東京都健康安全研究センターのサイトには、「過去の不正大麻・けしの発生データ」が表で示され、平成11年から16年までの間に都内で抜かれた本数が書かれている。それによると、けしは件数も本数も大麻に比べるととても多い。
過日、この東京都健康安全研究センターに電話したところ、直接の担当は「東京都福祉保健局健康安全室薬務課麻薬対策係」だとのことで、そちらの担当の女性に話を聞いた。
Q:表を見ると大麻に比べてけしが圧倒的に多いが、そのけしは不正に栽培されているものなのか、自生しているものなのか、内訳はどうなっているのでしょう?
A:内訳の詳細までは手元にデータがありませんが、自生のものもあれば、誤って知らずに栽培していたケースもございます。ですから両方と考えたほうが良いと思います。
Q:どっちが多いのですか?
A:どちらかというと自生のほうが多いと思いますねえ。
Q:都内にけしが自生してるんですか?
A:しちゃうんです。かなり雑草のように力の強いものなんですね。けしも種類が何種類かございまして、その前のページにあるかと思いますが、セティゲルム種とソムニフェルム種というのがあって、セティゲルム種のほうは雑草のように種が飛び散ってどんどん広がっていくんです。ですので、誰かが栽培したという場所ではなく、山の中とか、道端とか、種が飛んでそこに生えてしまうケースというのがかなりあるんです。逆にソムニフェルム種のほうは栽培しないとなかなかうまく花が咲かないというのがありまして、きれいだということで広がってしまうということがあるんですよ。
Q:きれいなんですか?まあ写真を見るときれいですよね、確かに。
A:そうなんですよ。個人的には、植えていけないものでなければ栽培したくなるような立派なお花なんですね(笑)、でもそれも分かるんですがダメなんです(笑)。
Q:大麻は少ないですね?こちらも自生してるものがあるんですか?
A:そうですね、両パターンあります。
Q:大麻も不正に栽培されているものがあるということですか?
A:栽培は少ないと思います。ちょっと手元に点数がないものですから、正確にはお話するのは難しいかなと思うんですけれども。けしの場合は種が飛び散るということがあるんですね。で、大麻のほうはそれがあまりないものですから、それで本数に差が出ているんだと思います。
とのことだった。
しかし、「観賞用」の種ではなく、自生している大麻であれば、雌株だけでなく、半分は雄だろう。雄の花粉が飛び散ると、アッという間に雌が受粉して、種付きのバッズだらけになってがっかり、天ぷらにしよう、みたいなことになるのではないだろうか。
平成13年には195本が抜かれていて、自生ならその程度の本数は文字通り自然だと思うが、他の年は数件の事例全体で10数本程度しか抜かれていない。1件当たり10本以下だ。これは自生していたのではなく、誰かが植えたものではないのかなあ、という疑問が残る。
東京都では、小平市にある東京都立薬用植物園が、「観賞用」の種をネットやショップで購入し、THCを検出する実験なども行っているようだ。その実験経過がレポートされているが、またまた疑問が湧いてきた。
(つづく)
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