2007年10月分相談対応レポート

投稿日時 2008-02-16 | カテゴリ: 相談対応レポート

新規相談数―15件


・相談1
大麻はどうして吸ってはいけないのか。色々と調べてみた結果、大麻は学校で教わったような有害なものではないという記述がとてもたくさんあり、大麻が悪いものなのかどうかが分からない。

対応
日本では大麻の事実について科学的根拠の無い有害説を、厚労省が監督する財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターのダメゼッタイホームページが広報している。それを多くの国民が大麻の事実としてとらえているのが現状。マスコミも無批判にそれを広報しているのが現実。
実際に大麻が身体や精神に及ぼす作用について、また大麻の事実について以下リンクを参照されることを勧める。
・THCのサイト内 検証「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ
カナビススタディハウス

また、大麻の事実に反して重い懲罰を科す日本の法律や、逮捕されたらどうなるかも伝える。


・相談2
私は、今年大麻所持で逮捕され約3ケ月の拘留期間を経て、懲役1年6ケ月執行猶予3年の判決を受けた。その後に「180日運転免許停止の、行政処分をするので出頭して下さい」と、通知が来た。担当の交通課の人に問い合わせたところ、道交法103条の第8項に当たるとのことだが、納得できない。

・対応
大麻事犯で有罪とされても、免停にされたという情報はこちらにはない。所持や栽培で有罪とされても道交法は関係ないが、大麻を吸いながら運転していた時に止められて検挙されたなどの事実があったのか? 大麻の件の担当弁護士に相談するか、その弁護士では良くわからない場合、有料の法律相談になるが、他の弁護士に相談することを勧めると共に 日弁連法律相談窓口の連絡先を伝える。


・相談3
知人の話なのだが、過去にアルコールを飲みながら大麻を使用した際に嘔吐したことがある。その後体調がすぐれず、病院で診察を受けるが異常はなかった。本人は今も大麻の成分を疑っているが、THCのフロッガー医師の見解を伺いたい。

対応(フロッガー医師)
[症状と大麻の関連]
一般に、大麻による身体的な障害で永続的なものというのはあまりない。大麻使用後3週間経っている事を考えると体内に薬物が残っていることは考えにくい。心理的・精神的な影響ではないだろうか。不快なトリップで不安が残り、その不安から動悸などの症状が起こることはあり得る。病院で検査をして問題ないということであれば心配いらないだろうと思われる。
[今後について]
検査結果を実際に拝見した訳ではないので断定はできないが、心電図や血液検査で異常が無い事を考えると、特別な治療は必要ないと思われる。


・相談4
夫と旅行中に、荷物検査を受け少量の大麻所持が発覚し、夫は現行犯逮捕され、10時間後、家宅捜索が行われた。夫は大麻所持では初犯だが、以前逮捕歴が一度あることを刑事から聞いた。数日中に接見は可能となるが、起訴されたらすぐに保釈請求をしたいので何点か教えて欲しい。夫はもともと今週中は有給を取得しており、刑事の計らいもあって、会社には当分伏せておくことが可能。私選弁護士か国選弁護士にするか、調べてもどちらが良いのか判断できない状況。費用も含めそれぞれのメリット・デメリットを教えて欲しい。また弁護士に支払う金額は着手金×2の金額のようだが、交渉で少しでも負担を軽減させられるものなのか? 夫の将来はもちろん、今後の経済面でかなり不安がある。

対応
まず当番弁護士を手配し、前科が今回の件に響くかどうか確かめる事を進める。私選と国選のメリットデメリットを説明。前科の影響がないようであれば、経済的ダメージを防ぐために国選弁護士にし、保釈請求は相談者がする手もあることを伝える。
その後1ヶ月に渡り対応を続けるが、相談者の動きが良かったため、早期釈放と会社への復帰につながった。


・相談5
弟の友人が大麻所持で逮捕された。弟の部屋には大麻はなく、吸引具やグラインダーのみ。ガサに入られても、吸引具などは私の部屋に移動すればよいと弟は言っているのだが、心配。

対応
自宅全部を捜査されることを、前提にしておいたほうがよい。


・相談6
友人が窃盗、大麻で逮捕された。過去に一緒に使用したこともある、親しい友人なのだが、自分が捜査の対象にされないか心配。どうしたらよいか?

