた。悪口を言う幻聴があり。入院後に言動が整ったが幻聴は持続したとのことだが逮捕を逃れる為なのではないかという不審がもたれた。」
このような経過の人が、書いた手紙である。
Dr. フロッガーのブログ「大麻でひらがなばかりの手紙になるか」
このようなデタラメなことを、平然と、税金を使って行う厚生労働省。
厚労省は日本の恥であり、恥部です。
ああ恥ずかしい。穴があったら入っててもらいたい。
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