「鉛入り大麻」と「発芽しない種」

投稿日時 2008-04-14 | カテゴリ: 毎日新聞の大麻報道との対話

毎日に次のような記事が出ました。署名入り。曽田拓さん。


大麻の種:ネット売買が横行 所持「合法」、栽培「違法」

インターネットなどを通じて大麻の種を入手し、栽培する事件が増えている。昨年の栽培事件の摘発件数は184件で、10年前の4倍以上に上った。現行法では大麻の種の所持・売買は犯罪にはならず、ネット上には海外産の販売サイトがあふれている。国外からの持ち込みの取り締まりも難しく、税関などの「頭痛のタネ」になっている。

背景も海外も見ようとせず、当局に取材して聞いたまま、大麻の種が『税関などの「頭痛のタネ」になっている』などとして済ませています。こういうのをジャーナリズムと言うのでしょうか。
社会学部で取締当局に見学に行って、ゼミのみんなで担当者の話を聞いて書いた、大学生の宿題の作文といった感じです。

警察庁によると、大麻栽培事件の摘発は2年連続で増加しており、昨年は、39件だった10年前の4.7倍だった。使用などを含めた大麻取締法違反事件全体の摘発は、3282件と10年前の約1.8倍にとどまっており、栽培事件が突出している形だ。

「使用などを含めた大麻取締法違反事件」って、使用で摘発された人がいるのでしょうか。

この毎日の記事を読んで、カナビス・スタディハウスの「ドイツ、鉛混入カナビスのその後」という記事を連想しました。
ドイツでは、大麻に鉛が混ぜて売られ、健康被害を受けた人たちがいるそうです。イギリスではガラスが混ぜられていたというし。日本にもそのようなブツが出回っている可能性もあるのではないでしょうか。日本でこの種の健康被害が起きても、逮捕を恐れて病院に行かないケースが多いでしょうね。被害が拡大するばかり。(この件はほんのちょっとだけいいニュースが近いうちに書けるかもしれません)

カナビス・スタディハウスには次の指摘があります。

こうした傾向については、最近、栽培場の摘発は厳しくなり、小規模な個人栽培が減少する一方で高度に組織化されたギャングによるカナビスの栽培と供給をコントロールが強まった結果、重量を増やして利益を確保しようとして異物混入が顕著になっているためだと指摘されている。

こうした異物混入問題の根本は、カナビスが禁止されていることが最大の原因になっている。違法であるために、いかなる規制も品質テストも受けておらず、ディーラーは利益を大きくするために何でもする。

こうした状況は、非犯罪化しても基本的には変わらない。結局は、カナビスを合法化して、規制・管理することで品質を保証する仕組みが必要になる。

他のドラッグに比較すれば、カナビスの場合は混入に対する対策が取りやすいともいえる。カナビスはもともとブレンドするという概念がないので、マリファナのように粉状になったものや、形の崩れたバッズを避ければ、それだけでかなり異物を排除できる。また、匂いや手触りを確認したり、バッズを指先で回したり振ったりして何か落ちてこないか確認することだけでも大いに役立つ。

それではここで問題です。
毎日の記事と、カナビス・スタディハウスの記事、どちらが背景まで伝えているでしょう。
(1)毎日新聞
(2)カナビス・スタディハウス

正解はこちらにお伝えしました。
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ドイツもイギリスも個人使用の少量の大麻は事実上の非犯罪化が為されています。日本では、パイプにこびり付いていたモノで逮捕された人もいます。彼我の差は大きい。
日本人を騙して金儲けするなら、鉛やガラスを混ぜた大麻ではなく、熱処理されて発芽しない中国産の大麻の種を「オランダもの」とか言って売りつけるのがリスクの低い詐欺手法かもしれませんね。

そんなことする人がいませんように。・・・もうとっくにいるかもなあ。






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