取調室には防犯カメラが必要だ

投稿日時 2007-12-07 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

茶箱の中身が大麻だと知りながら密輸入しようとしたという無実の罪で服役している久保田君と高藤さんは、二人とも取り調べで刑事に怒鳴られ、脅されたと話していた。
久保田君などは刑事に怒鳴り散らされ、泣き出してしまったそうだし、言ってもいないことを供述調書に書かれ、署名させられたという。
高藤さんも取り調べの当初から茶箱の中身が大麻であることなど知らなかったと言い続けたが、そのことは調書に書いてもらえなかったと話していた。脅しのような取り調べに折れ、高藤さんは裁判で裁判官に本当のことを言えば当然無罪の判決が出ると信じ、何を言っても聞き入れない刑事とのやりとりに嫌気がさし、仕方がないので調書に署名したそうだ。杜撰な取り調べと裁判によって、二人とも懲役3年6月の実刑が確定してしまった。
取り調べが適切に行われているかどうかを確認するためには、その様子を録画・録音しておくのが最善だろう。全くどういうことだか、取調室ではなく留置場でのことらしいが、想像を超えるような現実がある。
時事通信の記事。

2007/12/07-01:38 浦安署巡査長を逮捕=拘置女性にわいせつ行為-千葉県警

拘置中の女性にわいせつな行為をしたとして、千葉県警浦安署は6日、特別公務員暴行陵虐容疑で、同署刑事課巡査長の中村憲司容疑者(26)を逮捕した。「警察の信用を傷つけた。深く反省している」などと話し、容疑を認めているという。
調べでは、中村容疑者は浦安署で看守係として勤務していた3月15日ごろ、留置場内で、起訴後拘置中だった女性(22)の胸や下半身を触るなどした疑い。中村容疑者と女性はいずれも「お互いに好意を持っていたからやった」などと話しているという。
女性は留置場を出て4月以降、中村容疑者と交際していたが、夏ごろに殴られて頭部などに7日間のけがをし、10月に別れた。県警は傷害容疑でも同容疑者を調べる。
時事通信

まるで監獄風味の風俗店だ。
民主党が参院に提出した、取り調べを可視化するための法案が成立することを強く願う。

民主党:「取り調べ可視化法」参院に提出
民主党は4日、容疑者の取り調べの全過程を録音・録画(可視化)することを盛り込んだ刑事訴訟法の一部改正案を参院に提出した。自白の信用性を理由とする無罪判決が相次いでいることに加え、裁判員制度で市民の裁判員が自白の真偽を判断しなければならないことを考慮した。

民主党は06年3月、同様の法案を衆院に提出したが、審議は行われていない。優位を占める参院で可決して世論に訴え、慎重な議員が多い自民党を追い込んでいきたい考えだ。

今回の法案は(1)任意捜査も含め取り調べの全過程の録音・録画の義務付け(2)録音・録画がない調書が被告に不利な場合、証拠とすることはできない(3)検察官に対し、証拠品目を記載したリストを作り、公判前に被告側に開示するよう義務付け--など。録音・録画を巡っては検察は昨夏から一部事件で試行しているが、すべての事件と過程を対象にすることは否定的だ。【坂本高志】

毎日新聞 2007年12月5日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071205ddm012010074000c.html


冤罪は取調室で作られる。取調室にはこれまた風俗風味の覗き窓ではなく、防犯カメラが必要なのである。



のぞき窓:取調室に設置検討 警察庁
吉村博人警察庁長官は26日、取り調べ状況を外部から監視できるように、のぞき窓やマイクを付けることを検討していると明らかにした。この日東京都内であった全国公安委員会連絡会議のあいさつで述べた。

同庁によると、全国で約1万ある取調室には、容疑者の状況を確認するため、一部にのぞき窓やマイクが設置されているケースもあるが、取り調べ自体の監視を目的には設置されておらず、設置の有無について規則もない。同庁は今後、のぞき窓、マイクの設置状況を調査する。

富山県警が強姦(ごうかん)容疑などで逮捕し、服役を終えた男性が無実と判明した冤罪(えんざい)事件や鹿児島県議選買収事件で12人の被告が無罪判決を受けるなど、警察の取り調べのあり方が社会的に批判されていることを受け、同庁は取り調べのあり方の見直しに取り組んでおり、年内にも見直しの指針をまとめる。

これまでに、捜査部門でなく、別の部門の警察官が容疑者の聞き取りなどを通して取り調べを監督する新部門を設置することなどを固めている。吉村長官もこれまで「深夜・長時間の取り調べを原則禁止することを検討したい。やむを得ない場合は警察本部長や署長の承認を原則とするなど時間管理を厳格化したい」などと述べていた。【遠山和彦】

毎日新聞 2007年11月26日 20時06分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071127k0000m040058000c.html





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