参院選に向けて各政党に公開アンケートを行いたいと思いながら、選挙まであと10日になってしまった。
アンケート項目をどのように設定するか考えていて思ったのは、まず、私たち自身が、具体的にどのような大麻政策を望むのか、それを明らかにする必要があるだろうということだった。
実現可能で具体的な大麻政策。それはつまり大麻政策のマニフェストを考えるということだ。
例えば、「大麻取締法即時撤廃」を主張しても、将来のことはいざ知らず、現時点では政策として実現可能性が極めて低いだろう。各薬物をどのように規制管理するかは批准国の裁量に依るとしても、国際条約の枷もあり、その国際条約から脱退せよなどという主張はますます実現可能性が低い。
大麻のさまざまな可能性を活かせる日本社会にするには、どのような大麻政策が望ましいか。どのような方法であれば実現可能か。大雑把ながら、今後の議論の叩き台として考えてみた。
◇薬物政策の理念
「大麻で逮捕しないでほしい」という私たちの主張は、薬物政策のあり方を問うことでもある。
アメリカの厳罰政策「Just Say No」を翻訳しただけの「ダメ。ゼッタイ。」はうまく機能しているだろうか。
誰にも危害や被害どころか迷惑すらかけていない者たちを懲役刑にして刑務所を一杯にする社会的必要があるだろうか。それこそ税金の無駄遣いではないだろうか。
例えば、覚せい剤には使用罪があるので、逮捕されることを恐れ、中毒になった者が医者に診てもらうことを躊躇する。結果として、覚せい剤で意識が錯乱した者による凶悪な犯罪にもつながってしまう。
薬物政策を、その理念から根本的に見直す必要がある。薬物中毒者に必要なのは懲役ではなく治療である。
◇大麻政策
嗜好目的で喫煙しても、大麻にはアルコールやタバコほどの毒性はない。
また、癌を抑制する効果を含め、多くの疾病に大麻が効くことは海外の研究機関が明らかにしている通りだ。
個人的な大麻利用としては、嗜好目的だけでなく、予防医学的な、あるいは治療目的としての利用もありうる。
個人的な利用、医療的な利用、産業的な利用、それぞれの観点から大麻の可能性を活かすために、現行法の「大麻取扱者免許」制度の運用を改善する。
現行法では、一定の要件を満たせば「栽培者免許」や「研究者免許」の交付を受けることができるように規定されているが、厚生労働省の役人は、現代の科学的知見、医学的知見を無視し、無意味な禁圧政策に固執している。(ホンマこいつらアホでっせ)
個人利用目的でも、医学的な研究目的でも、産業目的でも、現行法の要件を満たしていれば免許を交付すること。これは法改正を伴わずに、現行法に規定されている通りの運用を行えばできることだ。
大麻免許を持っていれば、一定の制限内で、栽培や所持を認める。それは社会的に管理するということであり、税収にもなる。
○大麻取締法4条の二と三は削除。
「ニ 大麻から製造された医薬品を施用し、又は施用のため交付すること。」
「三 大麻から製造された医薬品の施用を受けること。」
◇罰則規定の見直し
現行の罰則規定は重すぎるので、罰金刑を復活させる。
そもそも昭和38年の改正までは大麻取締法には罰則として罰金刑があった。所持・栽培・譲り受け・譲り渡しは、3年以下の懲役または3万円以下の罰金だった。
それが、当時流行して問題になっていたヘロインの規制を強化する流れのなかで、大麻取締法の罰則も厳しくなった。
大麻免許を持っていない者が所持・栽培・譲り受け・譲り渡しをした場合、罰金3万円。
そのくらいでいいんじゃねーのと私は思う。
個人利用でも、医療分野での利用でも、産業分野での利用でも、現行法の要件を満たしていれば、大麻栽培と研究の免許を交付すること。
大麻取締法の罰則規定を見直し、罰金刑を復活すること。
この2点を軸に大麻政策を考えてはどうだろう。
みなさんの意見を聞かせて下さい。
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