6.93日間を振り返って
夫は、ここ日本で法律を犯した。
同じ事を母国でしたならば、罰金刑若しくはそれ以下で済んでいた事なのに。
私にとっての93日間は、色々な思いが交錯した期間であった。
夫は、私が日本で大麻を吸って欲しくない事を知っていた。にもかかわらず、やっていた。挙句の果てが、この結果だ。まったく頭にくる!
私をはじめ、日本を尊重していなかった事になる。しかし、この事にこだわっていては、前に進めない。私は何を望んでいるのか? この結婚を終わりにするのか?続けるのか? 答えは後者だ。その為には、この事を受け入れなければならない。
結婚当時、夫が大麻を吸う事は正直嫌だった。しかし、それを受け入れなければ、一緒には居られない。夫は、10代の頃から大麻を吸っていたそうだ。
デンマークでは、大麻に対して、法律も厳しくない。ある意味、文化なのだ。そう考えたら、受け入れる事は難しくなかった。
今回の場合、夫が私に隠れて大麻を日本で吸っていたこと、それに伴って逮捕された事が、結婚を終わらせるに足る理由になるか?と考えた所、それには及ばないというのが結論だ。
少し、負け惜しみに聞こえるかもしれないが、日本の司法制度には、「私達夫婦の愛を試す事が出来ました。大麻取締法ごときで壊れませんでした。有難う。」と言いたい。(かなり負け惜しみ)
この93日間で、私達は何を失ったのだろう? 夫は、自由を。私は、夫を。そして、経済的にもかなりのダメージはあった。しかし、他のケースと比べたら、運が良かったのかもしれない。
人によっては、仕事を失ったり、親子の縁を切られたり、報道されたり…
いずれも、私達には起こらなかった。
また、刑事さんや、留置場の警察官達も、親切に接してくれた。留置場の婦警さんはいつも、笑顔で接してくれたし、若い警官は、面会の時、内緒だと言って、3分面会時間を延長してくれた。
このような事を考えると、法を執行する側の人間も、大麻事犯なんてたいしたことではないと考えているのでは?と思えてくる。そこに、法律があるから、夫を逮捕し、93日間もの間自由を奪ったのだと。
いつか、日本の司法も私がしたように、大麻を受け入れる事が出来るのだろうか?
仮に出来たとしても、恐らく時間がかかるのだろうな。
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