本人による控訴趣意書(4)

投稿日時 2007-11-27 | カテゴリ: 祐美さん(大麻密輸の冤罪)

2.大学生時代の出来事に関して
一、チャールズ・ンナディ・チュクメワカとの出会い、そして付き合うに至る経緯

ラファエルが去り数カ月が経過した同年12月ごろ、友達に誘われてBというクラブに行きました。どうしても心にとりついて離れない虚しさをごまかしたい、気を逸らそうという弱い心の状態だったと、今は思います。男性とお付き合いするということに対して、右も左もわからない、無知な自分は、当時のやるせない気持ちや悲しみと、どのように折り合いをつけたらよいのか分かりませんでした。徐々に自暴自棄になっていた頃でした。本当に幼稚で浅慮な考え方をしていました。

その日は、12月5日だったと思います。化粧室に行った女友達を待っているときにンナディチャールズ・チュクメワカという男性に声をかけられました。チャールズが今回の事件に関係ある人物で、彼こそが、私に平成18年7月アムステルダムに行こうと言ってきた人であり、現地で私に今回の事件の缶詰を渡したのです。

彼と知りあった日、また外で食事でもしないかと言われたとき、私にとって彼は英語を話す練習相手になってくれるなら、友達として会えば良いだろうくらいに考えていました。あくまでも音楽を聴きに、そしてストレス発散、英語を話すためというのが元々の目的で、それだけでした。それゆえ、彼に話しかけられた時点で自分にはアメリカ人の彼氏がいること、そして彼は米軍に勤めていることなども話していました。私の説明に彼は納得して、その上で友達になってほしいと言ってきたので、何度か食事をしたりお茶を一緒に飲んだりするようになりました。チャールズは私に、
「自分(チャールズ自身のことです)は米軍の基地で働いている。オフィサーだ。」「国籍はアメリカだ」 などと話していました。最初の頃、二人で会話する際は英語を両方使っていました。彼の英語は流暢で、アクセントに訛りも感じられなかったので、彼の言葉を疑う理由も糸口も、私には思いあたりませんでした。私はチャールズの自己紹介を額面通りに受け取っていました。

そもそも、今回の事件によってチャールズに関する情報を弁護士さんから聞かされるまで嘘をつかれていたことも、全く知らなかったです。自己紹介で嘘を言う人がいるなんて、想像したこともありませんでした。
私はチャールズにありのままを伝えていました。ラファエルは平成16年の4月にもう一度日本に来ることが分かっていたので、そのことも、チャールズに話していました。チャールズは友人でしかありませんでした。しかしながら4月が近づくにつれてチャールズが
「自分は仕事上軍で働く人の個人データを見ることができる」
「ラファエルも情報ももちろん見られる」
と言ってきました。チャールズは私に米軍で人事担当の仕事をしていると話していました。ゆえに、仕事の性質上、米軍関係者の情報は、目を通せる立場にあるのだと言っていました。彼は平日だけでなく、土曜にも働くと言っていたり、コンピューターにとても詳しいのだと話したり、仕事で常にパソコンの画面を見ているからとても目が疲れる・・・といったふうに、自分の仕事のことを頻繁に口に出していたのです。仕事の過酷さや上司の愚痴をこぼしたり、とにかくチャールズの仕事は私たちの間でよく話題に上りました。加えて、チャールズの知り合いや友達にもアフリカンレストランやバーで会い、彼らもまた、米軍で働いていると紹介されたことも度々ありました。

以上のように見聞きしてきたので、私は彼の言葉、仕事に対する説明も事実であると認識していました。そして同時期、
「ラファエルは結婚している。離婚したというのは嘘だ。彼は今でも奥さんといっしょに住んでいる。君には隠している。騙されているのに気付かないなんて・・・」
と言い始めたのです。ラファエルが以前結婚していた、今はすでに離婚している、と、ラファエル本人。ラファエルの友達の口から聞いていました。だから、チャールズが言い続けることを激しく否定しました。そんなはずは無いと思っていたし、ラファエルを信じていました。

4月が来て、ラファエルが来日しました。やはり彼を非常に好きな自分に気付き、離婚しているというラファエルの言葉が真実なのだろうと思いました。しかし、2・3週間もすると、またしてもアメリカへ戻っていきました。1回目の別れよりもさらに苦しくせつないものでした。1回目の時は、次に再び会えることが分かっていて、その上でのしばしの遠距離でしかなかったのですが、2回目の際は今度会える日がいつなのか全く見当が付かずに分かれる状態でした。また一人の日々が始まり、精神的に不安定になりだし、孤独を感じ悲嘆にくれました。馬鹿らしく聞こえるのは百も承知ですが、私にとってラファエルは心から大切に思っていた人でした。悩むほど泥沼に陥り、心が寸々(ずたずた)になり、捨て鉢になっていきました。こんな離れた状態は自分には耐えられない、ラファエルにとってもこの状態はどうなのだろう・・・と、手におえない負の感情と、空間的な距離にどうやって対処したら良いのかと、陰気な自分が嫌でたまらず、今後どうしていくか、気持ち・態度をはっきりさせるべきなのだと思っていくようになりました。

一旦無理かもしれないと思い始めると歯止めがかからなくなり、別れるべきだという彼の言葉が正しいのだと思い込んでいきました。その時、近くにいたチャールズの「君の彼氏はまだ結婚している」という主張を信じていた私は、最終的にラファエルに別れたいと伝えました。それほどまでにチャールズを信用していた理由の一つに、チャールズがラファエルの名前を知っていたことが挙げられます。
と言うのも、前述した通り、私はチャールズに「彼氏がいます」と初対面の際伝えていましたが、「ラファエル」という名前を教えたことは絶対ありませんでした。そのため、会話の途中で
「彼氏の名前はラファエルだろう?」いる
と、チャールズの口から名前が出たとき、とても大きな衝撃を受けました。私のこの時の驚きは言葉では言い表せません。
「どうして知ってるの?」
と聞くと、
「前にも言った通り、私は軍で働いている人の個人情報が見られる立場にあるんだ」
と答えたので、その発言自体や自信満々の態度にさらに一層納得してしまいました。
その後しばらくすると、チャールズから何度も付き合ってほしいと話をされて、結局チャールズと付き合うことに決めました。






大麻報道センターにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://asayake.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=544