「大麻は消して」を消さない産経新聞(2)

投稿日時 2006-10-28 | カテゴリ: 産経新聞の大麻報道との対話

産経新聞のインターネット版 Sankei Webに、10月26日、東京朝刊からの記事、【「大麻」は消して!ネット有害情報削除に指針 総務省】が掲載された。

書き出しは次の通り。

わいせつ情報や麻薬などインターネット上に氾濫(はんらん)する違法・有害情報の削除方法を検討していた総務省は25日、ウェブサイトの管理者が削除しなければならない情報の具体例を列挙し、どの法律に抵触するかなどを明示したガイドラインを作成した。今後、業界などから意見募集を行い、11月末をめどにガイドラインを公表する。

この記述は極めて不正確です。
総務省の担当に確認したところ、ガイドラインは総務省が策定するのではなく、電気通信事業者4団体(社団法人電気通信事業者協会、社団法人テレコムサービス協会、社団法人日本インターネットプロバイダー協会及び社団法人日本ケーブルテレビ連盟)が策定するもので、総務省は現行法に照らした判断基準を指針案として例示したに過ぎません。産経の記事タイトルにあるような、「大麻は消して!」などといった個別的な単語にまで総務省が規制をかけるようなことはあり得ません。総務省の担当も、「そうだとすれば薬物乱用の防止を広報するホームページもダメだということになってしまいますし」とのこと。

産経の記事に、「今後、業界などから意見募集を行い、11月末をめどにガイドラインを策定する」とありますが、この一文には主語がありません。文章の流れからすると、総務省が業界などから意見募集を行いガイドラインを策定するかのように読めますが、実際は、意見募集を行う主体は業界4団体であり、策定するのも業界4団体であり、それは総務省発表の報道資料にも明記されています。

インターネット上の違法・有害情報へのプロバイダ等の自主的対応を支援する取組

今般4団体は、インターネット上に掲載された情報の違法性の判断基準及び送信防止措置等の手続を定めた「インターネット上の違法情報への対応に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」といいます。)並びにプロバイダ等が違法・有害情報に対して契約約款に基づく自主的な対応を行うための「違法・有害情報への対応等に関する契約約款モデル条項」(以下「モデル条項」といいます。)を策定することになりました。
つきましては、ガイドライン案及びモデル条項案について、4団体による意見募集が、本日から本年11月15日(水)まで行われることとなりましたのでお知らせします。
総務省としては、これらの取組を通じて、プロバイダ等によるインターネット上の違法・有害情報への適切かつ迅速な対応が促進されることを期待しています。

上記の通りです。
「総務省としては、これらの取組を通じて、プロバイダ等によるインターネット上の違法・有害情報への適切かつ迅速な対応が促進されることを期待して」いるとあります。
それを、産経は、まるで総務省が「大麻」など規制薬物の個別的な表現そのものの規制に乗り出すかのような記事にでっちあげています。

これが言論機関のすることだろうか。
大問題ではないのか?

記事のタイトルにわざわざ「大麻は消して!」と書くダメゼッタイ的メンタリティーは、権力より先回りして言論弾圧のお先棒を担ぐ御用新聞にふさわしいのかもしれないが。

総務省の担当者さえ「この記事は不正確」であり「どうしてこういう記事になってしまったのかは分りません」と言っている(録音もある)。

このデタラメ記事を修正するよう産経新聞読者サービスに電話したが、まあ電話に出て対応した男の態度も実に横柄だった。明らかな誤りを報じているのに訂正する気がないという。

産経新聞は言論弾圧のお先棒を担ぐデタラメ記事を平然と書き、指摘されても横柄な態度で修正もしない。
言論の自由に無自覚な産経新聞及び同社の出版物の不買を、大麻の規制緩和を求める人たちだけにではなく、言論の自由を大切に思う全ての人に訴えたい。






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