冤罪事件に希望を見出すとすれば

投稿日時 2008-02-09 | カテゴリ: 祐美さん(大麻密輸の冤罪)

ナイジェリア人の男に巧妙に騙され、大麻の運び屋にされてしまった祐美さんの裁判で、司法は無実の祐美さんに懲役5年罰金100万円という信じ難い判決を言い渡した。冤罪は司法による犯罪である。
姉のさゆりさんは弁護士から上告棄却の知らせを受け、夜通し泣いたそうだ。このような事件に巻き込まれることがなければ、祐美さんは内定していた企業に就職し、子どもの頃からの夢を実現し、社会人としての一歩を踏み出しているはずだった。家族の落胆と悲しみは察するに余りある。

祐美さんを騙したナイジェリア人は、未だに様子を探るかのようなメールを姉に送ってきている。大麻を簡単に手に入れることができるアムステルダムからのメールだという。祐美さんと同じように騙されて運び屋をやらされている日本人がいるのかもしれない。

最高裁による上告棄却決定で、ひとまず裁判は終わってしまった。だが、祐美さんの姉も、妹も、諦めてはいない。まだ詳しくは書けないが、全くの無実の罪で長期の実刑判決を受けてしまった大切な家族を救うため、新たな取り組みの準備を始めている。

先に警察庁は、取り調べの適正化を図るため、取調室に覗き窓を設置して、取り調べを担当するのとは別の部署による監視などを行う方針を示した。まるでどこかの風俗店だ。拉致監禁組織Aチームが、同じ拉致監禁組織Bチームを見張るというだけのことでしかない。
この国の刑事裁判に、希望などない。希望は、理不尽で不条理な取り調べや司法を問い、大切な家族を救おうとする姉たちの思いのなかにこそある。
私たちTHCも、出来る限りの助力を続けるつもりだ。

希望は、警察にも裁判所にもない。希望は、予めあるのではない。それは私たち自身が創り出すことによってこそ生まれるのである。だから、私たちに希望はある。






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