小平市に東京都薬用植物園という楽しそうな施設がある。ウェブサイトは東京都健康安全研究センターのドメイン下に置かれている。「山菜と間違いやすい有毒植物の見分け方」などの実用的な情報も公開されており、春から夏にかけて、うちの周辺でも採れるモミジガサが、有毒のヤマトリカブトと似ているとして写真が掲載されている。素人がやたらに採って食うと怖いことになりそうだ。
このサイトのトップページには次のように書かれている。
『薬草』というとなんだか古臭いイメージがありませんか?
でも実は『薬草』には、皆さんがお使いになっている医薬品の原料になっているものがたくさんあります。
美しい【ケシ】からは、痛み止めとしてなくてはならない【モルヒネ】が作られていますし、インフルエンザ治療薬として有名になった【タミフル】も【トウシキミ(ダイウイキョウ)】の果実の成分から合成されています。
またこのサイトの「♪ 東京ではここでしかみられない花・ケシ」というページには、医療関係者がモルヒネを十分に理解していないと指摘がある。
《がんの痛みからの解放》
1986年にWHOから「Cancer Pain Relif(がんの痛みからの解放)」というレポートが発表されて以来、国際的にモルヒネの鎮痛薬としての有用性が再認識され、その消費量が増大してきました。
日本でも、平成元年に発売された「硫酸モルヒネの徐放錠(じょほうじょう)」によってがんの痛みから解放された自宅療法が可能になりました。ところが、いまだがん疼痛(とうつう)緩和についての医療関係者の理解が十分とはいえず、厚生労働省・日本医師会などが中心となって、がんの疼痛に対するモルヒネなどの適正使用の普及が図られています。
モルヒネが癌の疼痛緩和に使われていることは、今でこそ多くの人が知っていると思うが、欧米に比べると日本での使用はまだ少ないらしい。医療関係者にも誤解があるという指摘は、医療関係者自身が運営する複数のサイトにも見られる。例えば「がんの痛みネット」や「がん緩和ケアマニュアル」。
同じような記述は、厄人の天下りのために存在するダメセンのサイトにもある。
WHO方式がん疼痛治療法が1986年に公表されてから20年が経過しました。この間、我が国のオピオイド製剤の使用量は少しずつ増加してきましたが、欧米諸国と比較するとなお低い水準にあり、がん患者の除痛は十分ではないと指摘されています。この主な理由として、医療関係者の間でWHO方式がん疼痛治療法が十分に知られていないことがあげられています。
確かにモルヒネというと、なんだか怖い麻薬といったイメージが今も根強くあるのではないだろうか。私自身も以前はモルヒネをアブナイ麻薬だと認識していたように思う。いったいこの刷り込み・思い込みはどこから来ているのか。有用な医薬品であるモルヒネなのに、どうして誤った認識が形成されてしまったのか。医療法人つくばセントラル病院のサイトには次のように書かれている。
モルヒネを鎮痛剤として適正に使用する限り、精神がおかされたり、依存性が出たりすることはありません。それにもかかわらず白眼視されてきた背景には、かってアヘンが社会問題だった遠い時代の歴史があることと、第2次大戦後に世界中で行われた麻薬撲滅キャンペーンの中で過剰に脅かされたことが大きな原因です。
第二次世界大戦後、麻薬撲滅キャンペーンが行われるなかで、白眼視され、過剰に脅かされ、結果として、誤った認識が社会に定着してしまったらしい。何のこと?
モルヒネだけではない。大麻も全く同じだ。今現在も尚、大麻については、「麻薬撲滅キャンペーンの中で過剰に脅かされ」続けている。これは情報操作なのである。一度社会に誤った偏見が定着してしまうと、正しい情報に回復するのはとても大変だということの一例でもあるだろう。
昨今、海外の研究機関からは大麻の医薬品としての効果が次々と研究報告されており、アメリカの民主党大統領候補も全員が医療大麻を支持しているが、日本では国民の命を平気で粗末にする腐れ倣岸厚労省と、その天下り機関である罪団呆人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが、莫大な税金を投入して大麻撲滅キャンペーンを続けている。大麻はさまざまな疾病に効果がある薬として、将来的には間違いなく世界中で見直されるときが来るだろう。大麻研究で知られるレスター・グリンスプーン博士が「大麻はやがて21世紀のペニシリンと言われるようになろだろう」と論評していることがカナビス・スタディハウスで紹介されている。
かつて麻薬撲滅キャンペーンで過剰に脅されて白眼視されていたモルヒネ。今も同じ過ちを繰り返し続けている、分かっていながらやっている厚労省の厄人ども。
モルヒネや大麻だけではないのだろう。私たち自身が、知らず知らず、厄人やマスゴミの誘導によって、実はとんでもない誤解をしている事象が他にもあるのだろう。怖いことだ。流された情報は本当に正しいのか。誰がどんな意図で流している情報なのか。私たちは、垂れ流される情報を疑い、検証する姿勢を持たなければならないのだと思う。
(つづく)
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