対応
友人の通信記録などを捜査したときに、相談者の名前と過去のやりとりの事が出てくれば、今後事情聴取やガサに入られてしまう可能性は否定できない。友人の状況が不明なので、捜査の範囲や今後の展開などはメールの内容からは推測困難。逮捕日、逮捕状況、逮捕容疑(所持や栽培、営利販売など)、量、などがわかれば友人の今後の展開について大まかなこととなるが、推測できるかもしれないことを伝える。


・相談7
自宅がガサに入られた。夫に大麻栽培の容疑があるとのことで、聴取を受けることになり、その後所持で逮捕された。すでに関連先が逮捕されているので、そのことが原因だと思うが、弁護士を紹介して欲しい。

対応
勾留先の地区の弁護士で紹介できる人がいなかったため、心あたりのありそうな弁護士と 日弁連の窓口の連絡先を伝える。


・相談8
2日前に3年付き合っている外国籍の彼が逮捕された。彼は日本語は話せ永住権も持っているが、彼の母親は日本語がほとんど話せない。おそらく少量の所持だとは思うが警察に問い合わせても 容疑は教えてくれず、外国語が話せる弁護士のあてはあるので連絡しようと思っている。彼の母親も自分もショックでどうしてよいのかわからず、経済的な事情もあるので、助言が欲しい。

対応
彼の状況を知ることが先なので、当番弁護士の窓口へ連絡をし、手配することを勧める。その際親族が手配する方がよいのだが、彼の母親は日本語が良くわからないということなので、相談者が代理ということで、連絡をすることも出来ることを伝える。当番弁護士の接見が済んだら、弁護士から逮捕された時の状況、押収量、逮捕容疑を確認し、折り返し連絡をくれるよう伝える。その後のやり取りで少量の所持で執行猶予判決となるのは間違いない状況とわかったが、日本人の配偶者などがいない外国籍の人が、大麻取締法で有罪となった場合は強制退去という処分になる可能性もあるので、入管に詳しい弁護士へ相談することを勧める。


・相談9
交際相手が大麻所持と栽培の容疑で逮捕された。逮捕された事は友人からの連絡で知り、マスコミの報道で内容を確認した所、自宅の庭とベランダで大麻草26株、乾燥大麻約1.5キロが押収され、内、小分けにされたものが23袋あったとのこと。新聞で見る限りでは、個人の使用目的。初犯だが、量が多いのと、小分けにされている事でやはり営利目的とされ、実刑になる確率は高いのか? 彼は会社員で3年程勤務しており、真面目に働いていた。私にできる事はまず何があるのか。彼がどんな状況なのかわからず、不安。

対応
彼の家族と連絡が取れないということなので、もう接見済みかもしれないが、当番弁護士の手配と、念のために弁護士から逮捕された時の状況、正確な押収量と逮捕容疑を確認し折り返し連絡してもらうよう伝える。また押収量が多いので 今後の状況によっては営利容疑に切り替わる恐れもあり。その後のやりとりで、家族はすでに私選の弁護士を選任していることがわかり、最終的には自己使用目的の所持と栽培で起訴、執行猶予つきの判決となった。


・相談10
交際相手が微量の大麻所持で逮捕された。大麻所持の前科があり執行猶予期間中。知人から大麻事犯に強い弁護士が居ると情報を受け連絡してみるが、150万~200万掛かると言わた。現在他の弁護士を彼の母親が選任し、私選としている。執行猶予中で、同じ大麻所持での逮捕なので実刑は免れないと思うが、どうにか刑を短くして欲しい。本人の希望は、高くなっても大麻事犯に詳しい弁護士のほうがよいとのことだが、途中から弁護士を変えることは可能か?

対応
私選の弁護士を選任しても、途中で解任して他の弁護士に変えることは可能。その場合、両弁護士と相談の上で進めたほうが、スムーズに行くと思われる。何よりの焦点は少しでも刑を軽くすることなので、現在の弁護士に今後の展望や勝算はあるのか、また他の弁護士に変えても、その弁護士によい展望と戦術がないと変える意味がないので、先に法律相談といった形で今後の展望について確認されることを勧める。


