関東学院大のラグビー部員らに大麻の種子を販売していた大阪市都島区の雑貨輸入販売「アンツインターナショナル」が、発芽防止の熱処理をしていない種子を密輸したとして神奈川県警は29日、同社社長の◆◆◆◆被告(34)ら3人(大麻取締法違反のほう助罪で起訴)を、関税法違反(無許可輸入)容疑で横浜地検に追送検する。
大麻種子密輸に同法が適用されるのは全国で初めて。
捜査関係者によると、◆◆被告らは2007年2月にオランダの大麻専門店から種子約1万粒を約350万円で買い付け、同年3月に関西空港着の航空機で持ち込んだ疑い。種は手荷物に隠していた。◆◆被告は「見つかっても、発芽することを知らなかったと言えば、逮捕されないと思っていた」と供述している。
県警は、◆◆被告らが05年6月~07年12月の4回、オランダで計約3万4000粒を買い付け、大阪市内の直営店やインターネットで、仕入れ価格の10倍に当たる10粒7000円~2万8000円で販売、約8000万円の利益を上げていたとみている。
熱処理済みの大麻種子は鳥のエサや香辛料に使われており、外見で区別できない未処理の種子は野放しに近い状態とされる。◆◆被告らは、客が栽培すると知りつつ種を販売したとして大麻取締法違反(栽培)のほう助罪で起訴されたが、県警は横行する密輸自体を封じ込めるため、関税法違反での立件を目指した。
(2008年7月28日14時34分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080728-OYT1T00408.htm
大麻の種の販売自体は違法行為ではないので、これまでは客が栽培すると知っていて売ると「幇助」として検挙されていました。検挙された種の販売元に顧客リストが残っていて、そのリストから家宅捜索に入られ、栽培が発覚して逮捕された人もいます。つい最近もそのような例での相談がありました。取り締まり当局は、顧客リストの記録だけでガサに入るようなので、これまでネットや店舗で種を買い、個人情報を伝えたことのある人は、注意したほうがいいと思いますよ。
大麻の種の販売自体は違法ではありませんが、発芽防止処理されていない種を輸入することは関税法で規制対象となっています。上の記事ではその関税法を初めて適用したと伝えていますが、今後、種の輸入についても規制を強化するという取り締まり当局の意思の表れでしょうね。
しかし、3年で8000万円の利益って、すごいですね。こんなに儲かるなら自分もやろうという人はきっと今後も出てくるでしょう。最近は営利目的の栽培で過去最大の押収量とか、大量の種の密輸などが摘発されていますが、個人が種を入手できないようにし、栽培できないように弾圧を強化すると、組織的で大規模な密輸や栽培が増えることになるだけでしょう。近頃の報道を見ると、既にそのような動きが出ているのだろうと思います。禁酒法があるからこそ、アル・カポネは儲かる。
で、何も解決しない。取り締まりを強化すると、捜査や裁判や刑務所の管理コストが増え、税金が無駄に使われるだけなのです。
大麻の医学的な研究すら禁じ、大麻の事実を全く検証もせず、ただひたすら弾圧のための弾圧が盲目的に続けられています。アメリカで大麻弾圧が始まったのは、禁酒法が廃止され、職を失った役人に新たな仕事を与える目的もあったようですが、敗戦国の日本は、占領国のアメリカに命じられるまま、禁酒法のバカバカしさを大麻に適用し、そのまま踏襲しているようなものです。未だに占領政策が続けられているわけです。
で、何も解決しない。取り締まりの強化によって日本の不利益を拡大し、ただ不幸を拡散するだけです。
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