スリランカ、国家によるマリフアナ栽培を計画

投稿日時 2008-09-29 | カテゴリ: ニュース速報

ウィキペディアによると、アーユルヴェーダはインドの伝統的な学問で、語源はサンスクリットの「アーユス(生気・生命)」と「ヴェーダ(知識)」の複合語で、約5千年の歴史があるという。
日本でも大麻取締法で禁止されるまでは喘息などに効く薬として大麻抽出薬が薬局で売られていたし、薬局方にも収載されていた。文献としては、5千年前に中国を統治していた神農帝が発行したとされる「草本録(神農本草経)」に、大麻がマラリア、便秘、リウマチなどなどに効くと書かれているそうだ。これはイギリス下院の科学技術特別委員会顧問を務めたオックスフォード大学のレスリー・L・アイヴァーセン博士の著書「マリファナの科学」でも紹介されている。

大麻は何千年にもわたって医薬として使われてきた。中国で紀元前2800年頃、初めて出版された漢方薬の概説書『神農本草経』は、大麻を便秘、痛風、リウマチ、生理不順の治療薬として推奨している。大麻製剤はその後何世紀にもわたって中国の本草書で推奨され続けてきたが、特に鎮痛効果は外科手術の際、痛みを抑えるために利用された。
(中略)
大麻の吸引によって進行癌患者が痛みに耐えることができるようになった、癌治療に使う化学療法薬によって起こる悪心が和らげられた、緑内障患者の眼圧を下げることができた、といった事例を報告する研究がますます多くなっている。
(中略)
娯楽目的での大麻の吸引には有害なケースもあるが、コカインやアルコール、タバコほど危険なものではない。
(中略)
大麻には悪い側面と良い側面があり、適量が用いられる限り、娯楽利用の価値もあるとともに、治療上から見ても有望である。
(中略)
近年では、後天性免疫不全症候群(AIDS)や多発性硬化症など、さまざまな肢体障害をもたらす病気を患う数千人の患者が、症状を和らげてくれると確信して、非合法でのマリファナの吸引を始めている。
(中略)
マリファナはその使用者をリラックスさせ、気持を落ち着かせるが、アルコールはときとして攻撃的で暴力的な行動を引き起こす。
(中略)
何世紀にもわたって大麻が安全な医薬品として使われてきて、欧米諸国で何千人という患者がその薬効を信じて疑わないのに、どうしていまさら問題がありえよう。なぜ欧米諸国は、医師が患者に処方できるように大麻を合法化しようとしないのだろうか?
患者に安全で効果のある薬剤を認めない根拠が、果たしてあるのだろうか。
(中略)
大麻がもたらしたメリットを語る人たちのしばしば感動的な報告は抗いがたい力をもっている。これ以上、いったい何が必要なのだろうか。
吸引マリファナが一部の患者に実際の薬効をもたらしていることは、疑いようのない事実なのである。

ハーバード大学医学部精神医学部名誉教授のレスター・グリンスプーンも「マリファナ、禁断の薬」で医療大麻の歴史について言及されている。

アーユルヴェーダ医学でも5千年前から薬草として脈々と使われてきた大麻。その大麻が、テロ国家アメリカの主導で弾圧され、伝統医学の分野にも困難が生じているとロイターが伝えている。

[コロンボ 25日 ロイター]スリランカ政府は、伝統的なアーユルヴェーダに基づく医療で使う生の大麻が不足していることから、国によるマリフアナ栽培を計画している。
スリランカの伝統医療省は今月、8ヘクタールの農場で年間4トンの大麻を栽培する計画を発表。マリフアナは同国で1890年代から違法となっているが、同省は例外的な措置を求めている。
ハーブや自然療法を広く用いるアーユルヴェーダは、心身の癒しを目的としており、スリランカでは西洋医学の医師よりアーユルヴェーダの医療施術者の方が多い。

マリフアナ栽培を計画している同省によると、生の大麻は油で揚げ、約18種の伝統薬に使われるという。
スリランカ、国家によるマリフアナ栽培を計画

因みに、記事には「生の大麻は油で揚げ」ると書かれているが、唐揚げにするわけではないらしい。ロイターの記事の誤りを談話室で当サイトの読者が指摘してくれた。

この記事は原文にも間違いがありますが、翻訳文は、カナビスについてまったく分かっていない人が訳しているので、さらにひどいものになっています。
まず、「マリフアナは同国で1890年代から違法となった」書かれていますが、120年も前から禁止されていたなどはとても考えられません。
インドでイギリス・ヘンプ調査委員会が大規模な報告書をだしたのが1894年のことですし、その結論は「当委員会は、実際上、ヘンプの適度な使用においては悪い影響は全くないとの結論に達した」というものです。実際に、スリランカで禁止されたのは、1984年の毒物・オピアム・危険薬品法からです。多分数字を置き間違えている。
また、「生の大麻は油で揚げ」と書かれていますが、原文は「Fresh marijuana fried in ghee, a form of clarified butter,」となっています。バターを純化して作ったギーを液状に温めて、その中で細かくしたカナビスを溶かして成分を抽出するという意味です。
訳者はギーという言葉も知らないし、fried という単語に惑わされて、「揚げる」などと訳しています。しかし、てんぷらのような状態を考えると、温度が高すぎて、THCは蒸発して失われてしまいます。
このように無知の人が単語にばかり頼って訳したものはおかしなものも少なくありません。みなさんにおいては、こうした記事を見たときに、カナビスの性質からしておかしいと感じる感性を日頃から身につけてほしいと思います。
●カナビス料理素材の作り方
●スリランカ 医療カナビスの苦しみ

もうひとつ因みに、私は、捕まる前の2002年、大麻栽培者免許の申請を行ったとき、申請理由として、大麻を食材にも利用すると書き、天ぷらにするとも説明した。種の付いたバッズを揚げて塩を振って食ったこともあった。うまかった。医食同源。





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