大麻に関する広告(1)

投稿日時 2007-07-06 | カテゴリ: 厚生労働省との対話

大麻取締法第4条は、何を根拠にしたのやら、大麻の医療利用を禁じている。また、大麻に関する広告を行うことも禁じている。

大麻取締法
第四条  何人も次に掲げる行為をしてはならない。
 一  大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)。
 二  大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。
 三  大麻から製造された医薬品の施用を受けること。
 四  医事若しくは薬事又は自然科学に関する記事を掲載する医薬関係者等(医薬関係者又は自然科学に関する研究に従事する者をいう。以下この号において同じ。)向けの新聞又は雑誌により行う場合その他主として医薬関係者等を対象として行う場合のほか、大麻に関する広告を行うこと。
2  前項第一号の規定による大麻の輸入又は輸出の許可を受けようとする大麻研究者は、厚生労働省令で定めるところにより、その研究に従事する施設の所在地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に申請書を提出しなければならない。

広告に関しての罰則は25条で定めらている。

第二十五条  次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 一  第四条第一項の規定に違反して、大麻に関する広告をした者


「大麻に関する広告」を禁じるとは、どういう意味だろう。

大麻についてブログなどに書いたりすることは、この規定に違反することになるのではないか、という疑問を聞くことがある。
大麻取締法第4条1項4号を読む限りでは、大麻に関して広告することが禁じられているのだから、大麻の良さや毒性の低さを広告しているこのサイトも大麻取締法違反ということになるのだろうか。
そうだとすれば、麻薬防止センターの「ダメ。ゼッタイ。」ホームページなどは根拠もない大麻情報を税金を使ってまで広告しているのだから、責任者はとっくに逮捕され、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金のはずである。だがお元気そうで何よりである。

憲法は言論の自由を認めている。私の裁判では、検事が論告で次のように述べている。

被告人は「大麻はタバコやアルコールより依存性等の害悪が少なく、医療分野での活用や個人使用は認められるべきだ」との信念から犯行に及んだ旨供述しているところ、被告人が大麻についていかなる考え方を持とうと被告人の自由であり、大麻取締法の違憲性を主張してその改廃を求める運動を展開するのも何ら非難されるべきことではない。

検事は思想や表現の自由を認めている。ところが裁判官は判決で思想と良心の自由を踏みにじっている。

被告人は、捜査、公判を通じて、大麻取締法の非合理性を主張するなど、その態度はよくなく、その刑責は到底軽視し得ないものである

裁判所は、大麻取締法の非合理性を主張することを態度が悪いと断定し、違憲性の主張を弾圧している。裁判所のお代官様は、お上に盾突くのはけしからんと言うのである。
桂川さんの裁判では、弁護側が第4条1項4号の違憲性を指摘したのに対し、判決はこう述べている。

大麻に関する広告を制限する大麻取締法4条1項4号,25条の規定は,本件大麻の営利目的の譲渡,栽培及び所持に関する大麻取締法の規定とは別個の独立した規定であるから,仮に大麻取締法4条1項4号,25条が,憲法に違反しても,大麻取締法が全体として違憲であるとはいえないし,本件に関係する大麻取締法の規定が違憲であるともいえない。

第4条1項4号と25条が違憲でも、全体が違憲ってわけじゃないし、いいじゃん。
大阪高等裁判所のお代官様はそう言うのである。

桂川さん裁判の直後のMHさん裁判では、大麻の有害性の低さを主張する立論があることを高松高裁は認めている。

大麻の有害性については,多様な見解が存するところ,国民の福祉を向上,増進すべき責務を負っている国としては,国民に対する明らかな害悪を除去すべき責務を負うことはもちろんであるところ,その害悪の存否について,前記のとおり,異なる議論の存する大麻の場合であっても,その有毒性を肯定する研究が存在し,人体に対し害悪をもたらす可能性が否定できない以上,国民の福祉を向上,増進するという公共の福祉の見地から,大麻の栽培や所持を規制することには合理性を認めることができる。

(こいつらアホでっせ)
「有毒性を肯定する研究が存在し,人体に対し害悪をもたらす可能性が否定できない以上」、規制は合理的? ・・・お代官様、アルコールやタバコはいかが致しましょう?

大麻取締法で禁じている「大麻に関する広告」について、法務省と厚生労働省に電話して確認しました。(つづく)






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