日本株式会社社内報による大麻事件報道

投稿日時 2008-08-04 | カテゴリ: ニュース速報

大麻栽培の摘発急増 10年で5倍、厚労省調べ

大麻を栽培して摘発されるケースが急増している。厚生労働省によると、昨年までの10年で約5倍。インターネットの普及で種子を入手しやすくなったことや、種子の所持を取り締まる法律がないことが背景にある。

7月、大津市の自宅官舎で大麻を栽培したとして、国土交通省の職員(43)が逮捕、起訴された。厚労省近畿厚生局麻薬取締部によると、四畳半の洋室を栽培専用にし、日光が入らないよう窓はアルミのシートで目張り。電熱器をぶら下げ、湿度調整用のエアコンまで備えていた。

約20―60センチに育った鉢植えの大麻約50本と、種子が数十粒押収された。職員は「育てやすい種類の種をネットで買い、栽培した」と供述している。

同取締部によると、栽培による摘発は1997年には全国で42件だったが、その後増加し、昨年は192件に達した。

大麻取締法は大麻の所持や譲渡を禁じているが、種子は対象外。ネットや輸入雑貨店で「観賞用」「合法」など“逃げ口上”付きで売られている。〔共同〕(14:01)

日経ネット:2008.8.2.
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080802AT3K0200802082008.html

相変わらず大麻栽培や所持で逮捕される事件報道が後を絶たない。が、大麻で意識が錯乱して通り魔事件になったとか、大麻が直接のきっかけになって他者や社会に被害が生じたという報道はない。そのような事件があれば大麻に偏見を持つ主流マスコミは飛びついて大騒ぎするだろう。報道されるのは、営利目的や個人利用目的の大麻栽培や所持が主だが、最近は種の規制を強化したい取り締まり当局の意思を反映した記事も目立つ。上の日経の記事もそうしたひとつだ。
大麻には覚せい剤のような中毒性はないし、意識が錯乱して刃物を振り回すような危険性もない。むしろ、近年では大麻の医療的な有効性が海外の研究機関によって次々と明らかになり、癌の増殖を抑制する効果など、今後の研究成果が期待される分野も多い。それにも拘らず、日本では厚生労働省が大麻の薬学的研究を禁じ、精神作用のない産業用大麻すら新たに栽培免許を出さない。なぜマスコミはこような馬鹿げた施策を批判しようとしないのだろう。

多くの社会問題で官僚機構の機能不全が問題視されており、マスコミがそれを叩くこともある。だが、現実にはマスコミの報道にもさまざまなバイアスがかかっており、第4権力としてのマスコミのあり方にも大きな問題がある。マスコミ自身は自分たちの抱える問題を追及することができない。クロスオーナーシップが認められているのは先進国では日本だけだそうだ。

大麻取締法は大麻の所持や譲渡を禁じているが、種子は対象外。ネットや輸入雑貨店で「観賞用」「合法」など“逃げ口上”付きで売られている。

まるで大麻の種の売買が禁じられていないことが問題だと言わんばかりだ。取り締まり当局の話をそのまま垂れ流しているだけ。やはり日経は「日本株式会社の社内報で記者は社畜」(佐高信)なのだろうか。






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