偏見に満ちた産経の記事(1)

投稿日時 2008-07-14 | カテゴリ: 産経新聞の大麻報道との対話

国土交通省職員が官舎で大麻を栽培して捕まった件、ウェブ上のニュースを見ると、各社とも麻薬取締事務所の報道発表を簡単に伝えるものですが、顔写真入りは産経だけです。さらに産経は、9日の一報に続き、12日には『【衝撃事件の核心】官舎は大麻畑…ジャンキー公務員夫婦のトンデモ生活とは?!』という、御用サブカル誌(?)の如きタイトルの記事を掲載しました。(*サブカル誌をバカにしているのではありません。御用をバカにしています。)

この事件はまだ容疑者が逮捕されたばかりであり、どのような背景事情があったのかなど、全く分かりません。容疑者は推定無罪の立場に在るわけです。それを、産経は、次のように書いています。

官舎の一部屋を大麻栽培部屋に“改装”し、夫婦で大麻を吸っていたという、ただあきれるばかりの犯行だった。

まだ判決が出ていないどころか、公判も始まっていないどころか、起訴されてすらいないどころか、取り調べが始まったばかりなのに、産経は取締当局の発表を偏見でコテコテと飾り立て、「ただあきれるばかりの犯行だった」と結論を出しています。産経はいつから裁判官の仕事を兼務するようになったのでしょうか。ただあきれるばかりです。大麻関連の報道に限りませんが。

大麻取締法では、種子の売買は禁じておらず、購入者が栽培すると知っていて種子を販売、提供しない限り罪には問われない。捜査関係者は「『観賞用』と説明されると、言い逃れとは分かっていても追及は難しい」とため息を漏らす。

種の売買も逮捕できるようにすればいいのに、と、捜査関係者と一緒にため息を漏らす産経記者が目に浮びます。

事態を重くみた厚労省は今年4月、種子を販売している店舗の情報収集を始めるなど、実態把握に乗り出した。ただ、販売規制に向けた具体的な動きは今のところないという。

販売規制に向けた具体的な動きを早く始めればいいのに、と、ため息を漏らす産経記者が目に浮かびます。
「大麻には使用罪がある」と言い張り自社の記事の事実関係を確かめることもできない、まだ事件の背景や事情も分からないのに容疑者を「ジャンキー」呼ばわりする、ジャンク記事。ただあきれるばかりです。


参考:この事件の各社の一報(各社の掲載期間によりリンクはそのうち途切れます)
【産経】自宅官舎で大麻草栽培 国交省主任を逮捕 「妻と吸った」
2008.7.9 13:40
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080709/crm0807091341016-n1.htm

【朝日】国交省官舎で大麻草栽培の疑い 近畿整備局職員を逮捕
2008年7月9日13時45分
http://www.asahi.com/national/update/0709/OSK200807090044.html

【毎日】大麻栽培:官舎で55本 国交省職員逮捕 近畿麻薬取締部
2008年7月9日 23時39分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080710k0000m040136000c.htmlka

【読売】国交省職員、官舎に“大麻部屋”…鉢植え55本や種
2008年7月9日13時58分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080709-OYT1T00423.htm

【時事】大麻栽培、国交省職員を逮捕=大津の官舎で-近畿厚生局
2008/07/09-13:39
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date2&k=2008070900407

【共同】国交省職員官舎で大麻栽培 近畿厚生局、容疑で逮捕
2008/07/09 13:26
http://www.47news.jp/CN/200807/CN2008070901000368.html

(この項続く)






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