「早急に大麻取締法の改正を求める」なら

投稿日時 2008-10-07 | カテゴリ: 白坂の雑記帳

早急に大麻取締法の改正を求める」というタイトルを見て、私は、お?と思い、その記事を読んだ。
このサイトの常連さん(取り締まり当局や省庁を除く)なら、大麻取締法の改正を求めるといえば、当然刑罰の軽減とか、個人的な栽培や所持の容認を思い浮かべると思う。が、世界は広い、というか、やはり私たちは少数者だと改めて痛感した。その記事は、栽培や所持が禁止されているのに、使用が禁止されていないのは法の欠陥だから、使用も罰することにしようと主張している。立法事実、立法の根拠を確認もせず、使用を禁じないのは法の不備だから、それも罰することにすればいいというのだ。
昨年のラグビー部の学生たちの大麻事件は、種の規制に拍車をかけるための、当局によるプロパガンダに利用され、マスコミは大騒ぎして踊った。以来、発芽する種の販売は、それまで適用のなかった関税法も使われ、種を売った者たちが次々と検挙された。
その後も大麻バッシングは続き、大相撲の大麻騒動では、スポーツ競技の公平さを保つためのドーピング検査と、違法薬物の使用検査の区別もしないまま、尿検査で大麻の陽性反応が出たロシア人力士は解雇され、それを疑問視する論調は聞こえてこなかった。聞こえてきたのは、大麻には使用罪がない、だから問題だ、使用でも逮捕できるようにしろ、といった御用テレビ芸人たちの合唱だった。
そのような一方的な報道に疑問を感じたらしい現場のテレビ人やライターもいて、一部、申し訳程度の報道もあった。元露鵬が逮捕されたとき、なぜ日本社会はこのような微量の大麻所持で大騒ぎになっているのか、バカじゃねーの、いや、バカじゃねーのとは書いてなかったが、AFPは疑問視する記事を配信した。
大麻の事実の確認もせず、厚労省のデタラメ情報を問題にせず、麻薬撲滅とかいう大義名分を振りかざして、大麻の使用も禁止しろという論調も見られる。JANJANまでがそのような投稿を採用する。
反論への反論があったので反論したが検閲で一部削除されたので元記事からの引用を外して全文ここに掲載する



反論します。

誤解を生じやすい大麻取締法の欠陥は、昨今の大麻に関する医学上の見解を検証しようとしない、同法を所管する厚生労働省の反国民的態度によって生じているのです。

立法事実を検証もせず、法文上の言葉遊びで辻褄を合わせようとするから、「使用も罰すると明記すれば良い」などという、人権を全く考慮しない暴論が飛び出すのです。
法の欠陥を指摘するなら、「使用も罰する」のではなく、栽培や所持や譲渡を制度的に合法化するという選択肢もあるはずです。

先進国で大麻を懲役刑で取り締まっているのはアメリカ連邦政府と、その言いなりの日本だけです。そのアメリカでさえ、州によっては個人使用が容認され、医療的な使用も制度化・合法化されています。民主党大統領候補のオバマ氏は、以前、大麻の非犯罪化を公言していました。その主張がトーンダウンした現在も、医療大麻については容認の姿勢を示しています。

大麻の医学的事実については、カナビス・スタディハウスをご参照下さい。海外では、ハーバード大学医学部名誉教授のグリンスプーン博士が、「大麻は21世紀のペニシリンと言われるようになるだろう」と評するまでに、研究は進んでいます。ところが、日本では、厚労省が大麻の医学的・薬学的研究さえ認めないのです。大塚製薬はイギリスの製薬メーカーとライセンス契約を結び、大麻抽出薬の研究をアメリカで行い、販売を計画しています。

そのような大麻についての医学的・科学的・社会科学的な事実が、なぜ日本では社会一般に是認されないのか。そこには厚労省や天下り財団法人の権益があり、大麻の事実をタブー視するマスコミがあり、長期政権に従属する司法の問題があります。

法に欠陥があるから「使用も罰すると明記すれば良い」という主張は、私が最初のコメントで指摘した通り、立法事実を確認もせず、国家権力やマスコミの垂れ流す偏見に基づいたものに過ぎないのです。
絵に描いたような机上の空論だとご指摘申し上げ、わたくしのご挨拶とさせて頂きます。





大麻報道センターにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://asayake.jp

このニュース記事が掲載されているURL:
http://asayake.jp/modules/report/index.php?page=article&storyid=845