昨日引用した1977年の毎日新聞記事で触れられていた「マリファナおよび薬物乱用に関する全米委員会」(委員長・シャーファー元ペンシルベニア州知事)の報告は、下記で原文を読むことができる。
The Report of the National Commission on Marihuana and Drug Abuse
Marihuana: A Signal of Misunderstanding
Commissioned by President Richard M. Nixon, March, 1972
その要約はカナビス・スタディハウスで次のように紹介されている。
マリファナの大多数の使用者への害の可能性および社会に対する影響は、それを使う者を追求し厳しく罰するほど大きくはなく・・・現行の法と社会政策は、マリファナによって生じる個人及び社会へ与える害とのバランスを逸脱している。
カナビス主要報告書一覧
この委員会は、大麻の有害性を証明することを意図して組織されたものであり、「1970年初頭、マリファナを支持する勢力の拡大を恐れたニクソン大統領がその悪害を確認するために、絶対の自信を持って大規模なマリファナの調査を行った。委員13人のうち9人までを大統領自らが選ぶという念のいれようだった」(引用同上)という性質のものだ。
1970年代から既にこのようなアメリカ政府肝煎りで行われた報告が出ているのだ。その後の大麻に関する公的組織の研究調査報告などは、上述したカナビス・スタディハウスの一覧ページに紹介されている。
その後、アメリカでは13州が医療大麻の利用を議会で承認し、来年の大統領選挙の民主党候補者は全員が医療大麻を支持している。
原文:Ask Presidential Candidates About Medical Marijuana / Marijuana Policy Project カナビス・スタディハウスの翻訳と解説:アメリカ民主党大統領候補 全員が医療カナビス支持を鮮明に
イギリスでも科学技術特別委員会が大麻にはアルコールやタバコほどの害はないと報告し、薬物分類における大麻の位置付けをダウングレードしているが、日本のマスコミは大麻に関する公平な報道を行わず、取締当局が垂れ流す大本営発表のような情報を安易に、しかも大々的に続け、大麻に関してはまるで戦前の言論統制下のような状況だ。
大麻報道に関する日本の第四権力は、著しく公正さを欠くという点で、丸ごとナベツネ化しているように思われる。
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