・相談11
他県に住む大学生の息子が、大麻取締法違反で逮捕されたと刑事から連絡が入った。接見禁止ながらも差し入れに向かうが、取調べ中だったため刑事からも情報は得られず。後日家族からの調書を取りたいという要請があり、詳細を把握することが出来た。担当の刑事たちも大麻取締法の矛盾は承知しているようで、息子に対しても「法律やからね」と比較的同情的にも接してくれたようだ。ただ刑事の話では、譲り渡しに金銭が関連していると営利目的とみなされ、単なる所持より重い罪になるようなので、心配。また、逮捕時に本人が使用した事実は検査での陽性反応で判明しているが、パイプや大麻自体の物的証拠がない状態。不起訴等の可能性が高いなら私選で弁護士を選任しようと考えているが、見解を伺いたい。

対応(白坂)
メールの内容から推測する限り、実刑になるようなことはない。印象としては、悪くても懲役1年6月執行猶予3年、といった感じではないだろうか。証拠不十分で不起訴になると良いが、友人の供述もあるようなので起訴される可能性が高いように思われる。弁護士の法律相談を利用するのも良い。大学生とのことなので、学籍が心配であることを伝える。その後のやり取りで、刑事と検事の「退学にしたくない」という計らいもあり起訴猶予で釈放されるが、「逮捕」ということが理由で大学から「無期停学」「自主的に退学せよ」と通知され、学校側にも掛け合うが、きちんとした回答は得られなかったので、偏見の目にさらされるより人生のリセットをし新しいスタートをすることを選ばれたという報告あり。


・相談12
自宅にガサが入った。大麻は出てこなかったので逮捕はされなかったが、パケが沢山と種が出てきた。また、栽培道具も見つかるが、何も育っておらず押収はされていない。ガサ入れの際、色々質問され渋谷で外国人から買ったと、種は海外から持ってきたという証言をしてしまった。今後も聴取があるようだが、買ったという証言だけで逮捕が出来るのかということと、大麻取締法で「第24条の6 情を知つて、第24条第1項又は第2項の罪に当たる行為に要する資金、土地、建物、艦船、航空機、車両、設備、機械、器具又は原材料(大麻草の種子を含む。)を提供し、又は運搬した者は、3年以下の懲役に処する。」という法律があるので心配。どのような形で呼ばれ、どのように返答していいかまったくわからないので早く返事が欲しい。
※ 第24条 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。3 前2項の未遂罪は、罰する。

対応(白坂)
どのような経緯でガサになったのか、事件の内容によって展開は異なるだろうと思う。何か組織的な営利でやっていたのか、あるいは大麻仲間の逮捕で芋づるのガサになったのか、など、事件を当局がどう見ているのかによる。モノを持っていなくても、先に捕まった人の供述だけでも逮捕になることはある。詳細がわかればこちらでももう少し伝えられると思うが、弁護士の法律相談を利用するのも良いと思うことを伝える。


・相談13
友人が7人逮捕された。容疑は栽培と所持など。自分も容疑者として逮捕される可能性があるので助けて欲しい。

対応
関連者が多く状況は複雑であり、相談者本人も逮捕される可能性があるので一刻も早く弁護士に相談することを、弁護士の問い合わせ先と共に伝える。


・相談14
交際相手が大麻所持で逮捕された。警察から連絡がきて自分も取り調べを受けるが、交際相手と自分の供述があわないので、今日また事情聴取をするので来てくれという連絡が入った。どうすればいいのかわからず、またかけなおしますと言って一旦切ったのだが、これからどうなっていくのかとても不安。

対応
短いメールで状況がわからないので、当番弁護士を手配し、詳細がわかったら折り返し連絡をくれるよう伝える。


・相談15
友人が接見禁止で勾留されている。本人が当番弁護士をすでに頼んでいるかどうかの確認ができる連絡先などはあるのか? まだ20日間くらい接見禁止の状態が続くようだが、親に知らせて当番弁護士に依頼するか、私撰弁護士を探すか、何もしないで接見禁止が終わるのを待つか迷っている。この地区に紹介できる弁護士がいたら教えて欲しい。容疑:233グラムを密輸。初犯で『自分で使用目的』で容疑を認めている。

対応
当番弁護士が接見したかどうかを確認したい場合、当番弁護士の窓口で問い合わせると事情によっては教えてくれるが、原則として第三者には教えてくれない。もし、まだ当番弁護士が手配されていないようであれば、手配し、本人が今後弁護士や家族への報告などに関し、どうしたいのか意向を聞いてもらうと良いということと、弁護士2名の連絡先を伝える。





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