小説:医療大麻物語(1) 発症

投稿日時 2008-07-18 | カテゴリ: 小説:医療大麻物語

注意!この文章はフィクションで実在する人物や団体とは一切関係がありません。
医療大麻についてのフィクションを書いて、試験的に公開してみます。題名も仮称ですし、不完全なものです。もし皆さんの反応があれば、インタラクティブに変えていこうと思います。感想等書き込んでいただければありがたいです。


シーン1 発症

 早苗はこのところ背中に鈍い痛みを感じていた。台所で立ち仕事をしたり重いものを持ったりした時に痛みは強くなるが、少し休めば気にならなくなるので、深刻には考えていなかった。「私も年かしら?」、何より、今まで風邪すらほとんどひかず、体は丈夫な性質であった。

 「今日の夕飯はどうしようかしら?」、今日は早苗と夫にとって特別な日である。ちょうど2年前のこの日に2人は結婚式を挙げた。結婚してからの日々は幸せそのものだ。子供はいないが、夫婦はまだ2人きりの生活を楽しみたいと考えている。夫の久保田良介は会社員で、上司にも部下にも信頼されている。どちらかと言えば仕事人間だが、家庭をおろそかにしているわけではない。「怖いぐらいに幸せな日々だ。」、早苗は思う。

 早苗は夕飯の準備を始めた。高い戸棚の中にある食器をとるために、踏み台に上った。そして、そこから降りた瞬間。背中に電撃を受けたような激しい痛みが早苗を襲った。声にならない声をあげ、その場に倒れこむ。両足がしびれるように痛み、動かすことが出来ない。全身から冷や汗が出る。歩くことが出来ず、両腕で床を這って電話のところに行き、119番に電話をかけた。何とか自宅の場所と痛みの症状を伝え、早苗は気を失ってしまう。

(つづく)






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