一審無罪でもとりあえず牢屋へ

投稿日時 2007-12-15 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

無罪スイス人の勾留、最高裁が認める決定
2007年12月14日17時45分 朝日


一審で無罪判決を言い渡されたスイス人の女性被告(28)が東京高裁によって再び勾留された問題で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は、勾留の取り消しを求めた弁護側の特別抗告を棄却する決定をした。この外国人被告について「犯罪を疑う相当な理由がある」として勾留した東京高裁の判断は妥当だと結論づけた。

決定は13日付。

スイス人女性は昨年10月にスーツケースの中に覚せい剤約2.3キロを隠して輸入しようとしたとして、覚せい剤取締法違反と関税法違反の罪に問われた。

今年8月に千葉地裁が無罪を言い渡したため、検察側は控訴と同時に被告の勾留を地裁に申し立てた。地裁は勾留を認めたが、弁護側の抗告を受けた高裁第4刑事部は地裁の決定を取り消した。

その後、控訴審の審理を直接担当する高裁第5刑事部が職権で勾留を決定。弁護側の異議申し立てを受けた高裁第6刑事部も棄却したため、弁護側が不服として特別抗告していた。

同じ問題は、97年に東京都渋谷区で起きた女性会社員殺害事件のネパール人被告のケースでも問題となり、最高裁第一小法廷が00年に勾留を認める判断をしている。


このニュースを読んでまず思ったのは、そもそもこのスイス人女性は無実なのではないか、という疑いだ。この記事からは事件の詳細は分からないが、スーツケースの中に覚せい剤が隠されていたことなど、このスイス人女性は全く知らなかったのかもしれない。誰かに騙されたのかもしれない。上告中の祐美さんのように。だから、あの千葉地裁が無罪判決を出したのではないか。だが検察が控訴した。

この国の裁判は、被告が控訴しても高裁はあっさり審理もせずに棄却するが、検察が控訴した場合、高裁はほぼ検察の言いなりだ。何度そんな裁判に愕然としたことか。高藤さんのように、全くの無実であってもだ。

一審で無罪の判決が出たスイス人女性を、検察は、日本から出られてしまったら控訴審ができなくなるから牢屋に入れておいてくれと裁判所に言い、裁判所は、ハイ分かりましたと許可を出す。人権感覚の壊れた「検察官」「裁判官」という肩書きのファシスト。

このスイス人女性は、二度と日本などに来たくないと、怒りとともに感じているのではないだろうか。

「疑わしきは被告人の有利に」という刑事司法の原則があるとかないとか。まあ日本にはないのだろう。我が国では、疑わしきは、一審は無罪でもとりあえず牢屋にぶち込んどけ、という、戦前の特高警察(*1)的な悪しき正義が、官憲によって信じ込まれているのである。これを正義だと思ってやっているのであろうことが、何よりも怖い。

(*1)特高警察をWikipediaで読み、現官房長官の町村信孝の父は特高を指揮した内務官僚だったことを知った。な~るほど、人を見下したあの薄気味悪い横柄さはその血統にも理由があるのかと妙に納得である。

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